148、取引
ジェリーside
「このように査定いたしましたが、いかがでしょうか?」
そう言ってクラップ殿は、査定の書かれた羊皮紙を渡して来た。
どれどれ?合計で金貨260枚ですか。
他の者が金貨200枚を越えなかったのに、大分多目に査定して下さったようですね。
「もう少しなんとかなりませんか?」
無理を承知でお願いしてみましょう。
「そう言われてもこちらも今後よいお付き合いをするために、上限いっぱいまで勉強させてもらっておりますからな。」
「そこをなんとかお願い致します。」
「………。では、私の商会で、物資を購入時に多少割引をさせていただくと言うことではいかがですかな?」
「割引ですか?いかほどでしょう?」
「1割ですね。購入額の1割を引かせていただきましょう。。」
う~ん、これは特か損か悩みどころですね。
1割ですか、宝石類の売却分も買えば結構な特になりますが。
どうしましょう?
「食糧や武器等はあるのですか?」
「私どもの本拠地は東方ですので、多少は、調達しやすいかと思いますが。」
王都では、南方領は防衛戦用の備蓄や田畑の損害で食糧の供給がとまり値段が高騰し初めています。
ここで市中から兵糧をかき集めたら暴動になるかも知れませんね。
それよりも王都の外から集めた方がよいでしょう。
「では、3日で1月の兵糧を100人分集められますか?」
私がそういうと、クラップ殿は、少し考えるようなそぶりをみせた後に、「兵糧でよいのですか?」と聞いて来ました。
「ええ、兵糧で構いませんが?」
「で、あれば、900食分を3日で用意いたしましょう。代金は、割引させて頂いて金貨5枚でいかがでしょう。」
思った以上に安い金額を示して来ましたね。
これなら、救援物資を大量に購入しても大丈夫です。
「その金額でよいです。救援物資の調達もお願いしたいのですが、金貨100枚分でお願いできませんか?」
「ちょっと、待ってくれませんか?え~と、救援物資ですので………。食糧は、あれで………。ポーションが………。まあ、なんとかいたしますが、その金額で救援物資となるとこんなところになりますが、よろしいでしょうか?」
何やら、ぶつぶつと確認しながら、紙に書いたものを私に見せてきた。
食糧として、穀物500キロを中心に干し肉や干し野菜、芋や堅焼きビスケット等の保存が効く食糧、各種ポーション、包帯、薬草等の医薬品、衣料品等結構な量が示されていますが。
「武器の類はないのですか?」
「これが、限界ですな。武器の類いは、高いので入れておりません。それに救援物資との事でしたので省かせていただきました。」
「ちなみに、最低限の武装なら、おいくらになるのでしょう?」
「最低限の武装ですか?
素人が使うとかんがえれば、そうですね、胸当てと手甲、すね当て、鉢がね、槍といった所でしょうか?金貨1枚位ですね。」
最低限の装備でそのぐらいなら、武装を持たない義勇兵にわたせますね。
どのぐらい集まるかわかりませんが予備を含めて50セット注文を入れておきましょう。
「では、50セットをお願いします。」
「わかりました。他のものも合わせて、合計で金貨155枚となりますがよろしいでしょうか。」
「それでお願いいたします。」
これで差し引き金貨105枚の余裕が出来ました。
宝石類の分も合わせれば、それなりの人数を雇えそうです。
「所で物資はどこに運び込めばよろしいですかな?」
「第三倉庫群の26番倉庫にお願い致します。」
「わかりました。では、そのように手配致します。今後ともクラップ商会をよろしくお願いいたします。」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」
ふう、これでいいでしょう。
後は、他のものに任せておきましょう。
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