50、辺境の村
大トンネル出口付近の調査をさせていた下忍コボルドが人族の村らしきものを発見したと報告が入った。
さてどうしようかね?
まずは、詳しい情報の収集と村の周囲をダンジョン化しておきたいな。
できるだけ無傷で無力化させたいものだが。
1週間、情報収集と準備に時間をかけた。
色々実験をしていたからな。
その為に奴隷も買ってしまったがしかたないよね。
特にあれはどうしても試しておかなくてはいけなかった。
人体実験だったがやはり、抵抗はなかった。
せいぜい虫の足とか羽をむしるような感じだな。
所詮、ダンジョンマスターだ、人とは違うことを実感してしまった。
おっと、思考にふけってしまうところだったな。
準備は整った、後は、夜を待ち作戦を開始するとしよう。
さて、日もくれたな。
村の明かりもすべて消えたようだな。
では、作戦を開始しよう。
動員したモンスターはスケルトン30体とスケルトンオウル20体其れにコボルドマージを10体、俺の護衛ようにシバとコボルド20体だ。
スケルトンとコボルドマージは村を囲うように配置している。
まずは、スケルトンオウルたちが村の上空に向かい飛び立った。
その足には小さな陶器の壺をぶら下げている。
村上空ににつくと一斉にぶら下げていた壺を投下した。
其れに会わせてコボルドマージたちが風の結界で村を囲い、スケルトンたちも陶器の壺を村の中に向け投げ入れる。
壺の中身はスリープフラワーから作り出した睡眠薬だ。
高濃度のアルコールを混ぜてあるのですぐに気化するだろう。
村人には眠ってもらおう。
スケルトンオウルたちには合計3回の壺の投下をさせてさらにスケルトンたちが村に潜入し各家々を回り壺を投げ入れる。
スケルトンたちには睡眠薬は効かないからな、こういう場面には信頼できる。
コボルドマージたちの風の結界により睡眠薬の成分は村の中にとどまり、すべてのものが眠りについたのを確認してから風の結界を解除し風魔法で突風を作らせて睡眠薬を吹き飛ばす。
スケルトンとコボルドたちが協力して村人を拘束した。
年寄りが3人、成人男性が28人、成人女性が15人、子供が2人か。
子供の数が足りん気がするがまあ、後でどこにいるかはすぐにわかる。
拘束した村人を村の広場に運ばせている間に手の空いているものにダンジョンコアの欠片を村中に埋めさせて、ダンジョンエリア化させる。
さて、召喚しようか。
召喚するのは、ブレインイーターの卵だ。
眠っている村人のそばに召喚すると卵が孵り中から10センチ位のミミズのような生き物が出てきた。
そして村人の耳や鼻から体内に入ってゆく。
グギャァァァァァ!
ウギャァァァァァ!
村人たちが絶叫を上げ痙攣し始めた。
絶叫が止まり村人たちがゆっくりと立ち上がり、俺の前に膝まずいた。
「「「「「ご主人様ご命令を!!!」」」」」
「残りの子供はどこにいるか?」
「申し訳ありません、今つれて参ります。」
二組の夫婦が立ち上がり、自宅へと向かった。
「村長は誰だ?」
「わたくしでございます。」
年の頃は17,8といったところだろうか?若い女性が立ち上がった。
「お前は?」
「わたくしはアサーガ、オー二ツルベト、ラレッテ、モライミーズと申します。」
「お前の補佐役はどいつだ?」
「シデン、ハヤテ!!」
「「ハッ」」
二人の男が立ち上がった。
「私はシデン、ストロングストームと申します。」
2メートルはあろうかと言う巨漢が名乗った。
「俺はハヤテ、フランクです。」
小柄な男が名乗った。
「では、アサーガとシデン、ハヤテの三名はえ~と、どこか話のできるところはないか?」
「あちらのわたくしの家をお使いください。」
「すまんな、ではそちらで話を聞こうか。おっとその前に"召喚"子供をつれてきたらこいつを寄生させておけ。」
近くにいたスケルトンにブレインイーターの卵を渡してた。
「では、他のものは家に帰ってよい。命令があるまで今までと同じ生活をするように、内のモンスターはわかるな。」
ブレインイーターは脳とのみ同化します。
その際知識なども得ることができます。
間違っても右手等とは同化せず変形して触手等を伸ばすことはできず、この種を食い殺せ等の命令も受けていません。




