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巌鉄side
さて、ワシの作ったゴーレムのお披露目といこうかの。
「まずは、こいつからじゃ。」
まず、見せたのは通常型ゴーレムじゃ。
「見た目は、普通のゴーレムと代わりないようだが?」
「ウム、材質以外はさほど違いがないからの。出来るだけ低コストを目指して作ったものじゃ。」
球形間接や内骨格等の基本的なものすらつけておらんからの。
特殊な材質を用意して人形に組みゴーレムのコアをつけただけの物じゃ。
「では、ちょっと動かしてみるかの。」
どの程度動くか見てもらおうかの。
「本当に組んだだけのようだな。いや、やや悪いか?取り敢えず問題なさそうだ。で、問題の起動時間と充電時間は?」
「うむ、ダンジョンエリア外ではおよそ12時間の連続活動が可能じゃ。フルチャージは100時間程かかると思ってくれ。」
もう少しチャージ時間を縮めたかったが、中々難しい。
「大体4日かかるのか、ちょっと長いな。」
「もう少し縮めるのが今後の課題じゃて。次に移るがよいかの?」
「ああ、頼む。」
次のゴーレムは、ネスの所の主力と言ってよい、内骨格型ゴーレムじゃ。
先のものよりも動きはよいのじゃが………。
「こっちは、かなり動きが滑らかだな。」
「このタイプはパーワーはそのままに動きが滑らかじゃからな。」
「で、起動時間は?」
「2時間じゃ、フルチャージは同じ100時間じゃ。」
「短くないか?」
「仕方ないのじゃ、可動部が増えたため内蔵魔素の消費が跳ね上がってしまっての。」
「5日チャージして2時間か、戦力として使うには厳しいな。」
「ちなみにこの2つのタイプは、同じ素材で出来ており、重量もほぼ同じじゃ、中間的な物も試作したが、パーツが増えるほど起動時間は短くなっていくようじゃ。で、次のタイプじゃが、こいつはコスト度外視で作ったものじゃ。」
3つ目のゴーレムを起動させてデモンストレーションをさせる。
「さっきよりもさらに動きが良くなったな、ベース素材はなんだ?」
「ベースは、ミスリルだな、後、幾つかのマギクリスタルとオリファルコン等の上位金属も混ぜてある。材料費で考えれば、最初のゴーレムが1000は余裕で作れるぞ。」
「バカ高いな。で性能は?」
「機動能力で言えば、2つ目のタイプと戦闘した場合、7対1で勝てるぐらいかの。起動時間は12時間、フルチャージで300時間と言ったところかの。」
さすがにこいつは、ロマン優先で作ったからの、一時ダンジョンポイントが限界まで行ってしもうた。
回りから借りてなんとかしたが、初の借金持ちのダンジョンマスターの称号を得てしもうた。
その分、ネスに払って貰わんとな。
「起動時間は、十分だが、フルチャージに時間がかかりすぎではないか?」
「これでも魔素吸収率が大分上がっておるんじゃがな。貴重金属を使ったので保有魔素も増えているから仕方ないんじゃ。」
「そう言うことなら仕方ないが、もう少しフルチャージの時間を短く出来ないか?」
「今のところは、これが限界じゃて。」
「そうか、で、こいつで終わりか?」
「まあ、待て。もう一体おるんじゃが、こいつは設計のみじゃ。後で資料を渡そう。」
「わかった。で、ここまでに報酬を渡したいと思うが、どこまで情報をくれる?」
「理論の完成しているもの全部渡そう。」
「わかった。取り敢えず、そうだな100万を報酬でいいか?」
「よく聞き取れなかった。もう一度言ってくれ。」
「現状で100万ポイント、後は、ないよう次第で追加だ。」
聞き違いではなかったのか?
しかし、100ポイントをポンと出すとはの。
こいつ、一体いくら稼いでいるのやら?
いきなり100万ポイントも渡されても使いきれん。
家のダンジョンは20階層じゃ。
貯めて置けるポイントは21万が上限じゃ、あっちこっちに借金があるが1日で返しにいくことはできんしな。
「すまんが、週10万で分割で頼む。一度に使いきれん。」
「ん、そうだな。じゃあ、そうさせてもらおう。後で、マイヤーに総額を伝えさせるから。」
「それで頼む。」
追加分がいくらになるか考えると恐ろしいの。
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