131、収支 2
クラップside8
場所をヒットリー騎士爵の家に移動した
ヒットリー騎士爵がマジックバックから、様々なアイテムを取り出した。
マジックアイテムの鑑定は、さほど得意なほうでは無いのですが、内容をネス様から聞いているので問題ありません。
「まず、こちらのものは、魔道式コンロですかな、ここをご覧ください、魔晶石を入れるところがございますでしょう。ここに魔晶石を入れて横のレバーで火力を調整するのです。」
「ほう、これは便利だ。でいくらになる?」
「そうですな、金貨5枚といったところでしょうか。」
「その金額でよい、他のものは?」
「こちらの棒状のものは、細い方が着火装置、太い方がライトです。
これ等も後ろが開く様になっており、魔晶石を入れて使うようです。
一つ金貨一枚といったい所とでしょう。
宝石類は、まとめて金貨40枚です。
きちんとした宝石商に持ち込めば交渉次第ですが、金貨80枚程になると思われますのでご検討ください。」
「その値段の差はどう言うことだ?」
思わずといった感じで騎士爵がたずねて来ました。
まあ、倍も違えば不信がられるのもわかりますが。
ぼったくりと思われても困りますので、説明しておきましょう。
「簡単に言えば、私の商会で宝石は扱っていないのです、買い取ってもそこから宝石商にまた売りしなくてはいけなくなります、また、販売時に商税がかかります、それがこの値段の差になると言うわけです。」
「すまなかった、査定を続けてくれ。」
納得したような、納得のいかないような顔をされていますが次にいきましょう。
「魔晶石は、半金貨(銀貨10枚)ですね。次は水筒ですね、蓋に魔晶石を取り付ける部分があります。魔晶石をつけた状態で蓋をすると中に水が満たされるようです。」
「ほう、それは使えるな。冒険者達が欲しがるだろう。」
魔晶石の大きさや出る量から考えれば、大体20回分位でしょう。
様は、一回銀貨二枚分だと言うことになるのでずいぶん高いコストになるのですが。
確かに上級冒険者為らばためらわず買うでしょう。
「これは、金貨5枚と言うところでしょう。後は、金の延べ板ですか、純金といっていい純度ですね、重さから考えて全部で金貨120枚です。ただ、これだけは覚えておいてください、これまで言った金額は、あくまでも宝石と同様に買い取り金額であることをご了承ください。」
こう言ったことは念入りにいっておかないと詐欺扱いされてしまうからな。
「そう念を押さんでもわかっている。で、こっちのマジックバックと箱はどうなのだ?」
「マジックバックは、ちょっと実験をしなくては行けません。場所を移動してもよいですかな?」
「どこに行くのだ?」
「ちょっと必要なものがあるのですよ。マルタ、例のものを用意しておいてくれ。」
「はい、わかりました。」
部下にそう言って外に皆を促した。
sideout
ヒットリー騎士爵side
さて、行きなり井戸の所とまでつれてこられたが、いったい何が始まるのか楽しみだ。
「実験を始める前に少し説明を、マジックバックには3つ種類がございます。一つは空間、一つは重量、最後は個数です。複合したものもありますので一概には言えませんが。」
よくわからんな。
「もう少し詳しく頼む。」
「わかりました。まず空間ですが、大きな箱をイメージしてください。そこに入るだけ入れることができるのが空間と呼ばれるものです。」
「次に重量ですが、これはそのまま入れることのできる重さのことです。」
「最後の個数は、針のような小さなものでも、岩のような大きな物でも一つと捕らえ、入れれる数が決まっているものを指します。」
「まあ、中には1メートル四方以内、100キロ以下、5個と言った複合条件のものもありますが。」
「わかった、ありがとう。」
「では、実験を始めます。」
クラップは水が入った水袋を次々にマジックバックに入れ始めた。
50個程入れるともう入らないようだ。
入らないのを確認したら、今度は水袋を取り出し始め、全部で出し終えると今度は、金属の板や剣を入れ始めた。
いったい何がしたいのだろう?
30本程入れるとまた、入らなくなったようだ。
今度は入れた数本剣を取り出し、小さな石を入れ始めた。
「大体わかりました。このマジックバックは、100キロまで入るようです。値段にすれば金貨100枚と言ったところですかな?」
え~と合計いくらになったんだ?
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