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閑話、とある冒険者

一通りの挨拶をしたクラップは、いつも使っている空き家へと帰っていった。

う~ん、早めに宿屋を作るべきか?

ダンジョンが軌道にのってからでよいか。現状では人手が足りないからな。

ダンジョンの前の開発はパペットに任せておけば問題ないが………。




前回と同じように寝静まった頃を見計らって作戦を開始しようか。

失敗したことをかんがみて村の周囲にはコボルド部隊を、近くの民家には分散してスケルトン部隊を配置をしておこう。


クラップの商隊は、クラップの部下が3人に護衛の冒険者が8人だ。

そのうちクラップの部下は馬車で見張りをかねて休んでいる。

まずは、馬車の方から片付けるか。


外套で体をおおったスケルトンにアルコールを混ぜて揮発性を高めた眠り薬を散布させよう。

これで大半は制圧できるだろう。






冒険者side


俺は、エルム、冒険者だ。

長年共にチームを組んでいたカエル、キエム、チャター、ザイムに加え若手のキャロット、アーク、ウンカイの8人でチームを組んでいる。

元々はモック、ガマ、ネルアがメンバーだったが引退してしまったので新規に3人を加えた。


クラップの親父さんの隊商の護衛が今の主な仕事だ。

若手をみていると年をとったなと最近感じるようになって来ているな。

俺もそろそろ引き時かな?

クラップの親父には世話になっているしな、若い連中が一人前になるまでは、なんとか頑張るか。


そんな訳で今、東のはての開拓村にきている。

最近は、この村と領都を月1回往復しているのだが最近はこの村に来るのが楽しみになっている。

来る度にちょっとした宴会をしてくれるからな。

他の村ではあり得ないことだ。


まあ、聞いたところによると村人の鋭気を養うための宴会が目的らしいが俺たちもおこぼれに預かることができる。

ありがたい事だ。

引退したらこの村に移住してもよいかも知れないな。

その前に嫁をどうにかしたいものだが、奴隷でも買おうか?

もう少し金をためないとな、引退はまだ無理か。


村に着き、いつものように荷下ろしを他のメンバーに任せて、クラップの親父について村長をしているアサーガ様のもとにいく。

村長宅とはいえ、さほど大きくない家だが、もと大貴族だった名残だろうか品のいい調度品が、飾られた応接間に通された。


クラップの親父はソファー荷を座り俺はその後に立ちしばらくアサーガ様が来るのを待つことになった。


しばらくしてアサーガ様が一人の男をつれてやって来た。

知らぬ顔だな?いつもならシデンかハヤテといった側近が来るのだが?

黒髪なんてこの辺りでは珍しいな。

一体何者なのだろうか?


クラップの親父も気になったようで彼が何者か訪ねた。

名はネス、ブラウン大陸の出身らしい。

薬師兼冒険者として活動していたらしいがダンジョンのトラップによってこの近くに飛ばされたらしい。

このアーク大陸とブラウン大陸は行き来がほぼできない。

海には、強力な水棲モンスターがいるからな。

船を出してもたどり着ける可能性は1/1,000位だろうか?

ほぼ、無理といっていい数字だ。

彼は、帰国を諦めて助けてもらったアサーガ様の手助けをするという。

どうもうさんくさいがアサーガ様が信用しているようだし口出しすることもできないか、取り敢えず警戒だけはしておくか。



次の仕入れの話を終え、宴に参加したのだが、どうしてもあのネスという男が気になる。

酒は残念だが控え目にしておくか。




宴会が終わり、宿として借りた一軒屋に戻ることとなった。

この家は奴隷を買った時ように建てたものらしいがまだ住人がいないので俺たちの宿舎がわりに使用を許可された。


嫌な予感がするので飲み過ぎるなとメンバーに言っておいたのが無駄だったようだ。

馬車の管理を命ぜられていた商会の若い者二人以外は撃沈しているし、内のメンバーも俺以外は全滅している。


あれだけの酒をどこからもってきたのか謎だな。

仕方ない、俺だけでも寝ずの番をするか。



パリン、パリン。


皆が寝静まった頃、なにかが割れるような音がした。


ん?何やら酒の匂いがするな?

誰かが酒瓶を落としたのだろうか?


パリン、パリン。


いや、この家に向かって酒の入った瓶のようなものを投げつけているようだ。

う、意識が遠のく、酒に眠り薬でも入れたのか、急に眠気が来る。


ヤバイ、取り敢えず外に出なくては!


外に出るとスケルトンの大群が待ち構えていた。


「スケルトンよ、そいつを捕縛せよ。」


この声はネスか、やはりこいつが裏で手を引いていたのか。


「お前は一体何者なんだ!」


「俺か?俺はダンジョンマスターだ。これでも浴びてとっとと眠れ。」


強い酒の匂いがする液体を俺にかけた。

う、意識が遠くなる。

俺は、此処までなのだろうか。







「早く目覚めたよ。」


声に促されて目を開けると仲間たちが集まっていた。


「早くしろ、ネス様がお待ちなんだぞ。」


そうだ、ネス様をお待たせするわけにはいかない。

しかし、昨日はなぜネス様を警戒していたのだろうか?

我らの主人なのに?






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