48、ダンジョンマスターの雑貨店
転生者に対する作戦は思ったほど効果的ではないな。
色々知識チートのアイデアがでたが、技術力、生産力を上げるものがほとんどだった。
人間たちの技術力、生産力を上げるということはダンジョン側としてはふりになるだけだからな。
出せるものはせいぜいゲームとか石鹸とか位しかなかった訳だ。
まあ、初期コストの少ないものを潰したと思えばよいか。
他に考えられるのは料理とかかな?
カレー等は無理だな。
流通がさほど進んでいないから、高コストになってしまう。
香辛料の大半は薬扱いだし、カレーなんかに必要な量を考えると一食に金貨が必要になる。
少なくともギルドのランクB位になり月一回が限界だろう。
そこまで、ランクをあげられたら多少の小細工は通用しないだろうな。
揚げ物ならもう少しらくかな?
それでも高価には違いないが。
どちらも初期の資金稼ぎにはむかないので放置しても問題ない。
転生者対策でできるものはこんなところだろうか?
考え込んでいても仕方ないので少し散歩でもするか。
ダンジョンマスターの街をぶらりと見て回る。
といっても空いている店は少ないし、出歩いているものも少数だ。
空いている店は、ワスーレの料理屋、リュークの肉屋、巌鉄の武器屋、後は、冒険者たちの装備品を売る店、捕縛した元冒険者の奴隷を売る店位だな。
新人を含めて70人ほどしいかいないことを考えると店は多い方かな?
ちなみに俺は酒と調味料をワスーレに、ポーションをリュークに委託販売することにした。
巌鉄には余裕ができた分の金属を渡すことにしている。
直接、客とやりとりはめんどくさいからな。
代わりにやってくれるなら、多少のマージンをとるのは仕方ない。
たいした額ではないしな。
まずは、冒険者の装備品を売る店に入って見るかな?
この店も、委託販売をしているようだな。
そうでなければここまでの品揃えはしないだろう。
なにか良いものがあるかな?
防具や武器に冒険者の道具に衣服等が陳列させれいる。
武器は青銅や鉄だな、う~ん、鍛造ではなく鋳物だな。
防具は革製のものが多い。
製品としては巌鉄の品には遠く及ばず、うちのパペットたちの方がよいものを作る。
マジックアイテムはないな。
いい武器やマジックアイテム等は自分のように取ってあるのだろう。
俺でもよっぽど困らない限り売らないよな。
他になにかないか?
ん、書物が何冊かあるな?何の本だろう?
「なあ、中身を見てもよいかな?」
「構わないよ、ただし、傷とかつけたらお買い上げしてもらうよ。」
気楽な感じにで店主は答えた。
え~と?タイトルは?聖ナムル教聖書。
宗教の聖書か。
何々、神は人に大地のすべてを委ねた。
ヒューマン至上主義の宗教か。
厄介なものがある。
こっちは、スライムでもできる魔法入門(生活魔法編)
これは使い勝手がよさそうだ。
後は、詩集に日記等か。
生活洋式の試料と思えばよいかな?
全部で6冊か。
「全部でいくらになる?」
「6冊全部だね?6,000ポイントでいいよ。」
「それでいい、後は、外の金はないか?」
「使えないものを欲しがるんだね?宝箱にでも入れるのかな?」
「まあ、そんなにところだな。で、あるのか?」
「え~と、1ダンジョンポイントで金貨なら10枚、銀貨なら30枚、銅貨なら40枚、鉄貨なら10枚って所かな?」
「?、金貨と鉄貨が同じ値段なのか?」
「外とは貨幣価値が違うからね。特に鉄は貴重だよね。」
資源価値と言うことか。
当たり前だな、金属の価値は人が決めたものだ、ダンジョンでの価値基準が同じ訳ではない。
金なんかは武器としては使えない柔らかい金属だからな。
宝箱の中身としてはよい素材なのでそれなりの高値がついている。
鉄貨は集めればよい武器の材料となる。
価値基準とは面白いな。
「各50ポイント分ずつもらえるか?」
「え~と、ちょっと待ってね、在庫あるかな?OK、50ポイント分全部あるね、本と合わせて6200ポイントだよ。」
「これでよいかな?」
「毎度あり~。」
「また、来るので本とコインがあれば取っておいてくれ。」
「わかったよ。またのご来店待ってるよー。」
後は、奴隷を売っている店だが、今のところは要らないかな。
必要になるまで放置してもいいだろう。




