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ネスside
トンネルベースにて調べ物をしていると、マイヤーから念話が入った。
何でも巌鉄が見てほしい物があるとのことだ。
もう少し早く言って欲しかったな。
まあいい、一度ダンジョン街にいくとして、ここはどうするか?
レッサードッペルゲンガーを使うことにしよう。
本来であれば、生きた者を食わせてその姿や能力、記憶全てをコピーさせて使うのだが、俺自身を食わせる訳にはいかないので血を少し与える。
こうすれば、姿に関しては写しとることができる。
能力は、さほど高くはないし、喋ることもできず、2周間程で元のスライム状になってしまうが回りが確りホローできれば影武者としては十分だろう。
こいつを連れてダンジョンに潜っていてもらえば、不在をごまかすには問題ないだろう。
元々、テイマーとして登録しているので、後方で戦闘に参加しなくても問題ないだろう。
三人娘にウルフ2体マギフクロウ1体いれば低階層での戦力も問題はないだろう。
もう少し調べものをしておきたかったが、それは戻ってからにしようか。
取り敢えず、念話で二人を呼び戻してどこか宿をとりレッサードッペルゲンガーを召喚しないとな。
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巌鉄side
全くネスのやろーは、最近こっちから連絡せんと顔を出さん。
困ったやろーじゃて。
「巌鉄何のようだ?」
これじゃ、依頼を出して以来ほとんど顔を出さんくせにごく最近会ったような感じで接してきよる。
まあ、離れた息子が帰省してくるような気分じゃわい。
儂らダンジョンマスターは子が作れんからな。
気分だけじゃが。
これは、他の連中にも当てはまることじゃがな。
といっても、ダンジョンマスターに生まれ変わった時期は同じじゃから同い年とも言えるがの。
「ふん、全然顔を出さんくせに、来て早々そう言うことを言うのか?」
「こっちにだって予定というものがあるんだ。で、何があった?」
「可愛いげがないの。まあよいわ、ちょっとついてこい。」
ネスが少し戸惑っているようじゃが無視して店の奥の転移陣を潜った。
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ネスside
巌鉄の店にきたが、着いてこいといって店の奥の転移陣で転移していってしまった。
慌てて、転移したのだが、いつから他のダンジョンマスターも転移出来るようになったんだ?
「いつから他のダンジョンマスターが転移出来るようになったんだ?」
「お前さん、オベリスクを見ておらんのか?半年前から許可を出せば転移出きるようになったんじゃよ。」
「そうだったのか。後で確認しておくよ。」
しかし、よほど信頼していないと危険じゃないかな?
「ああ、そうじゃった、ダンジョンコアには触れられんから問題ないぞ。」
おっと、先読みされたか。
まあ、そういう制限があればある程度気軽に人を呼べるか。
「今度、家のダンジョンにも招待するよ。」
「ふん、いつになるやら。まあよい、こっちじゃ!」
そう言って、また、さっさとbetuno転移陣を潜って行った。
もう少し会話を楽しもうよ、と思うが職人気質の者はこんなもんだろう。
転移陣を出ると、何もない階層に出た。
普通の階層とは何か違うような気がする。
「ここは?」
「ここは、実験用に魔素の発生をなくした階層じゃ、おぬしに頼まれた物の実験するためにな。そもそも、ワシはダンジョンからでんからな、仕方なく作ったんじゃ。」
「足しかにダンジョンの外で動けるゴーレムの実験にはこういった空間が必要だな。」
家はダンジョンの外をエリア化しているので気づかなかったが確かにこう言った実験する場所は必要だな。
「そう言うことじゃ、で、今日呼び出したのは、取り敢えずプロトタイプが出来たんで見てほしかったからじゃ。」
ほう、プロトタイプができたのか。
しかし、プロトタイプって響きが少し心を揺さぶるな。
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