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ケージside
この部屋?に通されて3日過ぎた。
う~ん、慣れないな。
与えてられた部屋が豪華過ぎる。
ベットルームに20畳はあるリビング、縁側のある16畳の和室、バーカウンターを備えたダイニングキッチン、露天風呂等1人では使いきれない。
しかも、メイドさん付きだ。
パペット系モンスターだけどね。
食事もそうだ。
フレンチ、イタリアン、中華、和食等豪華過ぎる料理が並ぶ。
前世でも食べたことの無いようなものばかり出てくる。
旨いのだが、もっと普通のものが食べたい。
取り調べの時食べたカツ丼が一番良かったのかもしれないな。
今度頼んでも大丈夫だろうか?
食事のことはいいとして、俺は、一番小さな部屋である茶室にこもることにした。
有り難いのは、リビングに本の類いがかなり有ることだ。
当然持ち出し禁止ではあるが、この屋敷ないなら元の位置に戻すことを条件に許された。
また、ノートに写した物であれば、与えられるダンジョンに持っていっても構わないとのことだった。
地理に関するものや魔法に関する物を中心に必死になって写している。
どこのダンジョンマスターにされるかまだ聞いていないが、情報はあるにこした事はないし、魔法は興味がある。
これまで、無縁の存在だったので、是非とも使って見たいものだ。
庭は庭園として整備されているので試す訳にはいかないからな。
時間がどのくらいあるかは知らないので内容の確認は後回しにして出来るだけ写本にしていかなくては。
sideout
ネスside
ケージをダンジョンマスターにすることを決めた後、下準備に1周間かかってしまった。
「ケージはどこだ?」
離れの庭を掃除していたメイドールに聞いた。
「ケージ様は、多分茶室にいると思われます。」
「そうか、では、書斎で待つからつれて来てくれ。」
「わかりました。」
「ああ、後、茶を頼む。」
俺は、メイドールの返事を待たず、書斎に向かった。
書斎に入ると壁際にある本棚の中の本が1割ほどなくなっているのに気がついた。
ケージが持ち出したのだろう、勉強熱心な事だ。
ここにある本は、すでに写本を作った後の物のなかで製本がきれいな物を集めてある。
様は飾りようだな。
内容的には、たいした物はない。
傷さえ付けなかったらそれでいいと言う程度の物だ。
貴重な魔導書の類いは別の書庫に置いてあるし、欲しければ写本位やってもよい。
茶室に籠っての何をやっているのかは、予想がつくからこちらからは言わない方がよいか。
「失礼します、お茶お持ちいたしました。」
メイドールが茶を持って来た。
「御苦労。ああ、そうだ。マリオンを呼んで来てくれるか?」
「ハイ、了解いたしました。」
マリオンは、メイドールの進化したものでチーフメイドールの一体だ。
マイヤーの部下として、パペットから鍛えたモンスターの1体だ。
進化体の為、見た目は無表情な事を除けば、人属とほぼ見分けがつかない。
こちらである程度のダンジョンメイクをしてしまう都合、せめて護衛とサポートのできるモンスターをつけてやろうと思ったのだ。
まあ、監視役も伝令役もかねているのだが。
暴走しないように監視、誘導をしてもらう。
戦闘力は、同ランクのものより若干劣るが、家事を任せられる存在は有り難いだろう。
コン、コン「ネス様、ケージ様をつれて参りました。」
「おお、来たか、入れ。」
メイドールの一体がケージをつれて来た。
10種類の顔のパターンで取り敢えず判別は出来るのでなんとかなっているのが現状だな。
同じパターンの者が入れ替わったらわからんな。
部署後とに服なりアクセサリー等の差をつけておこう。
「よく来た。お前に預けるダンジョンの下準備が終わった。明日出発することにするので、概要を説明しておこう。取り敢えず、向こうのソファーにいこうか。」