何故か女の子に勝ったら悪寒がした
ちょっと今回は短めです。
ダンジョンに戻った俺を出迎えたのは何やら頭を悩ませた状態のフォラスだった。
話を聞くと少し前にミランダが報告に来ていたようでそろそろ作っていた物を保存できるスペースが無くなってきたらしい。
そうなると場所を作るかそのまま破棄するかといったところだけど、さて、どうしたものかな。
「クロー様、偵察も兼ねて売りに行かせてみてはいかがでしょうか?」
うん? 売りに行けるような場所が近くにはないはずだよな。
まるでそういう風に考えているのがお見通しなのかフォラスはにっこりと笑いながらミランダに目を向ける。
「クロー様、実はマリー様より話を聞いて私どもでも確認させていただいたところ、どうやら開拓村と思われるものを作ろうとしているのがわかりました」
まだ、完成は程遠いからこそ旅の商人を装って交流を持つ。
確かに悪くはないかな。こっちにはマリーもいるからこそあまり目立つような事をしない限りはダンジョンの事も広まらないだろうしね。
よし、じゃあマリーたちはその作った物のを目立たない程度にその村に持ち込んで情報とかを手に入れてきてくれ。
「わかりました。では、そのようにされていただきます」
「それでクロー様も何やら悩まれているように思えたのですが?」
どうやらダンジョンに戻った時の表情で感づかれていたようだ。
既に一緒に帰ってきた茉莉奈さんは申し訳なさそうな顔をしながらもキューちゃんと遊びに行ってしまったし。
まぁ、どうせ隠していても仕方ないので素直に今日あった事をフォラスに話す。
「それはまた……」
ちょっと困惑したような表情のフォラスに乾いた笑いを見せようとした時、背中からすごい衝撃と柔らかい感触を感じた。
「マスター、おかえりー」
どうやらエリザが抱き着いてきたようだった。
柔らかい感触に癒されたいところだが、そんな事をしている暇はない。
「それでその決闘に出るのはエリザという事でよろしいですか?」
それだけどエリザがいない間は大丈夫なのかが心配になる。
「恐らく大丈夫だと思います。どうしても気になるようでしたらガチャを回してみてはいかがでしょうか」
それもそうだな。久しぶりにガチャを回してみるのも良いよな。
うまくいけばエリザ以外にも使えるモンスターが出るかもしれない訳だし。
「じゃあ、その決闘は私が出るって事で良い?」
まぁ、フォラスもそう言ってるし、ダメ元とはいえガチャも引くからそれでいいかな。
「なら、期待してて良いわよ」
にっこりと笑いかけてくるエリザからは負けるという事が予想できないほど自信を感じさせる何かが有った。
まぁ、どうせエリザに出てもらう以外は手が無いわけだし、ここはエリザに頼もう。
「では、ついでにダンジョンも拡張してはいががですか?」
そうだな。どうせ、新しいモンスターが手に入るんだからちょっとぐらいは拡張したいな。
という事で、ガチャを回しますかね。
『プチスライム、ホーンラビット、マッドハンド、ダブルテイルフォックス、フラワーポッド、コボルト、スケルトンリーダー、ナイトメア、サキュバス、シャドーバットを入手しました』
・ランク1 プチスライム、ホーンラビット、コボルト、シャドーバット
・ランク3 マッドハンド、ダブルテイルフォックス、ナイトメア
・ランク4 フラワーポッド、スケルトンリーダー
・ランク5 サキュバス
ランクで分けるとこんな感じか。ランク6以上が出なかったのは残念だけど、俺のダンジョンだと使いやすいと思うのが何体か出てきたな。
サキュバス……。召喚してみたい気はするけど、これは気を付けないといけないな。
ほら、今は召喚しないからそんな目で俺を見ないでくれ、フォラス。
「何の事でしょうか、クロー様」
だから、その顔と視線はやめてくれ。
と、そんな事よりもダンジョンの事を考えないとな。
