125、襲い来るGの群れ 9
王国騎士団第3部隊隊長 サムスンside
モンスターを追い払い、部隊をまとめて村に撤収した。
ここまで強行軍だったからな、一度、休息を挟まないと体がもたない。
兵たちは、取り敢えず村の広場に夜営の準備をさせて、ヒットリー騎士爵の元に向かうことにした。
「サムスン殿ですな、この度はよく来てくださった。私はこの村を預かるジョゼフ.ヒットリーと申します。」
騎士爵の屋敷の前でヒットリー騎士爵が出迎えてくれた。
来るまでずっと待っていたのだろうか?
「歩兵を率いていられたジン.スール殿は中におられます、どうぞ、お入りください。」
「これは、いたみ入ります。私は騎士団第3部隊隊長サムスンです。よろしくお願いします。」
「ささ、ここではなんですので、中にお入りください。今後の打ち合わせもしたいので。」
「わかりました、失礼いたします。」
屋敷の一室に通された、そこには長机が置かれており、数人の男たちがいた。
正面とその右側のの席が空いているな。
ヒットリー騎士爵が私にその右側の席に座るように言った。
この中でわかるのは、私の右側の2人だけか。
一人は、歩兵隊を任せているジン.スールだな。
もう一人は、ヒットリー騎士爵夫人が集めた部隊の隊長でクードリンだったな。
「よく来てくださった、改めて礼を言わせてもらう。モンスターを撃退してすぐで申し訳ないが、情報の共有化と今後の作戦について話し合いを持ちたいと思う。まずは、順に名乗っていこう。」
ヒットリー騎士爵がそう言うと左に座っていた男達を目で促した。
「では、私はダーリと申します、ソバージュ子爵より派遣された衛兵隊を率いております。」
「わたしは、グレイと言います。ソバージュ子爵に雇われた冒険者を率いております。」
「ワシは、ラレイという。クラップ商会が募金を集めて作った部隊を預かっておる。」
そう順に名乗った。
「各隊は30人前後を率いてくれている。私の部隊も入れて110人と言うことになるな。」
最後にヒットリー騎士爵がそう締めた。
私が率いてきた部隊が150と冒険者部隊が40いるから総戦力が300になる。
襲ってきたビックコックローチの群れならば問題なく撃退して、追撃が可能な兵力だな。
sideout
ヒットリー騎士爵side
思った以上の戦力が集まった。
これでビックコックローチの群れを完全に潰すことができるな。
「では、戦力の確認ができたので今後の方針を考えたいと思う、最終目標はビックコックローチの殲滅もしくは産み出していると思われるダンジョンの攻略だ。」
「ダンジョンの存在は確認されているのか?」
「いや、確認されてはいない、しかし、ほぼ毎日500近い増援を産み出すようなものは他に知らない。知っているか?サムスン隊長。」
「そうだな?誰かが召喚実験を失敗して暴走しているとか?」
「その可能性もあるか。どのみち発生源を特定しなくては、ずっと襲撃は続く、なんとか止める必要がある。」
「それもそうだな。」
「取り敢えず、部隊を3つに分けようと思う。まず、この村の防衛隊、補給部隊、戦闘部隊だな。」
「私は、戦闘部隊にお願いします。」
「こっちの部隊も前線に頼みます。ここまで戦って来たんだのけ者はなしに頼みます。」
ダーリとグレイが真っ先に名乗り出た。
彼らは、一番に救援部隊として来てくれたもの達だ。
ありがたい。
「出遅れましたか、では、私は補給部隊を任してもらいましょう。本業ですのでお任せください。」
ラレイが、補給部隊に立候補してくれた。
「では、歩兵部隊の一部を村の防衛に回しましょう。30あれば問題ないでしょう。いいですね、隊長?」
「問題ない。ああ、クードリンは、騎士爵の補佐に回ってくれるか?」
「ええ、私はあくまで臨時指揮官ですから、騎士爵に従います。」
「皆、よろしく頼む。」