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ネスside
探索者ギルドと政庁職員は、ブレインイーターと戦争奴隷で固めているが、商人と宿屋は幹部以外は、借金奴隷を中心にしている。
借金奴隷といっても、主に身売りしたものだ。
博打等で借金を作った者とは違う。
様は、給料を前借りしてその返済期間働く労働者といった感じだろうか?
そう言った自分の時間を担保にする者は結構存在しており、彼らには人権が法により労働の種類や期間がきちんと決まっている。
まあ、店番やら宿の清掃業務やら洗濯やらなら、問題がない。
当然の事ではあるが、基本的には性的行為はNGだ。
これは、奴隷になった時に契約をかわすから強引に迫ったりすることは出来ない。
そう言った仕事は娼婦が行うことに決まっている。
娼婦といってもいくつかパターンがある。
貴族や王族の戦争奴隷がなる場合、一般の庶民がなる場合、通常の戦争奴隷、重犯罪奴隷の場合に別れる。
貴族や王族の場合は、特殊高級娼婦になる。
まあ、当然だが。
奴隷として購入した場合値段が物凄い額になるからな。
使い潰す事は出来ないだろう。
もっとも、あくまで戦争奴隷だから自由はないが、それなりの暮らしをさせてもらうことができるようだ。
貴族や王族というプレミアに引かれるのだろう。
一般の庶民がなる場合は、あくまで娼館との契約になる。
その為、拒否権も存在するし、自らの教養を高める努力を怠ることはない。
上級の娼婦になれば社交界等でその辺の貴族よりも立場が上の扱いを受けるぐらいだ。
一般庶民にとって娼婦とは、下賎な職ではなく成り上がる為の職と言うイメージでもある。
それでも他人に抱かれる事に嫌悪感を持つものは多いのだが。
逆に奴隷娼婦は、蔑視の対象になるかといえばそうでもない。
いや、単なる玩具のように見られていると言うべきか?
きちんと管理されているか?病気を持っていないか?位しか意識していない。
下級娼婦の戦争奴隷や犯罪奴隷とはそう言った認識でしかない。
政庁職員や探索者ギルド職員にはさすがに手を出さないだろうが、宿屋で働かせる者は狙われる可能性が高いので裁き安い借金奴隷を採用している。
さすがに全員を戦争奴隷にするにはコストが高いからな。
まれに、冒険者や探索者に店員が襲われる事件も何回か発生しているが幸い治安維持部隊のお陰で大事にはいたっていない。
当然騒ぎを起こした連中は、犯罪奴隷として売却済みだ。
他の町と合わせて結構な臨時収入になった。
その他枠として残っているのは、基本的には冒険者や探索者が買った奴隷が殆どだ。
特に大型クランは、賃貸で貸し出している一軒家の物件を借りている。
宿泊はもちろん、食料や武器、ドロップアイテムの保管などにも使われている為に、物件を管理するものが必要になって来る。
高価なアイテムも在るため、奴隷を購入して管理させるのが一番安全だからね。
まあ、性欲発散用もかねているかもしれないけど。
それ以外の小規模クランやソロは、宿屋を利用している。
基本的にモライミーズ領では、必ず宿泊施設の利用が義務付けられているから、野宿なんてしていたら、領外に放り出されることになっている。
まあ、大抵の村や町でも同じことなんだが。
町や村の安全のためには仕方のないことだ。
場所によっては宿泊施設がないため広場に限り野宿を許すとこともあるが、場所代は取られるな。
村や町の内側は、住人が守ってきたセフティーゾーンだ。
無料で提供してくれることはほぼないだろう。
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