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104、対ゴブリン 7

マリーside


出ていったジェルドを捜索するために動ける部隊をすべて動員した。

予測されるポイントは敵の本陣だ。


「マリー、この先でコボルド達を見つけたらしいわ、追われているようだけどどうします?」


「もちろん、助けますよ、ビイン様、コボルドの残数と敵の数は?」


「およそ、コボルドが90、追ってが150ってところね。」


「随分やられていますね、ジェルドはいますか?」


「確認はとれていないけど、いないようね。」


「左右に別れて待ち伏せしましょう。一撃を与えて撤退します。」


「それがよいかも知れないわ、では、私は右側に潜むわね。」


「お願いします。」




マリーsideout



コボルドストーカーside


「みな、急ぐゴブ!!コボルドどもを殲滅するゴブ!」


何度か遅滞戦術を仕掛けて、足止めを計っているが、思ったほどの効果が出ない。


ジェルド様が重歩兵たちと共にしんがりをつとめてまで、皆を逃がしたと言うのに、このままでは残存部隊が追い付かれてしまう。


もう一度、仕掛けるしかないか。

部隊の消耗も激しいからな、動けるものが俺を入れても6人しかいない。

これが最後の攻撃になるだろうな。


キャットピープル達と比べられて日陰ものだった我らに日を当ててくれたのはジェルド様だ。

そのジェルド様が命を張って助けたもの達を見捨てる訳にはいかない。

私たちの命に代えても!


「もう一度、仕掛ける、今回は命あるかぎり足止めを計る、今回は離脱を認める。」


「リーダー、今さらそれはないですぜ。」

「ジェルド様の遺訓に従います。」

「な~に、死ぬとは限りませんよ。」

「生き残ったら酒でも奢って下さい。」


こいつらは、俺にはもったいない部下だ、最後に一花咲かせるとしようか!!


「待ちなさい!流行ることはありません。」


しまった、接近に気づかなかった。

蜂型昆虫人の人物が声をかけてきた。


「………。ビイン様でいらっしゃいますか?」


「偵察部隊の長とあろうものが、意識散漫ですよ。あなた達は下がりなさい、そんな体では足手まといになります。………それと、今までよくやりましたね、後は任せなさい。」


「わかりました、後はよろしくお願いし………。」


ビイン様の言葉で張りつめていた気が緩んで、俺は気を失った。



コボルドストーカーsideout






ビインside


思ったよりもジェルドは慕われていたようですね。

少し、感動してしまいました。


彼らの意思を引き継ぎましょう。


コボルド達の逃走経路は予測通りのルートですね。

まあ、ある程度の集団が移動するルートは限られていますから、追撃をするゴブリン達も分かりやすいでしょう。


コボルドストーカー部下からざっと聞いた話では、ゴブリンナイト級が指揮をとっているようですね。

多少進化したところでお頭の方は今一のようです。


所詮はゴブリンですね。

伏兵の可能性を考えていないようです。


さて、頃合いです、仕掛けるとしましょう。


ビインsideout






ネスside


マリーとビインの両名から今回の顛末の報告書が送られて来た。


うまく敗走したコボルド達を救出したようだが、大分損害出ているようだな。


ジェルドの戦死を始め、重歩兵隊、ウルフライダー、ウルフ隊は壊滅、その他も大きなダメージを受けている。

生き残り総数が87体と約6割が失われた。


ゴブリンと侮った俺のミスでもあるな。

もう少し偵察しっかりしておけばと悔やまれる。


しかも、ネームドモンスターの始めての戦死だ。

これは精神的に来るものがあるな。


今後、どう対応していくかが問題になるな。

一度、皆の意見を聞く必要が有りそうだ。





ネスsideout









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