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普通の女子高校生が精霊界の王女として転生したようです  作者: よもぎ太郎
第4章 灼熱の勇者
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変わりたいのに~

読者の皆様方、お久しぶりです、よもぎ太郎です。

何と、もうすぐブックマーク数が100を越えそうです。

こんなに応援してくださる読者様がいてとても嬉しいです!

ありがとうございます!

それでは、人の思考ってなかなか変わらないよね、

と少しだけ悩んでいる花音と、何やら様子のおかしいシルフのお話をどうぞお楽しみに下さい。

 私はふと、目が覚める。

 上半身を起こし両隣りを見れば、可愛らしい寝息をたて眠っているアルカ、シルフそしてリゼの姿があった。

 三人が未だに寝ているということは、今日は寝坊をしなかったってことだね。


 みんなが起きないようにそっとベッドから抜け出して、ベランダの方へ足を運ぶ。

 スライド式のドアをゆっくりと開けると、澄んだ空気がカーテンを靡かせて部屋の方へ入ってくる。

 まだ日が出始めた時間だからかな、少し肌寒い。だけど、脳を覚醒させるにはちょうどいい気温だった。


 ベランダへ出て、肺に行き届くような感覚で、澄んだ空気をゆっくりと鼻から吸う。

 そして、限界まで吸ってから今度は口から、息を吐き出す。

 血液に綺麗な空気が行き渡るように、この深呼吸を三回繰り返した。


「すぅー……はぁー……」


 最後に、もう一度だけ軽く呼吸をしてから、今度は目を閉じる。

 ポートワールでお世話になったミーシャさんに教えてもらった瞑想をする。

 シンプルに呼吸をするだけなんだけど、その日一日がビックリするぐらい集中できるから、できるだけ時間を作ってやっている。


 体感で十分ぐらい瞑想をしてから、背伸びをして外の景色をもう一度見る。


 さっきまでは少ししか出ていなかったお日様が、もうすっかり全体を露わにしている。

 たまにする二度寝も良いけど、朝早く起きて、深呼吸とか瞑想とかした方がその日一日を楽しく過ごせそうな気がする。

 私は部屋の方へ身体を向けて、リビングの方へ向かう。


「さて、みんなの朝食でも作ろうかな」


 昨日は寝坊をして、お恥ずかしいところを見せちゃったからね。

 そのお詫びというか、罪滅ぼしというか、そんな感じで汚名返上をすべく私は朝食を作りに行った。


 私が料理を作り始めてから、リゼ、アルカ、シルフの順に目を覚ました。三人とも、それぞれ朝の日課をこなしてから、朝食をとる。


 食事中、なにやら視線のようなものを感じたので、その方向へ目を向ける。

 視線を送っていた主は、シルフだった。


「どうしたの、シルフ?」


 私がそう聞くと、シルフはハッとしたような顔になってから、首を左右に振って食事を再開した。

 何だったんだろう、私の顔に何かついてたのかな?


 一応、口の周りを手でそっとなぞってみたけど、特に何もついてなかった。

 私も食事を再開し、その後は特段シルフに変な動きはなかった。

 だからこそ、私に視線を向けていたシルフが気になって仕方がなかった。どうして私のことを見てたのかな。


 それから朝食を終え、今日も今日とて修行のためにまずはギルドへ向かった。

 ギルドの扉を開けると、ライカが私たちの方へ顔をパッと感じのいい笑顔になる。


「おはようございます!あら、今日はみなさん勢ぞろいですね!」

「おはよう。今日は私が寝坊しなかったからね!」

「なるほど、そういうことですか!あ、そうだ」

「どうしたの?」

「昨日聞きそびれちゃったんですけど、一昨日の夜は一体何を……」

「さーて、今日は何のクエストをしようかなー」

「ああ!またはぐらかしましたね!どんなやましいことをしていたんですか!?」


 ライカはどうしてそんなに聞きたがるのかな!?

