139、メインダンジョンの現状 2
第4層は、第3層と同じく5つの階層を通路で十字に連結した階層だ。
中央部は、直径5メートル深さ5メートルの穴が沢山空いている。
底には転移陣が仕込んであり、1日一回穴の中身を転移させている。
4つの部屋の内、1つ目は、各掘削場所から転移してくる土砂の受け入れ場所になっている。
鉱石類は2層にいっているので単なる残土だ。
それを細かく砕いている。
2つ目と3つ目は、腐葉土を量産する部屋だ。
各所から集まった、木片や雑草、貝殻、家畜モンスターの糞、不要なモンスターのドロップのいち等を材料にしている。
生産自体時間がかかるものであるので2つの部屋で行っている。
最後の4つ目は、モンスターの繁殖場だ。
ここでは、捕縛した野生モンスターや他のダンジョンマスターから購入したモンスターの繁殖を行っている。
ビオトーブに直接放つと全滅する恐れがあるのである程度の数を増やすのが目的だ。
ここで出た敷き藁や糞食べ残し等のごみは隣の部屋に運ばれて肥料の材料となる。
こうしてできた土砂や肥料は、中央部の部屋の穴に入れられて転移することになる。
第5層は農場階層だ。
今のところ30キロ四方の農地が完成している。
この農地を4分割して様々な物を栽培している。
まず一つ目は、水田にして米を育てている。
おれ自身が米を食いたいし、日本酒ものみたいと言う希望もあるが、ダンジョンマスター達に高く売れると言う理由も大きい。
後は香辛料や蕎麦、大豆等だな。
この辺はダンジョンマネーでは買うことが出来ない。
逆に味は落ちるが小麦や大麦といった西洋の主食のような物は買うことが出来るので一部品質向上用の物を小量作っているだけだ。
二つ目は、薬草系統と野菜等を生産し、3つ目は果樹園としている。
森林エリアでも果物は収穫できるが種類が限られている。
これも他のダンジョンマスターと交渉して手に入れた物や山から採取してきた物になる。
また、太根の採取や苗木の生産をしているのもこのエリアだ。
残り1/4は放牧地として管理出来る範囲の食用モンスターを飼育している。
主に、アーマーボア、ミニカウ、ボックスシープ、ビックコッコ等だ。
それに村を襲った時に回収した牛、山羊、羊、馬、豚、鶏等も追加している。
基本的に馬は別として他のものは食用として育てる予定だ。
特に牛は、農作業等をさせず旨い肉に仕立て上げたいものだな。
目指せ、霜降り肉だ。
もっとも、肉質は本来の性質なのでどうしようもないがな。
とにかく旨い肉を食いたいのだ。
最後に中央部に転移陣いくつか設置してあり、生産物の移動や肥料の運び込み等が行えるようになっている。
第6階層は、先にある通りのビオトーブ階層だ。
そこに森林階層が1つ、草原階層が2つ、砂漠階層が1つ、湿地階層が1つ、雪原階層が1つ側面に接続している。
様々なモンスターが繁殖出来るように色々な階層を作ってある。
第7~第12層は、農地階層とビオトーブ階層の準備階層となっている。
各階層の天井には転移陣が9つづつあり、第4階層の中央部の穴の中の転移陣と繋がっており、定期的に土砂の雨を降らしている。
ビオトーブ用は、土砂に肥料を5パーセント程混ぜた土に多少の植物の種を混ぜた物を落とすだけだ。
落下地点には山が出来るだろうが、地形は気にしないので予定量の土が入れば問題ないだろう。
植物の種を混ぜているのでその内草原の様になるはずだ。
準備が出来ればビオトーブ階層に接続しておけば適当なモンスターが繁殖するだろう。
農林階層用はもう少し手間がかかる。
まず大きめの石を落として、ゴーレムにより平らにして、次に肥料を落としてまたゴーレムに平らにさせる。
一メートルの高さを基準に5層で完成だ。
完成すれば、農地階層に直結して、完成となる。
6~12階層は、完成すれば農地階層、ビオトーブ階層に接続して、また新たな階層を設けるのを繰り返して二つの階層を広げていく予定だ。