157
修羅side
『そう言えばダンジョンから来るモンスターのこともあったな、どう対応したものか。』
男爵領を攻めるモンスターの一部は都市を大きく迂回して南に回っている。
数としては日に50体と少数ではあるのだが、ダンジョンの召喚陣をなくしてもすでに出ているモンスターは消滅しないので10日程は増え続けることになる。
『皆、どう思う?』
「しばらくそのままにしてはどうでしょう、周囲に作る壁がある程度出来るまでは。」
『何故だ?ラニア?』
「男爵領を消耗させて脱出する戦力を削る事ができます。」
『確かに相手を消耗させる事は出来るだろうが、ネス様の命に逆らうことにはならないか?』
「勿論、ネス様の命に従いますが、ある程度、相手に負荷をかけておかないといけません。街道中心部を開けてモンスターを通れるようにしますがその間に街道左右にブラッドローズを植えます。」
『中央を明けおいてよいものなのか?』
「そこは、ゴーレムを使います。モンスターが通らない時はゴーレムにふさいでもらえばよいのです。」
様は、ゴーレムが扉のみだが役割をすると言うことだな。
いいアイデアだな。
エリア内でしか活動出来ないが、配置予定の場所はエリア内だ。
迎撃戦であればゴーレムは十分な戦力だ。
他に必要な物は?
遊撃用の戦力が必要だな。
コボルド部隊では不足するだろう。
纏まった戦力でなくてよいのだが?
『ネス様にもう少し戦力を回してもらった方がよいだろうか?』
「それでは、命に逆らうことにならないか?」
「部隊ではなく戦力なら問題ないと思うわ、シバ。」
「ラニア?どう言うことだ?」
「Sタイプのモンスターなら大丈夫だと思うわ、統制は聞かないでしょうけど、牽制としては問題ないはずよ。ネス様に確認は必要だけど。」
『そうだな、ある程度下級モンスターを住まわせておかないと魔樹の獲物もいなくなるか。ネス様の判断を仰ごうか。後は、拠点の製作だが、クリフ物資の調達にどのくらいかかる?』
「2~3時間あれば当面のものは準備できます。既にストックがあるので、必要な物を集めれば大丈夫だ。」
『では、どのくらいで拠点はできるのか?』
「え~と、1日あれば拠点を囲う壁位は出来る。壁さえつくってしまえば内部は余裕を持って作れるね。」
『こんなところだろうか?では、各自必要なものを書き出しておいてくれ、後程ネス様にご報告する。』
やはり、こういった事はなれんな。
ない胃がキリキリと痛むようだ。
sideout
ネスside
修羅が必要と思われる物資のリストを持って来た。
わざと抜かしていたSタイプの召喚陣についてもかかれているようだが、ウルフ系の召喚陣を3つか、これではダメだな。
戦力の増強をかねてのことだろうが、ある程度の生態系を構築しておかなくてはいけないだろう。
それに直接召喚陣を設置しなくてもいいだろう。
ダンジョン内に設置して転移陣を使った方がよいだろう。
ある程度数が揃えば撤去する予定であるしな。
先に命令しておけばよいだろう。
1、召喚陣から5メートル離れ12時間動くな。
2、転移陣を潜れ。
3、矢印の方向へ500メートル移動したあと自由に行動せよ。
こんな感じ出来ないよいだろう。
転移させる必要がなければ、召喚後に撃破してくれないんだ経験値になって貰えるし、転移陣の場所を代えれば他のところにも送り込める。
前回は、命令の仕方をミスったからな、その経験をいかさせてもらおう。
今回作る召喚陣は、ステップウルフ、コブリン、ステップデア、ホーンラビット、ミニカウ、スライム、ウィードでよいかな?
ウルフとコブリンは3つ、他は5つ作るとしよう。
送り込む数は、最終的に何体になるかは決めていないが、様子を見ながら考えようか。
「ネス様スコシオ願イイタシタイコトガ………。」
修羅がそう言って部屋に入って来た。