112、調整中2
ネスside
人材か、それはどうにもならんな。
少し考えを変えてみるか。
モンスター達で代役のできるものはあるかな?
パペット達なら計算や文書の清書、書類の整理等を手伝わせてみるのもよいか。
「取り敢えず、人材に関してよい方法が思い浮かばないな、パペットを何体か預けるので事務作業に使うというのはどうだ?もちろん、公に使う訳にはいかないが作業の効率化は計れると思うのだが?」
「そうですな、表には出せませんが書類の整理の補佐役にはなりますな。」
「それでしたらインミーズの方にも派遣していただきたいですね。あそこは外部交渉役を数人配置しておけば問題ないと思います。獣人と元々いた者しかおりませんので。」
「アーサガ様それでしたら何人か私の方に回していただけませんか?」
「それは、ちょっと、出来ませんね。トンネルベースやラインゲートの人員確保する為ですし、それでもこちらも人手不足なのですよ。」
「そうでしょうがこちらも………。」
「いやいや、そういわれても………。」
「その話は後にせよ!」
ちょっと強引だが、アーサガとクラップの話し合いに話って入り次の議題に進めよう。
「「は、申し訳ありません。」」
「では、次の議題にしようか、クラップ、まだあるかな?」
「はい、周囲の領主よりドワーフをどうにかしてくれと訴えて来ております。」
「ドワーフ?何があった?」
「インミーズにて作られている蒸留酒がドワーフに人気があることは、すでに報告させて頂いておりますが、ワンセンターに搬入される時期にドワーフが各地より集まって参ります。」
そんなに集まるのか?ドワーフの酒に対する思いは、思ったよりも強いのかもしれないな。
「そんなに集まるのか?」
「はい、近隣のドワーフが全員集合していると言われても問題ないと思います。」
「それで問題は?」
「ドワーフ達は、鍛冶や木工等の生産を主な仕事としておりますが、移動日数も含めて遠い場所に住むものは10日以上不在になります。生産の中心にいるドワーフ達が2ヶ月に一度一斉に10日も町を空けられると不都合が多く出て参ります。」
「しかし、他所の土地へ持っていったとしても結局同じことになるな。生産量は増やすのは難しいのだったな、アーサガ?」
「はい、現状ではこれ以上の増産は無理とお考えください。もっとも、ダンジョンから持って来るということも考慮できますが。」
ダンジョンから持って来る?
それは使えるな。
ダンジョンの生産量にはまだ余裕がある。
酒の材料は、一部のものがダンジョンマネーで買えるしな。
後は小形の樽をモンスタードロップにすればよい。
備蓄しているものも出せるかな?
酒にはそこまで詳しくないし、ただ、寝かせておけばよいぐらいしか考えていないから備蓄しているものの味までは保証しないがな。
それでも、ドワーフ達は満足すると思うし、プレミアム感があるだろう。
今のところさほど高価なアイテムは、ドロップしていないからな、ボチボチ侵入してくる冒険者が減る可能性もある。
「アーサガ、よい考えだ。しかし、直接販売するのはどうかと思う。そこでダンジョンのドロップアイテムにしてはどうだろうか?」
「それは、よいと思われます。20リットルぐらいの樽がよいかと。
それならば大半を自分で消費するか、トンネルベースで売るでしょう。一定量確保できたらワンセンターで販売することにしては?」
「それはよいかと、であれば、今作っている蒸留酒を各地に分散させましょう。ワンセンターでは、ダンジョン産の酒を販売すればよいでしょう。」
「ドワーフ達は分散するか?ワンセンターには集まらないか?」
「ネス様、大丈夫だと思われます。値段を高めにしておけば、一度に来る数を減らせるでしょう。」
「では、そのように、他には?」
「以上です。」
「では、解散とする。」