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117、襲い来るGの群れ 1

王国騎士団、第3部隊隊長side


南西にあるヒットリー騎士爵の治める村から救援要請がきた。

何でもビックコックローチが大量に発生したらしい。


ビックコックローチは、Gランクの最下級のモンスターだ。

普通の農民とかでも3~5体位相手取ってもなんとか勝てる位の強さしか持たない弱いモンスターだ。


こんなモンスターが多少多く現れても国に対して救援要請を出すものではない。

普通は冒険者ギルド辺りに依頼して討伐されるのが常であり、それでもダメな場合は、領主が兵を率いる。

自領だから当然のことだ。


基本的に貴族は自領に国軍が入るのを嫌う。

独立心が強いからな。


それに、国軍を要請すると、統治能力の欠如が疑われ領地没収される可能性も出てくる。

それでも国軍に依頼して来るとはいったい何があったんだろうか?


おっと、考えていても仕方ない、部隊の出撃命令が出ている。

準備を急がせよう。


「部隊長、大変です!兵糧がありません!!」


部下がそう報告してきた。


「そんな事はないだろう?」


「先日、第2王子の命で市場に放出したらしいです。」


「どのぐらい残っている?」


「うちの部隊のみであれば半月分は確保で来ます。」


半月分しかないのか?

それでは、被災した住人達に食糧支援もできないな。


「部隊の予備資金で食糧を買い集めさせろ。大至急だ。」


「せっかく落ち着いた物価がまた高騰しますがよろしいでしょうか?」


「それは、仕方がないだろう、文官の仕事だ気にするな、それよりも軍事を優先する‼救援要請が来ていることを鑑みれば、一刻の猶予もない、まず、ある分を持って我が部隊が先行する、後続にかき集めた物資を運ばせる。」


「了解いたしました。」


これで俺の出世の道はたたれただろうな、仕方ない、それよりも民衆を助ける方が先だ。

間に合うだろうか?



sideout




南西の町の領主side


先日の事だ。

近くの村の領主、ヒットリー騎士爵から救援要請を知らせる伝令が、やって来た。

何でも300を越えるビックコックローチの大群に村が襲われているとのことだ。

ヒットリー騎士爵には妻の従姉妹が嫁いでいる。

見棄てることもできんな。


それに進行方向から見て次に襲われる可能性があるのはこの町であるし、周辺の村や農地も被害が出るだろう。


多くの難民が出た場合この町のキャパを越えるかもしれない。

最近食糧も高騰ぎみであるし、あまり難民を受け入れたくないと言うのもある。


打って出れば領地の外で戦え、領地が荒れることはない。

その方がましだな。

問題はどの程度兵を出すかだな。


手持ちの常備兵力は80、防衛を考えて半分は残したい。

ビックコックローチの戦闘力は、さほど強いモンスターではない。

農民であっての成人男性であれば4~5匹相手にできる。

訓練を積んだ兵士であれば10匹相手にしても勝てる位の強さだ。


報告にあった数はおよそ300とのことだが、未発見のものもいると考えると500位を想定しておく方がよいだろう。


兵の半数であれば40だが、もう少し戦力がほしいところだ。

冒険者ギルドに依頼を出すか?


相手はビックコックローチだ、下級の冒険者でも十分戦力になる。

残存して繁殖されたら厄介なので質よりも量をとることにしよう。

上位冒険者を雇えば1チームしか雇えないが、下級なら100人位は余裕で雇える。


物資の量が多目に用意した方がよいか。

焼き出されたものもいるだろうし、炊き出しの準備も必要になるか。

ただでさえ、財政が厳しいのだがそうも言っていられない。


ただ、何か嫌な予感がする。

ただの大量発生なのだろうか?


発生先は森のようだが、あの森にビックコックローチは生息していた記録はないのだが?

いったいどこから現れたんだろうか?



sideout






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