ダンジョンマスター始めました。
見知らぬ部屋のベットの上で俺は目を覚ました。
10畳位の大きさの部屋だろうか、セミダブルのベットとナイトデスク、書斎机に空の本棚に小さめのソファーとローテーブルのセットが一組、後は扉が2つある。
「え~と?ここは?」
なぜ、ここで寝ていたのだろうか?
ああ、そうだった!ダンジョンマスターとして転生したんだったな。
他に覚えていることは?
自分の名前×
家族×
通った学校やクラスメート×
四則演算○
前世の歴史(一部靄がかかったように思い出せない)
学校の授業内容(一部靄がかかったように思い出せない)
アニメや漫画(一部靄がかかったように思い出せない)
こんな感じかな?
自分の過去に関わるようなことや人名、近代知識なんかは封印されている感じだな。
あ、しまった‼お決まりの台詞《知らない天井だ‼》を言い忘れてた‼
う~ん、物語なんかの台詞は普通に出てくるようだな。
機械類は、ゼンマイ、風車や水車等自然エネルギー大丈夫、ネジや歯車等の簡単なものも大丈夫だが前世のような電気やガソリン等を使う動力ものは外観が何となく思い出せる位だな。
あくまでも感覚的なものだが将軍がいた時代位の科学知識までが許容範囲だろうか?
なんと言う将軍かは思い出せないが。
ベットの上であれこれ考えてもらちがあかないだろう、まずはこの部屋のものを確認してから扉の外に出てみようか。
ん?何か涼しいような?解放感にあふれているような?…………!!
俺、全裸じゃないか!
どこかに服か何かないか?あ、ナイトデスクの上にあったよ、焦らすなよ、服がなくて全裸生活になったらこのまま引きこもりになるところだった。
待てよ?ダンジョンマスター自体引きこもりそのものじゃないのか?
う~ん、それは置いておいて取り敢えず服を着ようか。
簡単な広東衣だな。材質もよくない。ごわごわして着心地が悪い。
しかし他に着るものもないししかたない。
ナイトテーブル、書斎机、本棚を見ても中は空だった。
残るは2つの扉だけだがどうしよう?
まあ、開けるしかないんだが。
さてどちらから開けようか?
1つは両開きの大きめの扉、もうひとつは隅の方にある小さめの片開きの扉だ。
小さめの扉にしようかな?
なにが出るかちょっと不安があるがどのみち開けるしかない。
このままここにいても意味がない。
では、なにが出るか?
…………?
なにもない?いや作り付けの棚があるだけの3畳ほどの空の小部屋だ。
ただのウォーキングクローゼットだな。
あ、奥にも扉があるがどうしよう?
よく考えればダンジョンの中に危険があるわけないな、開けるか。
ただの大部屋だな、16畳はあるかな?
四方に扉があるがなにもない。
右手側の両開きの扉はさっきいた部屋だろう。
左手の扉は?大きめのキッチンのようだ。
ということは大部屋はリビングかな?
正面の扉を開けるもう一部屋、さらに大きめの32畳ほどの部屋がありその奥にもまた扉がありその扉を開けると上に続く階段がある。
結構長そうだが登るしかないな。