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ネスside
残りの半分は、探索者と冒険者だ。
この2つの違いは、所属ギルドの問題ではあるが、基本的には同じように考えていいだろう。
簡単に言えば、探索者は、各部門に特化したもの、冒険者は未分別のものと言ってもよいかもしれない。
辺境地域によっては少数で色々行える冒険者を好む傾向にあるので、どちらがよいとも言えないだろう。
もっとも、トンネルベースにおいては、、ダンジョンアタックのみが仕事のようなものなので所属ギルドの差は、どのくらい支援してもらえるか?ということに直結する。
また、冒険者ギルドは、王国のみならず帝国にも力を持っているが、探索者ギルドは出来て間もないためモライミーズ家と一部の東方貴族領にしかない。
とういことでトンネルベースの町にいるのは、探索者が約300、冒険者が約100という割合で探索者の方が多い。
また、探索者は、ダンジョンアタック専門と言うことで組織化しているのに対して、冒険者は少人数のチームを編成している場合が多い。
当然の事だが、ダンジョンで戦闘を行うのだから死傷者が出るのは当たり前で毎月2割程度はこの町からいなくなっているが、それ以上にやって来るため、少しづつ人口は増えているようだ。。
また、探索者ギルドと冒険者ギルドに掛け持ちで所属することは出来ないため、探索者ギルドに移るものもかなりいる。
これは、探索者ギルドがモライミーズ家と繋がりが深く、支援が手厚いためだ。
まあ、ダンジョンのモライミーズ家が利益確保のために作った組織だから当たり前なんだが。
それでも冒険者ギルドは世界的な組織であり、権益を増やそうとそれなりに冒険者を送り込んでくる。
大抵は、冒険者に成り立ての者が多いので勝手に死傷していなくなっていくが、たまに中級クラスの者もやってくる。
そう言った者は大抵何かしらの違反をしてペナルティーとして送り込まれて来るが、街中で騒ぎをおこし、軽度の者は追放処分、重度の者は犯罪奴隷として売却処分となる。
それでも残った者は、ダンジョン内に特殊戦闘部隊として配置してい
る上級モンスターに処理させている。
冒険者ギルドのテコ入れかそれまでに手に入れたのかはわからないがそれなりにいいアイテムを持っていたのでポイントとアイテムで美味しい相手ではある。
モンスターの対人戦闘の練習相手にもなるからありがたいものだ。
冒険者ギルドのダンジョンからの収益は、さほど多くはない。
探索者ギルド側は、初期加工品を輸出しているのに対して冒険者ギルド側は、未加工品のため売りさばくのに苦労しているようだ。
加工しておけば、スペースや重量の減少も見込めるし、商品加工もしやすいからな。
それでも、冒険者ギルドがトンネルベースの利権確保に動いているのは、魔石の存在が大きい。
王国建国以前から冒険者ギルドは存在しており、各国から魔石の販売を許可されていた。
王国では、建国初期に魔石の売買権を握っている為に、探索者ギルドで買い取る訳にはいかない。
正確にはちょっと違うか。
いったん購入してまとめて冒険者ギルドに売ることは可能だ。
また、人を雇って取りに行かせるのもグレーゾーンギリギリだがOKのようだ。
まあ、コスト面で考えれば圧倒的に高くなるのは目に見えて明らかだからするものはほとんどいないが。
魔石の使い道は魔道具のエネルギー源だ。
家では魔石を使った魔道具は使っていないので影響力があまり発揮出来ていない。
もう少し冒険者ギルドの権限を落としたいがどうするべきだろう?
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