162
ネスside
さて、下準備は終わったのでコブリンをダンジョンマスター化しようか。
ちょうど、男爵領に侵攻させているダンジョンにコブリンのSタイプの召喚陣がいくつかあるからそこから調達させてもらった。
今は、薬で眠らせている。
どのみち制御出来ないから、俺の存在を知らない方がよいだろう。
調達してきたコブリンは、雄4匹、雌7匹だな。
雌が多目だが、繁殖を考えればこの方がよいか。
ダンジョンマスターにするのはどちらがよいかな?
よし、雄にしよう。
候補のコブリンをコアルームに転がして置いて、他の者は地上に放置だな。
コアルームは、ダンジョンマスターが決まるまで隔離される。
例え、コアルームの壁を破壊するとこができたとしてもそこにはなにもない。
物理的というよりも空間的に隔離されているといった方が正しいだろう。
大体、異空間にでも作らない限り、ダンジョンなんて作れないよな。
放り込んだコブリンがここから出るには、ダンジョンコアに触れてダンジョンマスターになるしかないと言うことだ。
コアに触れた瞬間にコアは起動する。
まずは、上位者の命令があればそれを実行し、その命令に背かない範囲の権限をダンジョンマスターに与える。
そういえば、確か、ダンジョンコアの機能の中に………。
うん、これだな、ネームド機能だ。
本来であればダンジョンマスターは、通称なり、2つ名なりがあるのでそれが名となるが、最下級であるコブリンにそんなものがあるわけがない。
自分で名を考えることもないだろう。
名が付いてネームドモンスター化すれば1段階種族ランクが上がり、さらにダンジョンマスター化すれば1~2段階さらに種族ランクが上がることになる。
ある程度の強さは必要だからな。
設定できるのはここまでかな。
忘れている事はもうないだろう。
コアが起動してしまえば、いくら上位者であっても条件の変更は出来なくなるからな。
さて、どうなるか、しばらく様子を見てみようか。
sideout
side???
「ここは?どこだ?」
俺は、何故ここにいるのだろう?
今、いるのは円形の部屋のようだが、しばらく壁を調べて見たのだが、出口らしい物は見つけられなかった。
どうやってここにつれてこられたのかわからん。
中央に台座に載ったオーブがあるが、これが何かのヒントなのだろうか?
他に手段もないし、調べて見るか?
【生命体の接触を確認しました。】
【現在ダンジョンマスター不在のため、同生命体をダンジョンマスターに選定されなした。】
【ダンジョンマスターに選定された為、同生命体のモンスターランクが上昇しました。コブリンからゴブリンに進化致します。】
【ダンジョンマスターに選定された為、《シード》の名が付与されました。】
【ネームドモンスター化した為、モンスターランクが上昇します。ゴブリンからゴブリンリーダーに進化致します。】
【ダンジョンマスターを得たため、ダンジョンの開設を行います。上位者権限が発動されました、登録シークエンスを発動いたします。】
【第一階層を設置いたしました。】
【第二階層を設置いたしました。】
【地上部エリアの設置されました。】
【地上部エリアの拡大を行いました。】
【下位モンスターである、コブリン、ゴブリンの召喚権を得ました。ポイントにより召喚は可能です。】
【周辺地形をサーチ致しました。種族に地形特性を付与いたします。ゴブリンリーダーからゴブリンキャプテンに進化致します。】
【ゴブリンキャプテンに進化したためシーコブリン、シーゴブリン、ゴブリンセイラーの召喚権を得ました。】
【…………。】
【……】
目の前にあったオーブが点滅し多くのアナウンスとともに体に力が入り込んで体を作り替えてゆく。
その力の大きさに翻弄されて俺は気を失ってしまった。
シードsideout