195
ネスside
説明はまだまだ続くようだ。
「まず、探索者は2種類に別れます。探索者ギルドに所属するものと、その他のギルドに所属するものです。」
「探索者ギルドに所属しなくてもよいのか?」
「ハイ、あくまでダンジョンに挑むと言うことに関してですが、可能です。ただしサポート面で大きな違いがありますが。」
「どのように違うのですか?」
「まず、アイテムの買い取りですね。これは、探索者のみに限定しています。」
「冒険者ギルドの方でも買い取りをしているんじゃないのか?どっちが高値で買っているんだ?」
「冒険者ギルドの方が高めですね。その代わりサポート面ではこちらの方が有利ですよ。ここで商売しているのは、探索者ギルドの関係のものがほとんどですから。また、一次加工も行っていますから価格帯も安定しています。」
「じゃあ、高い時には冒険者ギルドに売るものも出てくるのでは?」
答えは一応わかってはいるが、ちゃんと機能しているか確認の意味を込めて尋ねておく。
「初期の頃はそう言った者もおりましたが、今はいません。
きちんとどちらに所属しているものはしているかを登録時点で確認をとり説明をしておりますから。
所属先にしか販売してはならない決まりになっていますし、冒険者ギルド、探索者ギルド以外は領地外に持ち出しを禁じられています。」
「それを破ればどうなるんですか?」
「探索者ギルドに関しては、追放処分になります。
当然、ダンジョンに潜る許可も取り消しになりますから決して所属ギルド以外には売らないようにしてください。」
ざっとアウトラインは、伝えてはいたがうまく制度化してくれたようだな。
まあ、ダンジョンも鉱山と同じ扱いなので領主であるアーサガ家の意向が強くなっている。
また、探索者ギルド自体がモライミーズ家の一機関であるのだからこれぐらいは出来るか。
冒険者ギルドは、面倒なことに世界的なものだから敵対的になるのも問題があるからこのような形で落ち着いたのだろう。
「わかった。で、ギルドに所属するとどういう支援を受けられるのですか?」
「まず、住居の低額での貸し出しね。ランクに合わせて借りれる場所が決まっているけど、通常価格の半分ぐらいにはなるわ。それとは別にクランやチーム用の物もあるわよ。」
「他には?」
「食糧や武具等の割引があるわね。後、怪我等で探索出来なくなった後の保障もある程度はあるわ。」
かなり手厚い援助がありそうだな。
冒険者ギルドは、冒険者を使い捨てする傾向があるのだが。
「所で、先程出たクランとかチームとかはどんなものなのですか?」
「ここのダンジョンはかなり深いのよ。
ランク上位のものでも1日辺り2層を突破出来ればいい方よ、往復分の食糧なんかを持って行けるのは6層位まで、それ以上潜るなら後方支援用部隊を抱える必要があるわ。
その部隊を1つ持っているのがチーム。
2つ以上抱えているのがクランだと思っていいわ。」
ダンジョンの階層間を移動するするときは、いくつかのポイントにランダム転移するから支援パーティーもある程度の実力がないと合流自体難しいのだが。
いくつものパーティーを抱える者がいるとは、面白いな。
「もちろん、下位の部隊の維持費は個人負担になるわね。
大半が奴隷で使い捨てにするものもいるけど、そういった者は結局資金が回らなくて破産していくわ。」
そこまで、ダンジョンに挑む訳でもないし、物資の運搬は、空間魔法やマジックボックスを活用するので支援要員は不要だしな。
それ以前に、ダンジョン内を好きに転移できるからそもそも意味がないのだが。
しかし、思った程攻略が進んでいないな。
限定転移アイテムでもドロップさせようか?
sideout