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普通の女子高校生が精霊界の王女として転生したようです  作者: よもぎ太郎
第1章 ただの人間から精霊の加護をもった人間へ
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事が起こったときに困るだけじゃなく

 私は今、名前も分からない進んでいる方角も合っているのかも分からない森の中をひたすらに、ただひたすらに歩いている。


 目が覚めたのは数刻前だった。

 周りを見渡してみると木々や草花が生い茂っていて、人の手が加えられていない自然の森の中にいることが理解できた。


 私がさっきまでいた白い空間とは明らかに違う場所なので、ちゃんと転生に成功したんだと思う。


「そういえば、アルカディウス様も一緒に来てくれるって言ってたよね。時間差で転生してくるのかな?」


 だから、私はとりあえずこの場で待つことにした。

 それはもうご主人様を待つ忠犬のごとく。

 待つこと10分、未だに来る気配がないのでも少し待つことにした。

 暇だったので私は今更ながら自身の格好に注意を向けた。私の格好はなんというか、いかにも無人島に流れ着きました、みたいなボロボロの制服を身に纏っていた。

 もしかしなくても事故に遭ったときと同じ格好だよね。アルカディウス様、早く来ないかな。

 

 さらに1時間が経過、されどもアルカディウス様は現れなかった。


 アルカディウス様、来ないじゃん。


 これ以上この場にいてもつまらないので、私は森の中を探索することにした。

 それに待っていて気が付いたけど転生場所が私と同じとは限らないもんね。


 ということで、歩き始めてからどれくらい経ったのかな。

 多分数時間は歩いたけど、景色がほとんど変わってない。


 アルカディウス様は見つけられないし、お腹も空いてきた。

 もしかして私、このままアルカディウス様に会えず果ては誰にも見つけてもらうことなく飢えで死んじゃうのかな。


 歩き疲れたので、空腹で凹んだお腹をさすりながら近くにあった岩に腰を据える。

 

「はぁ、こんなことなら待ち合わせ場所とかいつ来るのかとか事前に聞いておけばよかったな」


 私がちょっとした後悔を口にすると同時に穏やかな風が吹き、そして聞き覚えのある声が聞こえた。


「全く、だから言ったじゃないですか。ちゃんと話を聞かないと後悔しますよって」

「あ、アルカディウス様!ずっと探してたんですよ...って何ですかその姿!?」


 リンゴ二つ分くらいの大きさをしたアルカディウス様がそこにいて、つい驚いて立ち上がっちゃったよ。

 アルカディウス様ってこんなに小さかったっけ!?

 確か前回会ったときは私よりも少し背が高かった気がするんだけどな。ていうかどうして羽が生えてるの、妖精なの!?


「これは仮の姿です」

「仮の姿...」


 仮の姿ってどういうことなんだろう。


「私の今の姿も含めてお話ししますので、立ちっぱなしでは辛いでしょうからどうぞお座りください」

「分かりました」


 私はアルカディウス様のお言葉に甘えて再び岩に腰を下ろした。


「それでは、初めにこの世界についてお話いたしましょう」

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