115、時がすぎ
やっとこの国をラインで縦断することが出来た。
森の端から始めて約5年長かったような短かったような。
まあ、エリア化出来たのは今のところこの国全域の5%にも届かないが。
それでも主要な都市にラインは繋がった。
都市全域をエリア化出来たわけではなく、端っこにダンジョンエリアがかかっているだけだが。
王都や大貴族の都市には大抵水堀があるので助かった。
西部の国境に近い所は、古い都市が多い。
国が独立した時の名残だろうが高い城壁と水堀に囲われ防御能力が高く作られている。
そういった所は、ラインの敷設がしやすかった。
水堀にコアの粉末を混ぜた魔鎖を夜間に沈めておけばよいのだからな。
後は、ダンジョンコアの欠片を水堀に放り込めば拡張も楽になる。
はじめの頃は金属にあくせくしていたが、鉱脈やスケルトン、リビングアーマー等からドロップするものを再利用できるので鉄や青銅等は余裕が出てきている。
さすがにラインすべてを魔鎖にできる量はないので魔縄の方が多く使っているのだが。
森や草原に鎖が引かれているのは変だしな。
魔縄でも変には違いないがまだましだろう。
エリアが広がったので新たなダンジョンも作った。
国境は山岳地帯だが、丁度真ん中の辺りが切れて通行出来るようになっている。
双方がその切れ目を挟んで砦を築いてにらみ会っている。
現状では、戦争をしているわけではないので、関所としての役割がメインではあるようだが。
この国境線上の山岳地帯に左右二つの拡張がた減りをダンジョンを設置した。
両方ともハイワイバーンをダンジョンマスターにしている。
左側をサテン、右側をウテンと名付けたネームドモンスターだ。
二人とも元々はワイバーンだったが、ネームドとダンジョンマスター化したのでハイワイバーンに進化している。
また、人化スキルも拾得しており、たまにメインダンジョン来ることもある。
基本的にこの二人の配下モンスターは、非行型モンスターが多いのでできるだけ国境の向こう側で活動するようにいってある。
そちらの方が距離的に遠いからな。
麓の一番近い村から登ってダンジョンのあるところまで最短で1週間位はかかる。
ある程度の安全は確保できるだろう。
また、メインダンジョンのそばに通常型ダンジョンを2つ作った。
ノーマルダンジョンであり、完全統率している。
用はポイントと経験値稼ぎ用ダンジョンだな。
取得ポイントの半分をメインダンジョンに献上するように設定してある。
メインダンジョン周辺に作ったダンジョン群は防衛施設であり、モンスター達の訓練施設であり、食材や資財の確保場所でもある。
下位ダンジョンの産み出すポイントはメインダンジョンの階層を強化にあて、メインダンジョンダンジョンが産み出すポイントは、エリアの拡張にあてるように設定してある。
すでに放置しても自然とダンジョンが拡張していく。
主に拡張しているのは、農業階層とビオトーブ階層だ。
特にビオトーブ階層は、予定していた草食系のモンスターの数とエリア範囲が整った。
そろそろ肉食系のモンスターを放っても問題ないだろう。
これによりポイントの増加も見込めるだろうし、モンスター達の成長も放置しても進むことになる。
どんな成長をするかはコントロールできないがな。
そして、もうひとつタイプの違うダンジョンの準備が整った。
12個目、13個目のダンジョンだ。
街道や村から離れた森に作ったもので、一層のみでただ、なにもない空間だけのダンジョンだ。
その床にビックコックローチのSタイプの召還陣を無数に作ってある。
その数240、毎日このダンジョンは、ビックコックローチを240体産み出す。
同じものを少し離れた所にもう1つ作っている。
命令は単純なものしか出来ないのでダンジョンから森を3日かけて進みその後王都方角に進むように命じてある。
こう命じておけばある程度分散して進むことになるだろう。
発見が遅れてくれればめっけものだ。
後は、ダンジョンが潰されるまでこの国にどのくらいダメージを与えられるかがテーマだな。
特に農産物にどのくらいダメージを与えられるかがカギになるだろう。
対ゴブリン戦は別で書くつもりですのでお待ちください