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閑話、調査員3

風呂をでて食事を取ることにしたが、ちょっと期待しすぎた様だ。

普段のものよりは上等な部類に入るのだろうが目新しいものは特になかった。

黒パンにスープといったごく普通の食事だった。

以外だったのは、獣人の奴隷達も同じ食堂で食事を取っていることだ。


借金奴隷や軽犯罪奴隷等は人権上普通に扱わなくてはならないので問題はないのだが、獣人は戦争奴隷に分類される。

戦争奴隷や重犯罪奴隷には、人権を認める必要はないので粗末な食事しか与えられないものなのだが、古参であろうものは全く気にした様子もなく普通に接している。


一緒に来た新人の奴隷達は戸惑っているようだな。


「歓迎の席だ、おおいに飲んで食べてくれ。」


風呂で別れたクラップ殿が現れてそういった。

彼の後ろでは、酒樽を担いだものや料理ののせられた台を押しているものが列を作っている。


一角兎の丸焼きを始め、かなり豪勢な料理が運ばれて来た。


クラップ殿よ、そのようなものがあるなら先に言ってくれよ、パンとスープで結構腹がふくれたじゃないか。


「どうです、ドーベン殿、一杯いかがですか?」


クラップがそう声をかけて来た。

彼の後ろには狐人族の少女が二人いる。


「ありがとう、もらいます。所で後ろの二人は?」


「彼女らには特に気をつけて貰いたいと思いましてね、面通しの為に連れて来たんですよ。ほら、お前達も挨拶しなさい。」


「リリーです。」「レインです。」


「これはどうもご丁寧に。」


「この子達は、ネス殿の弟子で初級ですが土魔法を使えます。ギルドメンバーがちょっかいを絶対に出さないようにしていただきたい。」


初級の土魔法?獣人なのに魔法が使えるのか。

そう言えば狐人は他の獣人に比べて身体能力が劣る代わりに魔法の適正があったな。

しかし、所詮初級の魔法使い、そこまで気にすることはないだろうに?


「明日に為れば、この子達の重要性がわかりますよ。」


クラップ殿はそう言って狐人の少女たちを連れてさっていった。

まあ、明日にはわかることだ、明日はここに留まることだし、折角の酒だ、有り難く頂こう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ガッツン!ガッツン!ガッツン!


朝から何の音だ?うっ、頭に響くな、昨日飲みすぎたか?

痛む頭を我慢して外に出ると広場の一角で矢倉のようなものが立っており、地面に杭?のようなものを打ち付けている。


その作業を指揮しているのは、狐人の奴隷の様だ。

よく、人属のものたちが従っているものだ。

よく見れば、指揮しているのは、昨日、人属と酒を飲んでいたものの様だな。

それに従ってキビキビ動いているものは古参だろう。

新人は納得いかない不満顔だな、獣人に命令されることが納得できないのだろう。


しかし、古参とはいえ、購入して2月ほどの期間しかたっていないのによく手なずけたものだ。

そんなことを考えながら作業の様子を観察していたが、何をしているのか、さっぱりわからない。


「ドーベン殿、こちらにおられたのですか。」


「ええ、作業の様子を見ていました、しかし、学がないので何をやっているのかさっぱりで。」


「あれは、井戸を掘っているのですよ。」


井戸?あれで掘れるかどうかわからないが、掘れたとしても15センチほどの太さだろう?

どうやって水を組むんだ?

桶は入らないだろう?


「水を汲みあげる装置があるのですよ、これもネス殿から教わったのですが、彼の故郷では普通の品のようですが。」


また、ネス殿ですか?彼は一体何者なのでしょう?

海の向こう側から来たそうですが一体向こうで何をしていたのでしょう?

話を聞きたいですね。


そう言えば昨日の狐人の少女達はどこでしょうか?



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