68、寄り道をしながら市場へ
「しかし、ガッツリ取りましたね、ギルドマスター涙目でしたよ。」
あきれた様子で言うムサカ君。
「そんなこと無いだろう?適正化かくさ。」
そんなに酷いことはしていないはずだぞ?キチンとオークションにかけていれば手にはいる適正価格でしかない。
「何を言っていますか?金貨800枚も絞り取っておいて。」
「俺が悪徳商人の様に言わないでくれ。あれはキチンと確認しなかったギルドマスターが悪い。基本売却益でもそのぐらいはするのだし、今回の場合は、オークションに出していないからギルドに納める必要が本来はないからな。損害賠償と口止め料も含んでいるからな。」
「そうですか、所で僕まで金貨5枚ももらってよかったんでしょうか?」
「いくらクラップの息子で元々預けるはずだったからと言っても伝える手間を惜しんで部屋にいれた方が悪い。ギルドマスターのポケットマネーだから気にすることはない。」
「わかりました、いずれ父から独立するときの資金にします。」
「クラップの商会を継ぐんじゃないのか?」
「兄がいますので商会は兄が継ぐ予定です。僕は独立して自分の力を試してみたい出すし。」
「そうか、頑張れ。」
「ありがとうございます。それでは次に参りましょう。」
ギルドを出た後、途中、武器屋、防具屋、服屋を見つけたので寄り道をしながら市場に向かう。
さすがにチラ見程度では高級なアイテムを見ることはできなかったが、武器屋は鋳造した鉄板を叩いて成形したよいなものばかりだな。
それどころか焼き入れや焼き戻しすらしていないようだ。
買う価値はない。
逆に防具屋は中々良いものがあるようだ。
モンスターの皮をうまく使い鎧を作っている。
使う皮によって様々な属性防御力を得ることが出来る。
まあ、弱点も出来るので汎用性には乏しくなるのが欠点ではあるが………。
敵の属性が決まったエリアでは有効だな。
いくつか買って参考にするのもよいかも知れない。
服屋はまあ、生地の確認しただけだな。
デザインについては自信はないので詳しい人に任せないとな。
アサーガ辺りなら詳しいだろう、多分………。
生地については麻、絹、羊毛、皮等があった。
高級品としてモンスター系の糸で織ったものもあった。
村の近くで繁殖させているグリーンキャタピラーの糸を使ったものはさほど高くはなかったが、まあ、それなりにの値段だったのでこれは村の特産品になる可能性があるな。
木綿は見なかった。
ひょっとして未発見なのだろうか?
メインダンジョンのそばに普通に生えていたんだが?
この辺りにはないのだろうか?
作らせてもよいのだが、商品作物よりも食糧確保の畑の方が重要なのでダンジョンの地上部で作らせてもいいかもしれないな。
思った以上に遅くなってしまったな。
まもなく日が暮れそうな時間になってしまったが、市場は思った以上に賑わっている
しかし、これと言って欲しいものはないな。
様々なものが雑然とものが売られている。
変わった所と言えば、生きた鳥や子牛、大きな蜥蜴が格子に入れられて売られている位だな。
前世の中国の市場を彷彿とさせる。
子牛や鳥は、アサーガの村で飼育してもいいかも知れないのだが、今買うようなものでもない。
その内、クラップに頼む事にしよう。
アサーガの村で作れて売れるようなものもないか。
あっても商品価値の低いものばかりだな。
何か付加価値を付けないとここまで運ぶ事を考えると利益が得ることができないな。
ん?あの人だかりはなんだろうか?
行って見るか。




