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ネスside
王国、帝国へのダンジョンエリア拡張を進めているのだが、帝国の方は厳しい状況だな。
王国領のエリア化率は、大体60%強まで広げることができている。
4つの展開型ダンジョンを設置しているから、割りと早く進んでいる。
ナーガがダンジョンマスターの所は、部隊を送り攻め滅ぼす予定だが。
元々ナーガ自体、ダンジョンのある森に住み着いていた土着のモンスターだったからな、滅ぼすのに躊躇はない。
ナーガは、こちらのコントロール下にない。
野良モンスターがどのようなダンジョンを作るのか?エリア格調型ダンジョンに配下モンスター以外を据える事が出来るか?という二つの実験用に設置したものだ。
下位ダンジョンのエリアがメインダンジョンの近くまで延びて来ているのでそろそろ役目が終わったと判断した。
ダンジョンマスターにした時、コアルームに転移陣を設置してあるのでダンジョンコアを奪い、ダンジョンマスターのナーガを討ち滅ぼせば、それで終わる。
あくまで、下位ダンジョンとしての扱いなので地下ダンジョン部は消えるが地上部のダンジョン化したエリアは、こちらのエリアに吸収されるので問題ない。
他の3つはネームドモンスターをダンジョンマスターに据えているので、廃止することは出来ないし、するつもりもない。
メインダンジョンのそばまでエリアが広がって来ても問題ないからな。
下位ダンジョンのエリアと重なった時は、そのエリアの設置ポイントを折半することになる。
様は50%のポイントが戻って来ると言うことだからな。
それをさらに拡張に回せる。
また、拡張は、エリアの縁から同じ割合で広がる。
これは、魔縄とダンジョンコアの欠片で作ったラインによって出来るエリアも同様だ。
王国領においては、街道整備の名の元にラインを張り巡らすことに成功している。
初期に敷設したため、コアとコアの間がかなり狭く、エリア拡張に伴ってエリアが接続した箇所が増えている。
ラインが増えれば増えるほど、拡張スピードが増える。
また、街道は、都市に接続しているため都市もエリア化している。
都市には住人が多いため、ポイントが稼ぎやすい。
平原や農地に比べて圧倒的と言える。
しかし、帝国は、難しい。
王国に比べ、領地は十数倍であるし、ラインも大河に敷設したもの以外にない。
一番多い南北縦筋で5つのラインがならんでいるだけだ。
南北に伸びると考えても年1キロ程で、5ライン分で5キロしかない。
帝国領は南北約3000キロ、東西約2500キロある。
単純にこのまま手を打たないでおくと帝国領をエリア化するのに約600年かかる計算だ。
ちょっとかかりすぎるな。
帝国の最西部の南北にケージのダンジョンとゴブリンキャプテンのダンジョンがあるとはいえ、もう少し何か手を打たないといけなさそうだ。
といっても、アーサガのような存在は中々いないし、王国領のように未開発エリアがそこいらに残っているわけでもない。
いきなり、里山にダンジョンが現れるなんて事は、出来ない。
せいぜい出来るのは、水性モンスターが発見の危険を避けるために行わなかった川の支流や上流に飛行系モンスターを利用してラインを引くことぐらいだろうか?
いや、逆に考えて見よう。
開拓が進んでいるということは、農地が多いと言うことだ。
農業には、水が必要で、その水を引くために水路が作られているはずだ。
こいつをうまく利用すれば、多少はましになるか?
誰が、どうやって?という問題は解決しないけどな。
帝国領については、しばらく、足場を固めるのに集中するしか無さそうだ。
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