76、回復魔法
やっと、自分のテリトリーに帰って来た。
やはり、人との関わりを持つと面倒事が多いな。
自分で引き寄せた面もあるが。
さて、アサーガの村に帰って来たので、俺がダンジョンマスターであることを狐人達に伝えた。
一様に驚いてはいたのだが不思議と反発することはなかった。
コインと首輪の力で何となくではあるが感情は読むことができるので本心なのはよくわかる。
普通の奴隷より厚待遇だったからだろうか?
俺から見れば人も獣人もエルフもドワーフも関係ないしな。
それよりも配下のモンスター達の方がよっぽど上だと思ってしまう。
やはり、人ではないなにかに心まで変わってしまっているだろう。
逆に村の住民から嫉妬のようなもの感じるな?
何故だ?
よくわからんので次にいこうか。
先に聞き出した保有スキルの種類や年齢、家族構成を考えた上で5つに分けることにした。
冒険者チームが2班、ダンジョン前の宿屋、森の出口の宿屋、村の宿屋の5つだ。
まあ、しばらくは宿屋は開店休業中のようなものであるから、村の宿屋で接客の訓練や木製ポンプの製造、畑を手伝い等の仕事をして貰うことになっている。
狐人は獣人の中でも魔法が割りと得意な一族であり、魔法が使えるものが結構いる。
戦闘の補助程度のものではあるが。
その中で回復魔法の使えるものがいた。
10代が2人、30代が1人、後、まだ魔法は使えないが、素質がある8才4人だ、全て女性だった。
十代の二人は、冒険者チームに参加して貰う。
30代の女性はダンジョン前の宿屋で治療にあたってもらおうか。
8才の子はそこのおてつだいをさせながら薬草の勉強をしてもらおう。
ポーションを作れるようになって貰いたいものだ。
魔法が使えても薬の類いは重要だ。
ある程度以上の怪我人を見る上で魔法だけを頼るのは問題であるし、魔力の限界もある。
よく、神殿で回復魔法をかけてもらう場合高額になるのは、金儲けや回復魔法のプレミア化と言った意味合いが大きいが、一番の理由は魔力の限界値だ。
スキルを鍛えれば上位の魔法が使えるようにはなるし、魔法の効率化等で消費魔力を押さえることはできる。
しかし、町の中で生活を送っているだけではレベルの上昇率は低く、保有魔力があまり増えない。
それゆえ、安くしてしまうと患者が増えすぎて対応できなくなる。
保険等ないことも影響しているだろうな。
元々、命の値段が安い世界だからな、それもいたしかなしだな。
どこまでサービスをするべきか、そのラインを明確にしておかないといけないか。
ダンジョンから得れるものや場所の占有、森の使用等結構あるな。
森自体、アサーガの領地、資産なな訳で勝手に伐採されても困るのだ。
また、村の空地にテントや露店等を作られても困る。
冒険者ギルドがどの程度の力をもっているかが問題だな。
国家から独立した組織だとしても領主の権限を超えるものではないだろうが、冒険者自信は理解しているだろうか?
こっちでも、押さえられる戦力が必要になるか。
人が足らないな。
もう一度奴隷を買いにいくか?
狐人達のような戦争奴隷はそう出ないだろうし、重犯罪奴隷はほしくないからな。難しい所ではあるが………。
やはり、部分的に軽犯罪奴隷や借金奴隷を使うしかないか。
武器や防具等の職能を持ったものも欲しいな。
アサーガかクラップに頼んでおくか。
ダンジョンの解放は半年後を目安にするか。
どこまで強化できるかわからないができるだけの事はしておこう。
後、中継地点の準備を進めないとな。
井戸は、狐人達にさせればよいだろう。
堀鉄管の作業風景は見られるのは仕方ないだろう。
鉄管の先は隠したいが。
井戸以外は外注する他方がよいな。
こっちでやる余裕はないから仕方ない。




