132、収支 3
ヒットリー騎士爵side
「もう一つチェックするのを忘れてないましたな。」
まだあるのか?そろそろ金銭感覚がおかしくなりそうなのだが?
「例のものを頼む。マルタ。」
「こちらに用意しておいてあります。」
あれは、カップだろうか?それをどうするんだ?
マジックバックに入れるのか?
「それはなんです?」
「これは、お湯の入ったカップですよ。しばらく入れて置いて温度変化を見ます。5時間程入れておけば結果がわかるでしょう。」
そう言えば聞いたことがあるな、マジックバックには時間停止や時間減速の効果を持つものもあるからな。
「ちなみにどのぐらい増えるのだ?」
「オークションにかければ時間減速で5~10倍と言ったところですかな?時間停止は100倍はいくと思いますがいかほどになるかわかりませんな。」
もう、わからん。
「さて、最後のボックスですが、これは対になっております。」
「対とは?」
「う~ん、口で言うよりも実際に使ってみるのが一番なのですが、魔水晶を2つ使用することになりますが試されますか?」
魔水晶を2つ使うのか、まあ、問題ないな。
手に入れたものもかなりあるし………、金銭感覚おかしくなっているな。
たいした出費では無いような気がする。
「これを使ってくれ。」
「ダンジョン産の魔水晶ですな、いい純度です。ではここにセットして空いたところには空の魔水晶を入れておきましょう。」
クラップが魔水晶を入れるために開けた所は、魔水晶が5つ入るような窪みがある、そこに私が渡した魔水晶ともっていた使いきって魔力の無くなった空の魔水晶をセットした。
「なぜ、空の魔水晶をセットするのだ?」
「こう言った、多数の魔水晶をセットできるタイプはこうして一応魔水晶を入れておかないと起動しないものがあるのですよ。本来は、複数入れることによって魔力切れを防ぐと言う意味あるのですが。」
「そうなのか、止めて悪かった、続けてくれ。」
「では、続きを。次に片方のボックスに………。そうですね、騎士爵様、腰の短剣をお貸し願えますか。」
クラップは、私の腰の短剣をみながらそう言った。
「これか?」
「ええ、騎士爵様が身につけていたものですのですり替えていない証拠になると思いますので。では始めます。」
そう言ってクラップは短剣を赤い箱の中に入れて横についている出っ張りを押した。
どうなった?
「騎士爵様、申し訳ないですが、そちらの青い箱を開けてもらえますか?」
「わかった、あければよいのだな?」
私が青い箱を開けると中には見覚えのある短剣があった。
持ち上げて確認するとさっきクラップに渡した私の短剣だ。
「貴方からお借りしたものに間違いありませんか?」
「ああ、私の短剣だ。」
「このボックスは転移ボックスです。先程もうしましたが赤い箱と青い箱は、対であり中身を移動させることができるようです。」
「これは、すごいな!」
「しかし、これをご覧ください。」
そう言ってクラップは先程赤いボックスにセットした魔水晶を取り出した。
魔力のある魔水晶は中には黒い靄があるのだがそれが殆ど見えない。
青いボックスの方も取り出したがこちらも靄が消えている。
「御覧の通り魔水晶の魔力が消費されています。一度起動させるのに金貨が消えていくわけです。よっぽどうまく使わないと逆に赤字を垂れ流す事になります。」
「私ではうまく使えそうにないな。クラップ殿買い取ってくれるか?」
「申し訳ないですが買い取りは出来かねます。買い取りになると安く見積もっても金貨20,000枚は致します、そこまでの資金の用意ができませんので。」
「う~ん、どうすればよいかな?」
「私の私見ではありますが、国王に献上されるのがよろしいかと思います。騎士団の派遣の礼と言うことにしておきましょう。」
「しかし、金貨20,000枚を………、う~ん。」
「献上にたいして報奨が出るでしょうから損はしませんよ、ああ、マジックバックの一つはソバージュ子爵にお渡し致しましょう、子爵が兵を出してくれなければ、持ちもしなかったのですから。」
「損して得とれと言うしな、そうしよう。保存できる食糧も騎士団にもっていってもらおう。冒険者たちにも多少報奨を出した方がよいか。どの程度出せるか検討したい、相談にのってくれるか?」
「わかりました。」
夜遅くまでクラップや各部隊長と報奨や今後の事について話し合いを続けた為、翌日、嫁の機嫌が凄く悪かった事はナイショにしておかなくてはな
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