現状はDPを温存しながらもちょくちょく階層を増やしたり、ガチャを引いたり、入れ替えたりして15階まで造った訳で中身はこんな感じか……。
第1階層 洞窟エリア インプ、ホーンラビット
第2階層 洞窟エリア インプ、アントワーカー
第3階層 洞窟エリア ゴブリン、アントワーカー、スケルトン
第4階層 洞窟エリア スケルトン、シャドーバット
第5階層 洞窟エリア ゴブリンリーダー、ゴブリン、ゴブリンシャーマン
第6階層 草原エリア ホーンラビット、アントワーカー
第7階層 草原エリア コボルト、ホーンラビット
第8階層 草原エリア コボルトソードマン、コボルトアーチャー、アント
第9階層 森林エリア シードニア、アント
第10階層 森林エリア トレント、ブラッディホーンラビット
第11階層 迷宮エリア ゴブリン、シャドーバット
第12階層 迷宮エリア ゴブリン、ゴブリンウォーリアー、ゴブリンアーチャー
第13階層 迷宮エリア スケルトン、ドール、ゴブリンシャーマン、ゴブリンウォーリアー
第14階層 迷宮エリア シャドーバット、ハイゴブリンナイト、ゴブリン、ゴブリンシャーマン
第15階層 迷宮エリア ヴァンパイアクィーン
各フロアで種類が多いとは言えない状況だけに出来るだけ今回出たモンスターも追加していきたいところだけど、一フロアは増やしてもいいかな。
そうすれば16階層をエリザに任せてその前にサキュバスかハイゴブリンナイトを中心としたボス前の前座として相応しそうなフロアを造れそうだし。
ただ、サキュバスを使うと後々で不都合が出てきそうなんだよな。茉莉奈さんも俺のダンジョンを見るだけなら出来るし、マリーもいる事を考えるとちょっと使い勝手が悪そうな気がする。
まぁ、いざとなったら茉莉奈さんのモンスターを何体か貰うのも手だよな。
あと、闘技場に行っている間の事は全部フォラスに任せれば良いかな。茉莉奈さんの事とか茉莉奈さんの事とか。
そんな事を考えながら俺はダンジョンの拡張に勤しむのだった。
闘技場の試合を見よう! その1
151:観戦予定のダンジョンマスターさん
しかし、どんな結果になるか楽しみだな
152:観戦予定のダンジョンマスターさん
ほん、それ
153:観戦予定のダンジョンマスターさん
どんなモンスターが出るかも気になる
154:観戦予定のダンジョンマスターさん
出来ればレアなのが出てくれると嬉しい
155:観戦予定のダンジョンマスターさん
だよな
俺たちの持ってないモンスターだとこれから楽しみになるし
156:観戦予定のダンジョンマスターさん
きゃわいい女の子型とか出てくれると嬉しい
157:観戦予定のダンジョンマスターさん
えー、そこはカッコイイのでしょー
158:観戦予定のダンジョンマスターさん
ふっ、そんな事よりもその試合の後がどうなるかだろ
159:観戦予定のダンジョンマスターさん
そういえば、その後記念大会も開くんだっけ?
160:観戦予定のダンジョンマスターさん
そうそう
なんか賞品とかも用意されてるとかされてないとか
161:観戦予定のダンジョンマスターさん
うわぁ、それ初めて知ったし
知ってたら申し込んだのに
162:観戦予定のダンジョンマスターさん
だな
163:観戦予定のダンジョンマスターさん
≫161
乙
まっ、申し込んでる俺には関係ないけどなwww
164:観戦予定のダンジョンマスターさん
≫163
良いなー、変わって
165:観戦予定のダンジョンマスターさん
≫161
次も有るさ、次も
実は申し込んでるけどさwww
166:観戦予定のダンジョンマスターさん
≫164
譲れ
167:観戦予定のダンジョンマスターさん
賞品……、うっ、頭が……
――――――――――――――――――――――――――――――――――
324:観戦中のダンジョンマスターさん
いけ!そこだ!!
