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普通の女子高校生が精霊界の王女として転生したようです  作者: よもぎ太郎
第2章 四大精霊・シルフ
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シルフ

「む~~~」

「あの、アルカ。さっきから何してるの?」


 私が初級魔法で大きなスライムを倒してから、アルカが私の頬をペタペタしている。

 可愛いしずっとこうされてたいけど、どうしてペタペタしてるのか理由を教えてほしいかな。


「花音が実は人ではないのかもしれないのでチェックしてます」

「いやいや、私を転生させたのはアルカだよね!?私が人間なのもう知ってるでしょ!」

「そうなんですが、確認せずにはいられなくて」


 ようやっと私が人だと再確認したのか、アルカはペタペタするのを止めた。ペタペタ頬を触れば人間だと分かるのかどうかも怪しいところだけど。


「ではシルフの元へ行ったら魔力チェックをしましょう」

「シルフ?魔力チェック?」


 聞きなれないワードが2つ出てきたね。

 魔力チェックは何となくわかるとして、シルフって何だろう?


「シルフは風を司る精霊のことです。私の同胞の一人ですね」

「精霊さん」

「はい、そしてシルフに加護を与えてもらえるように頼みます。さぁもう着きますよ」


 ほとんど景色の変わらなかった森を抜けると、開けた場所には石碑がありそこに白いドレスのような衣服を身にまとった一人の女性が横たわっていた。

 腰まで伸びたエメラルドグリーンの髪をした女性、彼女がシルフなのかな。

 一応アルカに確認してみよう。


「あの眠ってる女性がシルフ?」

「はい、そうです」


 やっぱりそうなんだ。

 私とアルカがシルフに近づこうとした瞬間、目の前に小さいけど竜巻がいくつも発生した。


「何これ!?」

「これは、妖精の仕業ですね」

「妖精?」

「そうだ、俺たちの魔法だ!」


 竜巻が消え、その先にはさっきまでいなかった妖精が何人も立ちはだかっていた。


「人間!ここへ何しに来た!」

「何って、シルフに加護をもらいに来たんだけど...」

「帰れ!」


 ええ、何でか分からないけど妖精さんめちゃくめちゃ怒ってるんだけど。

 もしかして人間と妖精って結構仲が悪かったりするのかな?


「アルカディウス様から話は窺っている。どうせ、王国軍が魔王軍に対抗するために力を手に入れに来たんだろう!」


 今この妖精さんは私を王国軍の仲間だと思ってるんだね。

 これは訂正しないといけないね。


「私、王国軍側の人じゃなくて次期精霊の王女としてシルフの加護を受けに来たんだよ」

「そんなウソに騙されるかよ!」

「人間はウソつきばっかだりだから信用ならないわ!」

「魔王軍もウソつきばっかりだけどね」


 魔王軍って嘘つきばかりなんだ、というか私の話はウソじゃないんだけどな。


「アルカも何か言ってよ」


 私がアルカの方を向くと、目の前の妖精たちもアルカの方を向いてさらに怒り始めた。


「お前、何で人間と一緒にいるんだよ!」

「きっと人間に毒されたんだわ」

「裏切者だね」

「ちょっと、どうしてそう決めつけるの!アルカはみんなを助けるためにここに来たんだよ!」


 私と妖精たちが言い争っていると、石碑に横たわっていたシルフが背伸びをし、騒がしくしていた私の方を見てゆっくりとこちらへ歩いてきた。


「あら、何の騒ぎかと思えば、人間が来ていたのですね」


 うわ、近くで見るとスタイルの良さがよく分かるな。

 精霊って美人さんしかいないのかな?


「はい、アルカディウス様の命を受けて加護を頂きに来たのですが」


 シルフはうふふと笑ってから、

「嫌です」

って、素敵な笑顔で断られました。

お読みいただきありがとうございます。

よろしければご評価、ご感想お待ちしております。

次回は2月1日 19時00分に投稿します。

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