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閑話 ゴブリン海賊団

ゴブリンキャプテン・シードside


海はいい。

こうして海見ていると大海に今すぐにでも乗り出したくなって来る。


ダンジョンマスターがダンジョンを出て活動するのは、普通であればおかしな行為だろう。

ゴブリンキャプテンという種族特性の故かダンジョンに籠るよりも、大海に出ることを望んでしまう。


まあ、こんな海の幸真ん中にある孤島のダンジョンに来るものなど難破か漂流して偶然流れ着いた者ぐらいだが。

俺がダンジョンマスターになってからは、今のところ一切ないがな。


さほど木が這えているわけではないので船を作ることは出来ないのでずっとこの島にいないと思っていたのだが、幸い何艘か此島に漂着していたのを発見した。

こいつを整備すれば使える。

船員もダンジョンマスターの力で呼び出すことが出来る。


ダンジョンポイントやらが必要だが、多少だが何故か毎日ポイントが加算されて行くので下位の者を召喚するには問題がない。

逆に食糧確保の方が問題か?


問題は、ダンジョンのある島の周囲の海域だ。

複雑に潮流が流れ、岩礁地帯も多い。

比較的南方の海は穏やかだが、余り沖に出ると大型海生モンスターがいるのでそちらにいくには厳しいものがある。


しかし、海生大型モンスターの生息域と島の周囲の岩礁地帯の間に僅かに通れるルートがある。


このルート以外は、島にたどり着くにはよほどの腕利きの船員と船を持っていなくては無理だろう。


ルートの情報は、訓練を兼ねた食糧確保のため漁に出た時に発見したものだ。


このルートを使えば、北の領域にある人属どもの巣を襲えるが、もう暫く大掛かりな襲撃は出来ない。


船の数も船員のゴブリンも足らないからな。

せいぜい、沿岸で漁をしている漁師が狙い目か?

余りやり過ぎると目をつけられるか。

さてどうしたものか。


「キャプテン・シード様、海を見ていらっしゃるので?」


俺に一匹のゴブリンが声をかけて来た。

声をかけてきたのは、俺が名を与えたゴブリンの3匹の内の一匹、ゴブリンマストのジョルジュ。

俺の参謀役を務め、マスト(航海士)のスキルを持つゴブリンだ。

南側の水道を見つけたのもこいつだ。


「ジョルジュか。いずれ、この先の南の海の彼方に船をこぎだしたいと思ってな。」


俺は、振り返らずに海を見つめたまま答えた。


「この海を越えていくには力と船が足りませぬな。」


「どうしたらよいと思う?何か策はないか?」


「危険はありますが、北の大陸から木材を調達するしかないでしょうな。」


やはり、それしかないか。

手に入った船は、小型の帆船だ。

戦船として使うには15~6人位が限界のものだ。

さほど積載能力があるものではないが、幸いな事にマジックボックスが搭載されていた。


船体と同化しているため、船を破壊しないと移設出来ないが凡そ1トンの物を収納出来る。

人数を航海出来る最低人数に絞ればもう1トン位は積めるだろう。

マジックボックスを登載した船は3艘あるからかなりの資財を運べるだろう。


また、マジックアイテム(布)も数個発見している。

こっちは5メートル四方の布で、包める範囲の物であれば100キロまでの重量ゼロに出来る。

体積は代わらないのが問題だが、使いようによっては有効なものだ。


「やはり、それしかないか。他に必要な物はあるか?」


「やはり、食糧が足りませぬな。耕作地を増やそうにもこの島では、開拓出来る場所も限られておりますれば。それと金属の類いが欲しいですな。武器や道具を作るのに必要ですからな。今のように漁船をたまに襲う程度では不足を補う事はできませぬ。」


「人属の村を襲うしか無さそうだが、恒久的に食糧を得る手段を考えておかねばならんか。」


「ドクが何やら食糧に関して進言があると申しておりましたな。一度訊ねて見ては?」


「ドクが?わかった、聞いてみることにしよう。よい、アイデアがあるのであればよいのだが。」


sideout

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