 というか、やましいなんて一言も口にしてないのに、決めつけないでほしいよ。

 ……まぁ、私が一方的にやましいことをしていたのは事実なんだけどさ。一昨日に限らず、ね。


 私は過去に犯した数々の変態的行動を思い出し、ため息をつく。

 この世界は美人が多い。というよりも、私が出会った人たちはほとんど美女や美少女だった。

言い訳になっちゃうけれど、容姿端麗な彼女たちが目の前に現れたら、つい気分が高揚しちゃうのは仕方がないと思う。

 前世では一般の高校生だった私が巡り合うことのない美女たちに、この世界に来たことで簡単に出会ってしう。

 そうしたら、つい探求心というか興味が働いちゃったんだよね。

美女と一緒に寝食をともにして、さらにお風呂も一緒に入ったら楽しいのかな、とか。どんな匂いがするのかな、とか。


自分でやっといてあれなんだけど、寝起きに匂いを嗅ぐのはやり過ぎたよね。

アルカに引かれてたなぁ。だけどあのときはこそこそやってたから変態っぽく見えただけで、もっとスマートにやれば印象も大分違ったはず!

……ああ、また変なことを考えちゃった。懲りないな、私は。


だけど、こんなことをいつまでも続けてちゃいけないと、昨日思い知らされた。

アルカに軽い言動をし続けると、本当の想いも届かないと言われちゃった。

確かにその通りだと思う。私が逆の立場だったら、アルカと同じことを言ってると思う。


場を盛り上げるために、たまになら軽い言動をしても楽しいで終わる。だけど、普段からやっていたら、楽しいから一変して楽しくなくなっちゃうよね。

まぁ、私の持論だから必ずしもそうじゃないと思うけど。


とにかく、私は昨日の一件で意識を変えようと決めた。


私の放つ言葉が、嘘偽りじゃないことを証明するために、普段の行動から気を付けるんだ。


 私は今までの行いを懺悔しつつ、何か良いクエストがないかボードを眺めていると、後ろから誰かに抱きつかれた!

 

 背中に当たる柔らかな感触から、アルカじゃないことは容易に想像できた。

 一体誰だろうと思い、後ろを振り向くもかなり密着しているみたいで、顔が見えない。

 だけど、エメラルドに輝くさらさらな髪の毛がちらちら見えたので、多分シルフだ。


「急にどうしたのシルフ?びっくりしちゃったよ」


 私がそう言うと、抱きしめる力が少しだけ強まったように感じた。

 やっぱり、今日のシルフは少しだけおかしい気がする。私、何かしちゃったかな?


「驚かせてしまってすみません。ですが、お願いがって……」

「お願い?」


 私よりも身長が高いシルフは、私の耳元で囁くようにそう言ってくる。

 呼吸や話しかけられるたびに息が耳にかかるので、少しくすぐったかった。


「はい。今日はカノンと二人でクエストに行きたいのです。いいでしょうか?」


 未だにホールドを解除しないシルフからそんな提案を受けた。

 うーん、どうして私と二人でクエストに行きたいんだろう。全く想像がつかない。


 ただ、私にだけ聞こえるように言うんだから、私に用事があるんだよね。

 何だろう、昨日までの私だったら告白かな!?とか脳内お花畑なことを考えていたけど、もう昔の私じゃないのでそんなことは考えない。


 ……嘘です。三割ぐらいは告白かなと思っている自分がいます。

 人ってそう簡単に変われるものじゃないよね!


 取り敢えず!シルフに返事しなくちゃ!


「うん、いいよ。それじゃあ、アルカたちに二人でクエストに行くことを伝えてくるね」


 私はお腹辺りに回されている手を優しく撫でながら、アルカたちに聞こえない音量で返事をする。


「ありがとうございます」


 シルフはそう言って手を放してくれた。


「シルフ、ちょっとだけ待っててね!」


 私はアルカたちの方へ駆け寄り、シルフと二人だけでクエストに行きたいと頼みこむ。

 

 アルカとリゼは、初めは怪訝そうな顔をしていたけれど、私が何かとそれらしい理由を言って、納得してもらった。あとで、今日のお礼をしよう。


 今度は先ほどから微動だにしないシルフの方へ駆け寄り、アルカたちに許可を貰ったことを伝える。


「シルフお待たせ!アルカたちから二人でいいよって許可貰ったよ。さて、何のクエストに行こうか?」

「わがままを言ってすみません、ありがとうございます。では、このゴーレムの討伐にしませんか?」

「いいよ!」


 そうして、私と何やら秘密を抱えていそうなシルフの二人で、ゴーレムの討伐に行くことになった。

読者の皆様、いつも応援していただきありがとうございます。

ブックマークを付けて追いかけてくださる読者様が増えてきて、

とても嬉しく思いますし励みにもなっています。

もしお話を気に入ってくださったり、

続きを楽しみにしていただけましたらブックマークや

ポイントをポチっと押してくださると嬉しいです。

また、感想もお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。

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[一言] シルフと2人、カノン貞操の危機?
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