表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
181/237

164

第二王子隊中隊長side


戦況は、思わしくないな。

いや、最悪と言っていいかも知れない。

街の周囲を塀で囲まれ、日々モンスターの襲撃で怪我人が増え続け、武器が枯渇し、食糧も尽きかけている。

さらに、応援の来る兆しもない。

後、いくらも持たないだろう。


第二王子や男爵に撤退を進言しても死守するのだ、撤退はあり得ないと言われて却下される。


男爵領の領民達も逃げることを考えるものはほとんどいない。

狂信的な何かに操られているようだ。


俺の部隊は幸いその影響を受けていない。

俺たちは、第二王子に雇われた独立した傭兵団だったから、影響が少ないのだろう。

領民や兵の中にも違和感を感じて脱出を望むものもいる。

まだ、今なら脱出出来る可能性が残っている。


「おい、うちの物資はどのぐらいある?」


「へい、表は後わずかですが、裏の分なら1周間分ですね。」


1週間分か、うちの部隊だけならなんとかなりそうだが、それだと戦力が足らないな。


「うちの部隊以外で味方に付きそうな奴等を集められるか?」


「多少ならなんとか。」


「至急集めてくれ。出来るだけ多くな。」


「ヘイ‼」


さて、うまくいくだろうか?



sideout



○○side


この町は、一体どうなってしまうのだろう?

本音を言えば逃げ出したい。

でもそのすべがない。


8年前、事故に合い気がついたらこの世界に転生していた。

赤子スタートは、まあいいとして5才の時に奴隷商に売られてしまった。


俺を買ったのは、それなりに裕福な商人だったので酷い虐待を受けることなく、息子の部下として働けるように教育も施してもらっていたのだが、このモンスターの侵攻で商人が町から離れるときに、置いていかれてしまった。


補給に来ていたもの達に脱出を依頼した時、俺の席はなかった。

護衛部隊の人数上限数を超えていたためだ。

何人かいた奴隷のうち、俺だけが置いていかれた。


他の奴隷達は成人していたし、商売も確り仕込まれていた。

いくら、前世の記憶があっても所詮は子供、新しい土地で商売をする上で足でまといでしかないと判断されたようだ。


奴隷契約は解除してもらいわずかではあるが餞別ももらった。

しかし、多少金を貰ってもすでに食糧を買えるような状況でもない。

このままでは、餓死するかモンスターに殺されるかどちらかだろう。


どうにか、脱出する手段を見つけないと。


○○sideout



第二王子隊中隊長side


間もなく夜が開けるな。

そろそろ行動を開始するか。


しかし、思った以上に集まりが悪いな?

全部で70人程か?少ないな、しかもガキまで入れての人数だ。

まあいい、着いてこれなければ置いていくだけだ!

どのみち死傷者が出ているので補充要員あつかいだ。


その分、守備隊は、うちの部隊以外を他に回されたが俺達にとっては都合がよい。

自由に動けるからな。

さて、全員を集めて、作戦を説明しておくか。


「これより、このまちより脱出をはかる、よいか!!」


「「「「おう!!」」」」


目の色が今までいた部隊の奴等と違うな、多少は生き残る可能性があるな。


「間もなく夜が明ける!モンスター達が来るがこの部隊を突破する、その後モンスター達の後衛がいるがこれも突破する。時間が勝負を分けるだろう、遅れるものはおいて行く。生き残りたかったら死にもの狂いでついてこい!」


「「「「おおおぉぉぉぉ!!!!!!」」」」


作戦も糞もねーな、単なる力攻めだ、こんな作戦しかたてれねーから第二王子の部隊に参加してしまったのだろう。


しかし、生き残るため、この町から出る為には他に手段がないのも事実だ。


必ず突破して生き残ってやるぞ。


sideout

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