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ネスside
探索者ギルドを出て、手に入れたカードを見ていると「ネス様、これから何処に向かいますか?」リースが聞いてきた。
「そうだな。政庁に行ってみようと思っている。」
「政庁ですか?」
「ああ、ここの資料が一番あるしな。調べものにはちょうどよいからね。」
「お手伝いいたします!」
「「………。そうですね。」」
リースは、両手をぐっと握りしめてやる気を見せていつが、アルジェとミリアの二人は顔に出さないように努力しているが、調べものをいやがっているのが、よくわかる。
探索者ギルドでも、冊子を読んでいる振りをしながら寝ていたしな。
文字を読めないわけではないが、不得意なのはよく知っているし、無理矢理つれていっても邪魔になるだろう。
「アルジェとミリアには、別の事を頼みたい。ウルフのエストとノースの二匹を連れて、町様子を見てきて欲しい。市場調査って奴だ。頼めるか?」
「「了解シマシタ!!」」
何やら、変な返事を二人はしてしてくれたな?
そんなに、書類を調べるのは嫌だったのか?
ブレインイーターにとりつかれているとはいえ、基本的な性格はそのままだからな、リースのようなものの方が少数派なのだろう。
「調査費を渡しておくから、夕方までに戻ってこいよ。くれぐれも騒ぎを起こすんじゃないぞ!」
「「はい行ってきまーす!」」
「「ワンワン!」」
ちょっと?エスト?ノース?
誇り高い狼だろうが!
散歩に連れて行ってもらう犬みたいに喜んでいるんじゃない。
まあ、タンサク者ギルド外で繋がれて待たされていたからな、それを考えれば仕方ないか。
「メインも夕方まで自由にしててよいぞ。」
もう一体のテイムモンスターであるマギフクロウのメインにも自由にしていろと言っておく。
こいつは、連れて入っても問題ないが、どのみち戦力にはならないので好きにさせておいた方がいいだろう。
「ほー、ほっ。」バサバサ
一声鳴いて飛んで言った。
どこか、暗い所で寝ています、だと。
まあ、いいけどな。
「じゃあ、リース行こうか。」
「ハイ、お供いたします。」
俺たちは連れだって政庁に入って行った。
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ミリアside
ネス様の命により自由行動、もとい、市場調査に向かわねばなりません!
お小遣い、訂正、調査費用も十分に頂きましたので確り調査をしなくては!
「ミリア、浮かれすぎてないかい?」
「アルジェ、そんな訳ないじゃない。それに貴女だってギルドで寝てたでしょう?説明とか本とか苦手なくせに。」
「あー、ああゆうのは眠くなってしまうからな。体を動かしていた方が性にあっている。そういうところはお前も一緒だろうが。」
「………。その辺いい争っても仕方ないよ。それよりもどこからいこうか?」
「そうだな?ここで作られているものがいいな。武器、防具、ポーションなんかを見に行きたい。」
さすが脳筋、まずはそこなのね。
でも一理あるわね。
あくまで建て前は、市場調査だし、報告する内容としても十分かな。
せめて途中でなにか買い食いでもしたいところだけれども。
「まずは、あそこにいかないか?」
アルジェが指差す方向には、看板の代わりだろうか?フルプレートアーマーが店の前にたっている。
「武具やかぁ。装備は整っているけど、どんな物が売っているかは確認しておきたいわね。」
「ああ、これからダンジョンに潜る事になるだろうからな、破損した場合の修理や買い替えの必要が出てこないとは限らない。」
特にアルジェは、シールダーだからね。
一番攻撃を受けるから、防具には興味津々なのだろう。
「ミリア、いくぞ!」
「あっ!待ってよ、そんなに引っ張らなくてもいくから!」
全く、バカ力で引っ張らなくてもいいじゃない。
手が抜けるかと思ったじゃない。
いつもは、人の事を子供扱いするくせに!
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