133、クラップ商会強化
ネスside
思った以上にヒットリー騎士爵の人気が上がっているようだ。
転移ボックスを献上した功績で今は男爵だっか。
褒美に領地換えの話もあったようだが辞退したのも人気が出る要因だろう。
変わりに開拓許可を得たようだが。
この国にはまだまだ手付かずな場所が多くある。
東部の森林地帯はもちろんの事、上から見れば傘のように道があるのがわかる。
その最果てである森林地帯の開拓を命じられたアーサガっていったいどうなんだ?
クラップ商会には、戦闘に参加したものに出した報奨と村の再建、開拓に必要な資金以外の大半を預かることとなった。
また、再建、開拓に必要物資調達も任されているので、一時的に報奨金を貰うより大きな利益を得ることができる。
ちなみに、一部例外はあるが、爵位によって開拓できる範囲が決まっている。
最初に与えられた村や町を起点に騎士爵は半日、準男爵は1日、男爵は2日、子爵は3日、それ以上のもの5日以内と決まっている。
もっとも村を作るときは徒歩で付近の村から半日程はなれる決まりになっている。
他者の領地を奪わないようにするためだ。
クラップには、できるだけ便宜を計るようにいってある。
ヒットリー男爵が頑張って領地を広げてくれるなら、道や井戸の設置が必要になり、その技術をもっているのはクラップ商会だ。
特に街道整備しながらラインの形成ができるのは有り難い。
魔縄を敷設していても疑われないからな。
他にも、ダンジョン産のマジックアイテム各地に疑われず売ることができる。
王国全土にちょっとずついろんな場所で売れば、個数を誤魔化せるだろう。
アーサガの領地のダンジョンから出るマジックアイテムもあるから、いい稼ぎになってくれる。
ダンジョンから出てくるアイテムは、魔水晶使用型ばかりであり、その補充能力をもっているのはクラップ商会のみと言うことになっているからな。
補充作業でも稼げる。
実際は、ダンジョン内で魔石から補充しているのだがな。
しかも、補充後残った魔素石は、ダンジョンコアの欠片を作る為の材料になる。
まさにウハウハな商売だ。
また、各都市のダンジョンエリア化が進み、転移ゲートが設置できるようになったので、クラップ商会の店舗を多数進出させられるようになった。
中央の王都を抜かして経済を動かせそうだ。
当然第二王子派の貴族領もだ。
基本この世界の物資輸送手段は馬車か人力だ。
そんなに早く大量にものが運べるものではない。
そこへ転移陣による輸送手段が加わればどうなるか?
例えば、一定エリアの食糧を一斉に運び出せば馬車等での輸送では追い付かなくなる。
物価が上がり食糧不足に追い込む事ができる。
もしくは、輸送コストが大幅に減るので儲けが増える。
加減が難しいがある程度物価の操作ができるようになる。
全輸送を転移陣で行わなくても1~2割の輸送が出来れば、既存のギルドを破壊するには十分か。
まあ、そこまでする必要はないが、急速にクラップ商会を拡大することができるだろう。
人員が足りればの話だが。
最近、各種奴隷の価格が高騰ぎみだ。
うちの陣営が大量に買っているせいなのだが。
一部は、ブレインイーターを取り付かせているしな。
現状では、クラップ商会の幹部は全員だな。
元奴隷だったものも結構いるが、重犯罪奴隷でなければ問題ない。
最近は、ダンジョン内で捕まえた冒険者にもブレインイーターを寄生させ、重犯罪者奴隷を購入させている。
ダンジョン内で殺せばポイントが多く得ることができるからな。
今の所、ラインのみで繋がっている所が多いので1日1回500キロ分しか送ることができないが、それでも馬車一台分以上になるし、割れ物も破損のリスクが少ない。
どんどんエリアを広げて転移陣を強化していきたいものだ。