145、第二王子の仲間達
ネスside
何やら第二王子が騒いでいるとの報告を受けたのだがどうするか?
噂では、王国騎士団をはじめて各部隊は臨戦態勢のまま待機と命ぜられているはずだ。
その他、王都在住の法衣貴族の配下もそれに習っているのでこれも動かないだろう。
となれば一体どこから兵力を持って来るのか楽しみだ。
こちらの侵攻部隊の陣容も徐々に整って来た。
コブリン等のビックコックローチ以外のモンスター達の生き残りが集団を形成し始めているからな。
特にコブリンやミニタウロス等は、集団戦が得意なモンスターだからな。
もう少し数を増やしてもよいかもしれない。
また、生き残りのなかで進化したものもいる。
と、いっても今のところチャバネローチ一匹のみだが今後も増えるだろう。
それでも弱いモンスターには違いないが。
男爵領に侵攻をはじめて大体20日程だろうか?
攻め寄せているモンスターの数は400近くになっている。
早くしないともっと増えるぞ。
最初の頃は、男爵領の兵士達が打って出たりしたのだが、最近では町に籠っての防衛になって来ている。
半月以上の戦闘で大分疲弊しているが、街の住人が義勇部隊をつくって対応しているので、当分町が落ちることはないだろう。
まあ、こちらとしてもまだ、町を落とすつもりはないのだが。
予定している、技能職の引き抜きが完了していないしな。
当然逃げ出す領民もいるが、大半は逃げてもいくところがないから難民になるしかない。
また、一度逃げたものは、戻ってきたとき村八分のような扱いを受けることもある。
兵士や義勇部隊の家族等は、そう言った事はないが、男手のない難民生活などは、伝がない限りかなり厳しいことになるだろう。
sideout
アランside
マージョちゃんの実家の援軍を集めるために学園の同期に声をかけているのだが、一向に協力してくる者がいない。
法衣貴族の子弟の者に頼んでも、私兵を貸しては貰えなかった。
傭兵団や冒険者をしている者にも声をかけてもよい返事が貰えなかった。
いってもよいと答えてくれた者もいるにはいたが、相場より高い報酬を求められた。
何故、みんな進んで協力をしてくれないんだ!
sideout
ボヤックside
アランが人集めに苦労しているらしい。
王命が出ているので仕方ないが、どうしたものか。
俺は俺で、難敵と対峙している。
親父なのだが。
「許可できんな。」
「何故だ?本人達が希望しているのだから構わないだろう!」
同期の中で従士隊や衛兵隊に所属している者がいる。
その中の数人ではあるが協力しても言いと言ってくれたものもいる。
問題は、上司の許可が降りるかどうかと言うことであるのだが、そこは、実質的に王都の兵権を握っている父の許可さえ出れば問題ないと思ったのだが。
王国騎士団第1部隊とは、国王が部隊長を兼任しているため、副隊長である父がトップと言ってよいだろう。
また、第1部隊が王都の守護が任務であり、王都にいる衛兵隊の指揮権を有している。
従士隊は、定数の決まっている騎士団の予備部隊であるとも言える。
士官教育も徹底的に仕込まれるので、他の戦士団に引き抜かれたり、貴族領の兵士を指揮する為に子弟が放り込まれたりしている。
その為、騎士団第1部隊副隊長の地位の影響力は高い。
「彼らは、衛兵隊や従士隊に所属している、所属をそのままに私戦に出す訳にはいかんのがわからんのか?」
「なら、彼らに休暇を与えてくれ、そうしたら、所属を気にしなくてもよいだろう?」
「戦闘準備中に休暇?バカはねてからゆわんか!どうしても行くと言うなら辞表を出させろ。」
ク、辞表なんか出したら職場復帰が絶望的だろうが。
彼らにも今後の生活があるから無理強いは出来ない。
他の手段で人を集めるしかないのか。
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