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イノチノ謡

作者: 戌頃

あるところにひとりのこどもがいました


そのこどもはへんなこころのもちぬしでした


人をきずつけたくてやまないこころ


しらないうちにそのこころはこどもの中で大きくなっていました


大きくなりすぎたそれにきづいた時


こどもは人をきずつけるようになりました


人のはだをいちどきり


まっすぐなきずあとを見てまたきって


十字になったきずをみてまたきって



きってきってきってきって…



こどもにきりきざまれて人でなくなったそれはやがてうごかなくなります


こどもはなんでうごかなくなるか分かりませんでしたが、赤いことはりかいできました



じぶんもそれもただあかい


人はやがてこどもをさけるようになりました


こどものまわりから人がいなくなるころ


こどもはみんなから



¨殺人狂¨



とよばれるようになりました


まわりから人がいなくなったこどもは


しょうがないのでかわりのものをきずつけます


さいしょはおもちゃ


つぎに人ぎょう


つぎに木


あらゆるものをきずつけたけどどうにもおちつきません


くるってしまうとおもったこどもは人をさがすようになりました


いえからいえへ


みちからみちへ


まちからまちへ


こどもはどんどん人をきずつけていきました


ある日、こどものもとに¨てんし¨がまいおりました


てんしは言いました


「これいじょう人を殺すとたいへんなことになるよ」


こどもはなにを言ってるのか分かりませんでした


でも人じゃないのはわかりました


なのでこどもはきずつけることはしませんでした


それからこどもは人をどんどんきずつけます


いなくなってはさがして


みつけたらきずつけて


くりかえしくりかえし


きづけば


こどもいがいに人はいなくなりました


こどもはとてもこまりました


こどものこころはくるってしまいそうです


こどもはどうしたらいいかわからずとほうにくれました


やがてこどもはせいじょうなこころでおもいつきました


じぶんをきずつけてしまえばいい


そうときめたら


さっそくやってみました


まっすぐきずあとをつけて


いたい



まっすぐなきずあとがきもちわるくてもういちどきって



痛い



十字になったきずをみてたまらなくてまたきって



痛い痛い



どんどんきって



痛い痛い痛い



きってきってきってきってきってきって




イタイイタイイタイイタイイタイイタイ




きりきざんで人ではなくなってしまった時

こどもはしんでしまいました


しのまぎわ

こどもはすべてがわかりました

てんしがいっていたこと

きずつけること

殺す事

すべてをりかいしたときこどもはしんでしまいました


このこどもは


人ではなくなったことからのちにこうよばれました


『殺人鬼』


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