閑話、ギルドマスター達
先日モレイミーズ家より書状が届いたのだが、どうしたものか?
これは、ギルドマスターである私個人で判断するには問題があるな。
幹部を集めて話あう必要がある。
「すまんな、急に召集をかけて。」
集まったメンバーは、
買い取り受け付け班長で筋骨隆々の重戦士のザック
外来受け付け班長で元スカウトのガザ
報告受け付け班長で優男のハーフエルフの魔法使いドーベン
依頼受け付け班長で紅一点だった僧侶のジャジャ
の4人だ。
軽戦士だった俺を入れてパーティーを組んでいた仲間達だ。
俺が膝を痛め引退し、故郷のこの街に無かったギルドを作るために帰るることを決めた時、協力するといって一緒に来てくれた。
「このギルドは俺たちの家だ、気にする事はないぜぞ、ギルドマスター!」
「そうよ、ザックの言う通りよ、気にする事はないわ。」
「今までみんまで頑張って来たんです、一緒に考えましょう。」
「みんなって俺もかよ、ドーベン?俺、考えるの苦手だぜ?」
「お前の頭は信用していないが直感は信用しているぞ、ガザ。」
「なにおぅ!お前だって頭のできは差がないくせに!」
「やめろ、戦うなら意見にしてくれ。今日集まってもらったのダンジョンについてだ。」
ダンジョンと言う一言で騒いでいた連中が時を止めた。
「「「「ダンジョンだと!」」」」
「ああ、ダンジョンだ、モレイミーズ領で発見されたらしい、それでアーサガ嬢から手紙が来たんだが内容が問題でどうしたらよいか意見がほしいのだ、アーサガ様から領地に入るための条件も来ているからみてほしい。」
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1.モレイミーズ家の所有している森林部に許可なく立ち入ることを禁ず。
2.ギルドの出張所は森の外縁部に作った拠点のみ許可する。
3.ダンジョンの側にモレイミーズ家の出張買い取り場の設置を認めること。(ただし、買い取り額はギルド相場の7割とし、買い取り選択権を保有することとする。)
4.拠点並びに本村にいる獣人はアーサガ、クラップ、ネスの所有物であり、無法な真似をするものは厳罰に処す。
5.指定の場所以外での宿泊を禁ずる。
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「こいつはまた強気ですね?」
「私は、そうは思わないわよ?ギルドマスター。」
「ん?どういう意味だ?ジャジャ?」
「まず、第一項と第五項についてだけれども、まだ、この土地に移封されて、まだ、2年位でしょ、村として形になった位でしょうね。それなのに大挙して冒険者と言う武装集団がやって来るのよ、これぐらいは請求してもおかしくないわね。」
「しかし、ギルドの独自性が…………。」
「それは、勘違いよ。あくまでも戦争の動員を禁止しているだけ、そこまでギルドの力はないわよ。」
「しかし、ギルドの出張所がダンジョンから離れたところにあるっちゅうのは問題じゃないか?しかも、7割り買い取りは可笑しくないか?」
「そうだ、そこが問題だ。」
「そうね、買い取りは行き過ぎだと思うわね。」
そうだ、冒険者たちが取ってきたものは、ギルドで買い取りをするのが普通だ、買い取りをしたものを適所に販売するのもギルドの重要な仕事だ。
商売のイロハも知らない冒険者をまもる必要が在るからな。
「いや、そうでもないぞ。」
「ザック、それはどういうことだ?」
「魔石に関してはギルドにのみ売らないといけないが、その他のものについては規定がない、ギルドに買い取りを頼むのは一種の慣例だ。」
「と言う事は文句がつけることができない?」
「そういうことになるか。」
「場所に関してもモレイミーズ家の土地だ、無理は言えないな。」
「取り敢えず、先見隊を出そう、どんなダンジョンか確認しなくては。」
「それじゃ、僕がいこう、この中じゃハーフエルフの僕が一番現役に近いからね。ギルドマスター。」
「ギルドで護衛の募集をかける、集まりしだい出発してくれ。」
「了解、ギルドマスター。」




