72、買ったもの、買われたものⅡ
取り敢えず、クラップがもって来てくれたお蔭で着替えの心配がなくなった。
今着ている服は処分することにしよう?
多少思い入れがあるかも知れないが、そんなに汚れた服をもう一度着せるつもりはないからな。
あくまでも、買われた奴隷であることは理解させておかないと。
まあ、そんなに酷い扱いを擦るつもりもないがな。
狐人達はさっさと綺麗になって貰わんとな。
初めは男女別に使用かとも考えたが待たせる場所もないから仕方がない。
部屋で待機させても部屋が汚れてしまう。
中には恥ずかしがっているのもいるが気にしない事にしよう。
それにしても軽くこするだけで水が真っ黒になるな。
臭いからして便所すらまともに行かせてもらっていなかったようだ。
獣人は手足や背中が毛深く獣耳と尻尾がある以外はさほど人属と変わらんな。
しかし、若い女もいるので目に楽しいが、折角の狐耳や尻尾がな。
え~と石鹸はあったかな?
ヨシ!!これを使わせよう。
もふもふの尻尾になる。
やはり狐の獣人の尻尾はもふもふであるべきだ。
さすがにリンス系は用意していないのが残念だが。
渡したたのはよいが戸惑って中々使わない。
てに持ったまま、固まっているようだな。
さっさと使うように思わず怒鳴ってしまった。
怒鳴られて慌てて使い始める様子はちょっと面白かったのは内緒にしておこう。
綺麗になれば、クラップの用意してくれた服を着てもらおう。
それから食事だな。
あばら骨が浮き出るほど痩せている。
油の濃いものは避けた方がよいな。
消化によいオートミュール辺りを店主に言って用意してもらおう。
村に戻るのはアサーガ次第と言うところもあるが、予定では後二日あるから体力の回復に当てさせよう。
その間に馬車の手配と食糧の買い出しもしておかないとな。
ダンジョンから供給できると言っても開拓村につれて行くのに食糧を持っていかない訳にはいかないからな。
普通の開拓村に人口の7割近い人間をつれていくのだからな。
本来、開拓村に余剰食糧があるわけがない。
食糧を買い込む位の偽装は必要なことだ。
食糧なら無駄にはならんしな。
side狐人
つれてこられたのは一件の宿屋だった。
入り口で少し待たされ、しばらくして店の中を通り抜け裏庭につれて行かれた。
もちろん、私だけではなく買われた奴隷全員だ。
裏庭につくと服を脱いで体を洗うようにご主人より言われた。
確かに、捕まって以来水浴びどころか体を拭く事すらできていなかったが、村の男性もいるのに…………。
でも、命令されたからにはどんなに嫌でも従わなくてはいけない。
せめて男どもを後ろ向かせて欲しい。
それと名前を知らないので主と呼ぼう。
主、そんなにじっとり見ないで欲しい。
体を洗っていると、主が近づいて来た。
まさか、ここで手込めにするつもり?
思わず胸と股間を手で隠し後ずさった。
「これを使え。数が少ないから女性のみだ。」
そう言って私に白く四角いものを2つ渡した。
何?これ?
「ひょっとして石鹸?使えって?何で奴隷の私達に?」
これが石鹸?始めて見る。
話には聞いたことあるけど、とっても高いのよね?
「いつまで見ている!さっさと使え!!」
すいません!さっさと洗います!
でも、どうやって使うのでしょう?
取り敢えず体に擦り付けて見ましょうか?
わ、わ、泡が!
凄い、体から垢がとれて生まれたてのような肌になって行くのがわかる。
他の女性達が早く渡せと目で訴えかけて来る。
慌てて全身に擦り付けて、特に尻尾にはしっかりとつけておかないと、やっぱり尻尾は綺麗にしておかないと。
全身を洗い終えると水を頭からかぶって泡を洗い流したら、今まで見たことのないほど肌がピカピカになりました。
しかし、石鹸のような高価なものを奴隷に渡すなんて一体、主は、何者なのでしょう。
所でソロソロ服を着たいのですが?
え、そんな綺麗な服を着るんですか?
奴隷に着せるような服では無さそうなんですが?
わかりました、急いで着ます。
本当に、主は、何者なんでしょう?




