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ケージside


ガラガラ、ピシャン、ドスドス、ドカ。


戸が開き、誰かが上座に座ったようだ。

平伏しているので音で判断するしかないけど。


「顔を上げてよいぞ。」


お許しが出たので顔を上げた。

そこにいたのは、まるで葬儀屋のように、黒いスーツを身に纏った一人の男だった。

身の丈170を越える位で細身の男だ。

どこにでもいそうな、三枚目に見える。

前世ならば………。


この世界の人種は基本的にヨーロッパかアラビア系の彫りの濃い顔をしているのだが、この男はアジア系の掘りの薄い顔をしており、俺と同じ黒髪だ。


黒髪は、珍しい。

都市部では、さほどではないが、地方になれば悪魔の子と呼ばれて迫害を受ける位だ。

おれ自身それもあって奴隷に売られたということもある。

目の前の男がいきなり叫んだ。


「答えろ!流派西方無敗は!」


え、これはあれか?ならば!


「帝者火炎!!」


「全新!!」


「系列!!」


「「享楽海波!!!」」


「「見よ!西方はひかり指している!!!!」」


なにかが通じてあった気がする。


sideout



ネスside


ほう、この文句についてこれるか。

中々、古いものなのだが、こいつの中の人は結構な年なのかもしれないな。

ちょっと回りの目が痛いが無視しておこう。

ケージの奴はどこかやりきった感を出している。


まあ、先にやった尋問等で同郷の者であることはわかっていたが。

年齢的に見て勇者格を持った者である可能性が高いだろう。


「さて、ケージ冗談はこの辺にしておこう。お前には、選択肢が2つある。ここで死ぬか、若しくは俺の配下となりダンジョンマスターとしていきるかだ。」


「他の選択肢はないのですか?」


戸惑った様子でそう聞いてきた。


「無いな、お前自身わかっているかどうかは知らないが、勇者格をお前は持っている。放置すれば、危険な存在だ。」


「私が危険な存在なのですか?」


「そうだ!今は、社会的地位も実力もないだろうが、前世の知識をうまく活用すれば十分な資金を得ることは可能だろう。また、他のものよりも成長率が高い。逆らう意思がなくとも祭りあげられる可能性も高い。そのような者を野放しには出来ないからな。」


「わかりました、従う他無さそうです。」


「うん、素直で結構。」


「死にたくはありませんから。」


「それで十分だ。今日のところは部屋を用意させるからゆっくり休んでくれ。明日から色々することがあるからね。」


「わかりました。」


「マイヤー、誰か世話役を出してくれ。部屋は、そうだな、玄武の間でいいだろう。」


「上位のものでしょうか?」


「それは、後で決める、取り敢えず身の回りの世話をさせるだけだ。」


「わかりました、では、彼女に。」


マイヤーは、自分の側付のメイドールを指した。


「いいだろう。彼を案内してやってくれ。」


指示されたメイドールは、ケージをつれて出ていった。


玄武の間は、来客ように作った離れだ。

庭園の中に作られているので、変に彷徨かれる事もないだろう。

ダンジョンマスターになるまでは、監視しておく必要があるが、あそこなら自由にしてもらっても大丈夫だ。


「彼をいかしてよかったのですか?」


ケージが出ていったのを確認してからマイヤーがそう聞いてきた。


「問題ないと思うぞ、ある程度はこちらで指示するつもりではあるがな。」


「場所は例の村でしょうか?」


「ああ、下準備は終えているし、あいつ自体は人属だ。人の中にいた方が精神的に安定するだろうしな。それに例のアイテムも完成している。」


「人化の腕輪ですね。」


「ああ、元々失敗作だが、俺のような者にはうって付けのアイテムだな。」


人化の腕輪を作ろうとして出来た失敗作だ。

元々モンスターの潜入部隊の為に開発していたが、その過程で気配を人属と同じようになるアイテムができた。


見た目が人属である俺などにはもってこいのアイテムだ。

まあ、色々制約があるが、ほぼ、ダンジョンエリア化した王国内では、問題なく使える。

予備もいくつかあるので、こいつを与えておくことにしよう。


sideout

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