325:観戦中のダンジョンマスターさん
もうちょい!!
326:観戦中のダンジョンマスターさん
おしい!
327:観戦中のダンジョンマスターさん
みえ、っくそ!!
328:観戦中のダンジョンマスターさん
おし!その調子だ!!
329:観戦中のダンジョンマスターさん
そこだ!!
330:観戦中のダンジョンマスターさん
キター!!
331:観戦中のダンジョンマスターさん
おっしゃ、当たった!
332:観戦中のダンジョンマスターさん
良い勝負だった……
333:観戦したダンジョンマスターさん
あぁ、やっぱりレアモンは良いな〜
334:観戦したダンジョンマスターさん
ほん、それ
ウチのと交換してほしいな、特にヴァンパイアクィーン
335:観戦したダンジョンマスターさん
でも、デュラハンもカッコよくて捨てがたくない?
336:観戦したダンジョンマスターさん
いや、やっぱおんにゃのこだろ!!
337:観戦したダンジョンマスターさん
≫327
と言うか、試合中に変なこと期待すんな!!
338:観戦したダンジョンマスターさん
≫337
そういうオマエモナー
339:観戦したダンジョンマスターさん
≫337
オマエモナー
340:観戦したダンジョンマスターさん
≫337
オマエモナー
341:観戦したダンジョンマスターさん
くっ、何故バレたし
342:観戦したダンジョンマスターさん
そりゃなー
343:観戦したダンジョンマスターさん
ふふふ、今度挑んでみようかな
以降、続く
――――――――――――――――――――――――――――――――――
自慢のモンスターを教えあおうぜ その4
463:語るダンジョンマスターさん
やっぱりスライムは良いよ!
撫でてよし、抱えてよし、使ってよしだもん!!
464:語るダンジョンマスターさん
≫463
待て、使ってよしってなんだ!?
465:語るダンジョンマスターさん
≫463
お巡りさん、こいつです
466:語るダンジョンマスターさん
≫463
モンスター虐待容疑だー
467:スライム大好きなダンジョンマスターさん
≫464-466
??
なんか間違った事言った?
468:語るダンジョンマスターさん
≫463
ゴクッ、どう使ってるか話そうか……
469:語るダンジョンマスターさん
≫467
いや、なっ、分かるだろ?
そう使ってるんだろ?
470:語るダンジョンマスターさん
スライムも悪くないけどさぁ〜
471:語るダンジョンマスターさん
確かにスライムを忘れてた
472:スライム大好きなダンジョンマスターさん
≫468
どう使うも何も普通だよ?
473:語るダンジョンマスターさん
普通……
474:語るダンジョンマスターさん
普通
475:語るダンジョンマスターさん
普通……?
476:語るダンジョンマスターさん
……俺氏、スライムの使い心地を試す為にガチャを回し始める
477:スライム大好きなダンジョンマスターさん
≫476
たぶん、使ってみると止められなくなるよ
478:語るダンジョンマスターさん
≫477
そんなにか!?
479:語るダンジョンマスターさん
≫477
えぇー、私もスライム使ってますけどそんなに良くないですよ
ホントに使ってるんですか?
480:語るダンジョンマスターさん
≫479
私……、もしかして……、グハッ
481:語るダンジョンマスターさん
≫479
ちょっと詳しく
482:語るダンジョンマスターさん
≫479
話を聞こうではないか
483:スライム大好きなダンジョンマスターさん
≫479
使い方が少し間違ってるんじゃないんですか?
これほど良いものはそうそう無いと思いますし
484:語るダンジョンマスターさん
≫481、482
えーと、普通に弱いですし、一撃で倒されちゃうから数用意しないといけないんですけど、数増えたからってそこまで強さ変わらないんですよ
だから、何がそこまで言う程なのか分からないんです
485:語るダンジョンマスターさん
≫484
知ってた……
487:語るダンジョンマスターさん
≫484
そんな事だと……
488:語るダンジョンマスターさん
≫484
ちくしょー!!
