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66、雑貨店にて

さて、買い物に出掛けようか。

まずは道具屋だな。

ポーションの瓶に関してはなにか情報を得られればよいのだが。


案内されたのは小さめの店にだった。


「ここは、店こそ小さいですが冒険者が必要とする武器や防具以外、大体のものが置いてあります。」


「そうか、入って見ようか。」


店内は商品が雑然と棚に置かれている。

ロープや鎹、木の杭、麻らしき袋等といった探索に必要な道具類、乾パンや干し肉、ドライフルーツといった食料品、ランタンや松明等の灯り、ぼろ布や油、砥石といった武器や防具の手入れ道具、傷薬やポーションといった薬関係等様々なものが置いてある。


鎹は鋳造のようだな、強度に不安があるな。

干し肉は塩のみで作られているようだ。

此のみを食べるのは厳しそうだ、せめて香辛料を使ってほしい所ではあるが、値段的に厳しいか?


特に気になるのはランタンだな、多分硝子ではないな、思った以上にっかるい。

金属フレームに耐火プラスチックをはめた様な感じだな。

形状は違えどポーションの瓶と同じ材質のようだ。


これは作り方を知りたいものだ。

ダンジョンでも硝子は作れてはいるが気泡が入ったり、色がついたりして満足いくものができていないからな!最低でも材料を知りたいものだ。


ランタンを手にそんな事を考えていたら不意に声をかけられた。


「それは銀貨10枚じゃぞ、丁寧に扱ってくれ。」


思った以上に高価な品のようだ。

前世で考えれば4万~8万といった所だろうか?


「脅かさないでくれ、落としたらどうするんだ?」


「当然買い取りじゃな、まあ、そう気にするな、ワシは商品が売れて嬉しい、お前さんはよいしなが買えて嬉しい、WIN,WINじゃ。」


「無茶を言うな、欲しくないものを買わされてWINな訳あるかい!!」


「要らんのか?その割りには随分熱心に見ておったが?」


店主は怪訝そうにこっちを見た。


「確かに見ていたが、ランタンがほしい訳じゃない。この硝子面の材質が気になったんだ、ポーションの瓶と同じものだよな?」


「そうじゃのう。同じものじゃて。」


「こいつはなんでできているか知っているか?」


「知っとるがの、所ではそいつは仕入れたんじゃが中々売れんのじゃ。どうしたものかの。」


そう言って俺がもつランタンに目を向ける。

こいつを買わそうといった魂胆か?

情報料として高すぎないか?

適当なものを買っておけばよいか、ポーションはいらないし、なにかよいものはないか?


ん?本があるな?何の本だ?


「この本は何の本だ?」


「それかい?それは下級モンスターの解体の仕方を書いたもんじゃな、仕入れたんじゃがそれも売れんかったな、必要な初級冒険者は、字がよめんものも多いし、金も持っとらん。そいつらには高すぎないる値段のものじゃッた。」


ほう、モンスターの解体の仕方がのっているのか。

下級のものでも十分役にたちそうだ。


「いくらだ?」


「お前さん、それを買うのか?」


店主は少しは驚いた顔をした。


「そうだ、いくらだ?」


「銀貨3枚じゃがよいのか?返品はきかんぞ。」


その値段ならいいだろう。

どのみち資料として買い集めたい部類の本だ。

高くはない。


「銀貨3枚だな、買った。」


「お主情報の大切さをよく理解しておるようじゃな。」


「当たり前だ、下級モンスターの解体の仕方が別れば、同系上位モンスターの解体の参考になるからな。それを思えば銀貨3枚は惜しくない。ランタンを買うよりかは余程ましだ。」


「ふぉふぉふぉ、よくわかっておるようじゃな、そうそう、それの材料だけなら知っておる。確かにスライムのゼリーじゃッたはずじゃ。詳しい方法は秘伝らしく教えてもらえんかった。」


スライムのゼリーか、これも研究する必要があるな。


「所でこのポーションの瓶はどこで手にはいる?」


「お主、ポーションでも作るのかの?今のところは手に入れるのは無理じゃな、薬師ギルドが作り方を押さえておる。身内にしか卸さんからどうしても欲しくはギルドに登録するしかないぞ。」


「よくわかった、助かったよ。また、なにか役立ちそうな本でもあればかいにくる。」


「いい本があればよいがな、また来ておくれ。」


そう声をかけてくる店主に後ろ手で手を振って店から出ることにした。






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