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閑話 塩の扱い

ケージside


アーチボルトじい様が、今出入りの商人と交渉しているのだが、上手くいっていない。


「なんとかならんか?」


「領地内の販売は対応させてもらいますが、他領地に対する販売は申し訳ありませんが………。」


「帝国では、塩は専売ではないはずではないか?」


「確かに専売ではございませんが、南部の貴族達がギルドを形成しておりますれば、そこに割って入ることは私の商会では厳しいのです。」


「そうか。無理を言って悪かったの。」


「お力になれず申し訳ありません。なにか他に力になれるような事がありましたらご相談ください。」


そう言って商人は、帰っていった。



「じい様、やはり難しいみたいですか?」


「ウム、ケージやはり領外には売れそうにない。」


資金面で一番期待していた塩が売れないとどうしようもない。

領地の開発しようにも先の戦いで死傷した兵士に生活支援をしたので資金面で余裕がないし、どうしよう?


「じい様、他に売れそうな商品はないですか?」


「基本開拓地じゃし、農作物か、海産物位しかないの。」


………!


「じい様、海産物はどのようにして売っていますか。」


「?干物や塩浸けじゃが、それがどうしたんじゃ?」


塩漬け?あ!!行けるかもしれない!


「じい様、塩漬けなら問題ないのですね?」


「うむ、さほど高来は売れんが、それがどうしたんじゃ?」


「ちょっと試したいことがあります。しばらく、留守にします。」


そう言って、俺は、マリオンをつれて出ていった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



家を出て、塩を作っている村にやって来た。

ここは、ネス様の完全に支配下に在るため情報漏洩の危険性が全くないから、安心して開発を行う事が出来る。


まずは、適当に海産物を集めさせようか。

とにかく種類が欲しいので地引き網を使うことにしよう。


これなら、塩作りの合間に人手を借りることができるからな。

いくつかアイデアがあるから魚がとれるまでの間に準備をしておこう。



準備をしていると村人達が取れた魚を木箱に入れて持ってきた。

氷等は当然ないので早く処理しないと痛んでしまうな。


まずは、痛みやすい小魚から処理しよう。

半分はそのまま瓶に入れて重さの3倍程塩を入れて木蓋で落し蓋をしたあと、さらに瓶に蓋をして紙を使い封印をしておく。


内蓋に使った木は、これに入れた物は腐りにくいと伝わっているものだ。

檜のように殺菌効果があるのだろう。

当然熱湯で殺菌もしてある。

1年位は放置する必要があるので出来るだけ菌の繁殖を防ぎたい。


残りの小魚は、頭と内蔵を取り除いて、先と同じように塩と共に瓶に入れて封印しておく。

いわゆる魚醤に仕立てる訳だ。


残った身の方は、一度海水で軽く火を通した後、天日乾燥で完全にからっからに乾かした後粉末状にして塩と混ぜればこちらも完成だ。

イメージで言えば、塩気のきつい振りかけと言った感じだろうか。

海老や蟹等も一度海水で煮た後、同様に乾燥粉砕しておこう。


魚、海老や蟹の粉末として売れば行けそうな気がするのだが。

あくまで南側の領主達が専売しているのは、塩、であり、海産物の加工品ではないからな。


ただ、塩の代わりに使うのは買った者の自由であるし、使い方の強制は出来ないだろう。


ただでさえ塩が不足しているのだから多少高くても買い手はあるだろうし、一度使えば料理の味がかなり上がるのを実感してもらえるだろう。

海産物の出汁を料理に使うのなど沿岸部の住人位だから、内陸の人間には未知の味になるだろう。


どのぐらいの値段にするかは、商人やダグラスじい様と話し合って決めるつもりではあるが、値上がり前の2倍位の価格で攻めたいと思う。


sideout

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