44、オベリスクにかかれていたもの
石板を使いマイヤーに屋台の指示をした。
準備ができるまではもう少しまわりの様子を観察しておこうか。
一番気になるのはやはりオベリスクと祭壇だな。
祭壇には花や果物等が供えられている。
オベリスクを見ると何やら文字がかかれている。
1ー1 ーーー ーーー ダンジョンコア破壊
1ー1 ーーー ーーー ダンジョンコア破壊
1ー2 アリス テレス ダンジョン外にて死亡
1ー3 宇井李編夢 ダンジョンコア破壊
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11ー6 ムスダム ダンジョンコア破壊
今まで死んだであろうダンジョンマスターたちの名が刻まれている。
ご丁寧に死亡日時と死因までかかれている。
合計46人が死んだ訳だ。
しかし、最初の一月でダンジョンコアの破壊されたものが多いな。
特に最初の二人は名前すら出ていない。
自分でダンジョンコアを破壊したのか?
ダンジョンマスターになったのがそんなに嫌だったのだろうか?
もしくは種族が嫌だったのかはわからんが。
何人かはダンジョン外にて死亡しているようだな。
俺と同じように外に資源を求めたのか、人と触れあおうとしたのか?
特に多いのが2ヶ月辺りだな。
ダンジョンを攻略されたにしてはこの一月で10以上死んでいるのは異常だろう。
ダンジョンマスター自身が孤独に耐えれなかったのか、食事面に耐えれなかったのかどっちかかな?
俺はともかく他は亜人タイプのダンジョンマスターが多いからな。
外に出れば鑑定するまでもなくばれるだろう。
この世界ではダンジョンマスターは敵だからな。
きちんと準備をしてからでないと危険なんだが考えが及ばなかったのだろうか?
うっすらとある向こうの記憶がそうさせたのだろう。
向こうの常識が通じるはずもないだろうに、それが認められなかったんだろうな。
「何を考えているのじゃ?」
「ご飯食べニャいのかにゃ?美味しいニャ。」
オベリスクを見ながら考えにふけっていた俺に、巌鉄とワスーレが声をかけてきた。
その手には料理が山盛りになった皿ある。
それにしてもそれはうまいのか?
そうとは思えんのだがどんな食生活をしていたんだか?
「いや、俺も屋台でも出そうかなと思ってな。」
「ニャ!!なんの料理ニャ?」
「そうだな?取り敢えず味噌汁位いっとこうか?仕込みはこれからだからすぐできるものは限られているからな。」
「ほう、味噌汁か、じゅるり、久しく食べていないな。値をいくらにするんじゃ?できるだけ安くして欲しいんじゃが。」
「そうニャ、安くお願いするニャ。」
「まあ、一杯200ダンジョンマネーといったところかな?」
「それぐらいなら問題ないな。」
「早く出すにゃ。」
「まあ、待て、これから準備させるから。それにそろそろ始まりそうだ。」
常にテーブルの上の食事が新しいものに入れ替わっていたのが止っている。
何かしらおきる前兆だろう。
もしくは本当におひらきの可能性もあるな。
《ダンジョンマスター諸君楽しんでいるかね?そろそろ新人を紹介しようと思うのだが、3人位で集まってくれたまえ。》
いつものアナウンスだな。
それにしても随分上からだが気にしても仕方ないか。
「ネス、よいかな?」
「私も一緒でよいかニャ?」
巌鉄とワスーレがそう言ってきた。
まあ、他に知り合いもいないしな、よいだろう。
そう思い二人に対して頷いた。
《別れてくれたようだな。ちょうど20組に別れたのは都合がよい。これより新人が君たちの前に出現するのでしばらく面倒を見てやってくれたまえ。なお、元々10人の予定だったがダンジョンマスターの損耗が大きかったので今回に限り20人とした。先達者として生き残れるように導いてやってくれ。》
俺たちの前に靄が現れ人形となっていく。
めんどくさいことになったな。
新人教育とはどうすればよいのだろうか?
巌鉄とワスーレに任せたいが………、こいつらだとダメだな。
俺がなんとかするしかないか、めんどくさいな。