489:語るダンジョンマスターさん
汚れちまった俺は……!!
490:語るダンジョンマスターさん
すいませんでしたー!!
491:スライム大好きなダンジョンマスターさん
≫484
もしかして、そのまま配置してるの?
水とか設置してそこから襲わせてみると良さが分かるよ
492:語るダンジョンマスターさん
ですよねー!!
493:語るダンジョンマスターさん
こっちもか……
494:語るダンジョンマスターさん
≫491
俺っち、同じことしてる
495:語るダンジョンマスターさん
≫491
確かに良いよな……
勘違いしてた俺は……
496:語るダンジョンマスターさん
そ、そうだな
それは良いよな!?
497:語るダンジョンマスターさん
そ、それも良いけど、ついにおんにゃのこのモンスター出たな!?
498:語るダンジョンマスターさん
あぁ、闘技場で戦ってた
499:語るダンジョンマスターさん
実に羨ましい……
450:語るダンジョンマスターさん
俺氏、アレを見てガチャを引くも無事爆死……
451:語るダンジョンマスターさん
俺も……
452:語るダンジョンマスターさん
そういえば、闘技場を使う時に何か掛けれたよな?
453:語るダンジョンマスターさん
( ゚o゚)ハッ?!
454:語るダンジョンマスターさん
( ゚o゚)ハッ?!!
455:語るダンジョンマスターさん
( ゚o゚)ハッ?!!!
456:語るダンジョンマスターさん
よし、挑みに行こうかな
457:語るダンジョンマスターさん
まて、俺が先だ!!
458:語るダンジョンマスターさん
はぁ?
俺が先に決まってるだろ!?
459:語るダンジョンマスターさん
ふっ、俺が……
460:創造と破滅の女神様
≫452
残念ですが、あの子は特別なモンスターなので条件外になります
461:語るダンジョンマスターさん
いや、俺がって女神様ーーー!!
以降、続く
――――――――――――――――――――――――――――――――――
なんだろう。唐突に何か壮大に嫌な予感がしたような……。
周りを見た限りでは何かおかしい事も無さそうなんだけどな。
「どうかしましたか、クロー様?」
「マスター、どうかした?」
いや、何でもない、多分気のせいだ。
まるで嘗め回すように視線を感じたというか何かが体中を這うような気がしたけど気のせいだ。
あぁ、前にもこんな事が有ったような気がするな。確か、ダンジョンに来る前に行った夜の店でのことだったような……。
慌てて首を振った俺を不思議そうな表情で二人が見ていた事に俺は気が付かなかった。
勿論、ちょうどタイミング良く戻ってきた茉莉奈さんはそんな事を知るはずも無く、俺とエリザを労ってくれた。
これで少しの間は平和に過ごせると良いんだが……。
「そういえば、ミランダ達からの報告でそろそろ侵入者が現れるそうですよ」
なん、だと……。
面倒事が終わってゆっくりできると思ったのにそれは無いだろう。
「恐らく気が付くのはマリナ様のダンジョンだけでしょうからミランダ達には隠れ住んでいるダンジョン守という設定で話すように伝えてあります」
そうか。現状でマリー達の住んでいるところは茉莉奈さんのダンジョンでドロップしたアイテムで守られているし、余程の事が無ければ安全だろう。
どうせなら今後来るであろう冒険者たちを相手にした商売を出来るようにしておくべきだな。
「そうですね。では、そう伝えて動くようにしましょう」
頼んだぞ、フォラス。
茉莉奈さんもあんまり外に出たりしないようにしてくださいね、危ないですから。
「わかってますよ、九郎さん」
その返事を聞いた俺は今日の事で疲れたのも有って直ぐに部屋へと戻ったのだった。