45、新人講座
俺たちの前に現れたのは、120センチ位の男の子?だった。
「僕は、草原族のリュークです、よろしくお願いします。」
そう言ってペコリと頭を下げた。
ちなみに草原族とはホビ○トやハーフリングのような子供のような姿をした妖精族の一種である。
「ウニャー!!かわいいニャ!!」
ワスーレが思わずといった感じでリュークを抱き締めた。
リュークは、こちらに向かってにゃりとした顔を一瞬した。
ダンジョンマスターとして転生するとある程度現代知識や家族等の記憶は封印されるが性格までは変わらない。
草原族に転生しようとも中身はどうなんだか?
まあ、子供ではないな。
単なるスケベだろう。
ワスーレが後で知った時どんな反応をするかは置いて置くとして、この町やチーム組ませた訳はなんだろうか?
俺たちの時と同じようにナビクシーに任せておけばよいのに、たった一年ダンジョンマスターとして過ごしただけのものに指導させる理由はなんだ?
やはりあれかな?
オベリスクにあった死因が原因だろう。
姿はともかくとして孤独と食生活の問題だろう。
チームに入ることによって自死を防ぐのが目的だろう。
取り敢えず簡単なレクチャーをしておこうか。
「リュークだったな、取り敢えず俺のダンジョンに来い、確認したいことがいくつかあるからな。」
「あ、はい、今いきます。」
「わしらもよいかな?」
「私もいくニャ。」
ダンジョン街にある自室に3人をつれて戻ってきた。
マイヤーが仕込みを始めようとしていたので一旦中断させた。
どのみちしばらくは、他のダンジョンマスターも新人に色々話しているので商売にならないだろうからな。
三人を奥の商談室に案内して適当な所に座らせた。
「リューク、あくまでも俺の考えだと言うことを忘れないで欲しい。最適解ではないと思うので参考程度だと思ってくれ。」
「ハイ。わかりました。」
「では、まずは、ダンジョンの位置はどんな感じだ?もらったダンジョンポイントは?ボーナス階層はあるか?ちなみに俺はド辺境で50,000ポイント、ボーナス階層0だったな。」
「え~と、場所は辺境で、80,000ポイント貰いました。ボーナス階層は一層です。」
「ワシもそのぐらいじゃな。」
「私もそうニャ。」
巌鉄とワスーレもなぜか答える。
みんな辺境組か。
「辺境と言うことは、当分ダンジョンが発見される確率が低いということだ、それが狙いで辺境を選んだんだろう?」
「ハイ。」「そうじゃの。」「ニャ!」
「安全は、確保されたと考えていいわけだ。勿論野生のモンスターもいるので100%安全ではないがな。ある程度の時間的余裕があると考えてよいだろう。急いで完璧なダンジョンを造り上げる必要はない。」
「ではどうすればよいのですか?」
「まずは、何が必要になるかを考えることだ。巌鉄、ワスーレ答えてみてくれ。」
「そうじゃな?酒と鍛冶用の鉱石じゃろうか?」
「お魚ニャ!お魚ニャ!」
こいつらはダメだな。よく生き残っていたものだ。
「違う!必要一番必要なのはダンジョンポイントとダンジョンマネーだ。これをいかに稼ぐかが重要になるわけだ。ダンジョンポイントはダンジョンの拡張とモンスターの購入、ダンジョンマネーは備品やモンスターたちの食事に必要だからな。」
「でも、僕のダンジョンは辺境にあります、人が来るとは限らないんですが?」
「俺のダンジョンはド辺境だぞ。人が来るまで何年かかるかわからん。そんなに状況でどうするかだ。」
「まず、重要なのはSタイプモンスターの使い用かな?」
「Sタイプモンスターですか?これもコストが高くないですか?」
「そうじゃな。SタイプモンスターはBタイプの500倍の値段じゃて。
」
ワスーレもそんなモンスターは無理だ、という視線を向けてくる。
「ちゃんと元がとれるぞ、Sタイプで召喚は最初のコストは確かに高いが、倒すと初期コストの4000分の1のダンジョンポイントとドロップアイテムを落とす。スライムで例えるなら0,5ポイントと150ダンジョンマネー分ぐらいか?5年位で元がとれる。加工するなり、稀少勝ちがあったりすれば、もっと早く回収できるだろう。それに配下モンスターの経験値もも入る。」
ワスーレと巌鉄がそんな裏技があったのか、と驚いているな。
別段、裏技と言うわけでもないんだが。
やっているものが俺以外にもいるからな。
「近衛部隊も用意しておいた方がよいだろう。ダンジョンマスターは配下の経験値の一部を貰うことができるからな。」
「なるほどの、例えばブロンズタートルであれば、青銅が手に入る訳じゃな?」
ブロンズタートル?前に購入した奴の出先は、巌鉄だったんだな。
「まあ、そういうことだな。ちなみに俺はスケルトン+から鉄を回収している。正確には錆びた鉄製の武具だが。」
「何体か召喚したいの、ポイントが全然足りんのじゃが。」
「ネスさん、お願いがあるニャ、お魚のモンスターくださいニャ。」
「言っておくが他人から譲渡や購入したモンスターはSタイプ召喚できないからな。」
「そんニャ~!!」
「それに侵入者が来るようになったら防衛用に転用できるから損はない。後は、モンスターの特性を考えて召喚することだな。」
「近衛用と資源用ですね、わかりました。では、どんな階層がよいですか?」
「おすすめしたいのは森林階層だが、コストが高いのが難点だな。森林階層は、果物や木の実、薬草等がとれるし、草食系モンスターの餌場として活用できるが日刊100ポイント必要だからな、初期に作るのはかけに近いかな?収穫したものを売っているダンジョンマスターもいるから過当競争におちいる可能性もある、ダンジョンマスター自体の人数も100といないからな。」
「ちょっと、払えませんね、後の課題とします。他はどうですか?」
「後は、洞窟型かな?ちょっと面倒だがSタイプモンスターをバラけさせておけば防衛ラインになるし、一番ローコストだからな。」
「でも、初期ポイントだと厳しいですね、なんとかなりませんか?」
「そうだな?生物系モンスターなら買ってやろうか?最低でも番が条件だが?」
「お願いできますか?」




