閑話、巌鉄のゴーレム研究3
巌鉄side
大体情報が出揃ったようじゃな。
基本な情報だけじゃがの、後は、どう改造していくかじゃがここからおもしろくなってくるわい。
何?ネスが来ているじゃと?
思った以上に早かったの。
あやつは色々手を出しておるんじゃから後半年位は余裕があると思っとんじゃがな。
色々、実験材料が欲しかったからちょうどよいかの。
あやつに言えばある程度の物は、集めてくれるじゃろう。
sideend
巌鉄のダンジョン街の店にやって来たのだが、なかなか出てこないな。
先にアポイントをとってはおくべきだったな。
「おお、すまんの、またせたかのう?」
「そうでもない、行きなり来て悪かったな。」
「大丈夫じゃて、気にするな、で、来た理由はあれかの?」
「ああ、ゴーレムの進捗状況を確認しに来たんだ。どんな具合だ?」
「まあ、これを見てくれ。」
巌鉄が資料を渡してきた。
「読ませてもらおうか。」
フム、基本動作のチェックに形状の差違、材質の問題、内骨格と外骨格、装甲についてか。
基本動作や材質は俺のダンジョンでも初期に試したものとさほど代わりはないな。
形状についてもボディに馴染ませる時間がかかるぐらいで作動には問題がなさそうだ。
うちのゴーレムでも運搬用に作った4足も問題なく稼働しているからな。
気になるのは内骨格と外骨格かな?
装甲も気になる。
「内骨格と外骨格について詳しく教えてもらえるか?」
「ウム、まず、内骨格じゃが、はじめは等身大マリオネット作って試して見たんじゃが何とか自立するようにはなったんじゃがな、うまく歩くことができなんだ、そこでスケルトンの骨格を使い関節を補強して見たんんじゃ。まあ、動きには問題なかったんじゃがな。」
「何か問題があったのか?」
「ただでさえ動きの鈍いスケルトンがさらに鈍くなったんじゃよ、使い道がない。しかも等身大の為、軽すぎる。」
「確かに、普通にスケルトンを使った方が手間はかからんか。」
「まあ、そういうことじゃな、だから、ちと粘土で肉付けして見たんじゃがな、そうすると石像タイプより滑らかに動いたんじゃ。やはり、関節をきちんとしてやるとよいようじゃな。」
「外骨格の方はどうなんだ?」
「フルプレートアーマーにゴーレムコアをつけたものじゃな。こっちも問題としては軽すぎることかの。」
「重石をいれたらどうだ?」
「それも考えたんじゃがバランスが悪くなるからの、それに下手に重石をいれたら膝や股関節が抜けてしまうぞい。」
「対策はあるのか?」
「外骨格だけで考えれば、全体的に厚みを増やすことかの。ワイヤーかなにかで腰と繋ぐかじゃな。まあ、それでもリビングメイルより性能は落ちるがの。」
「コストと手間がかかるわりは、使えないか?普通に使った方がいいのか?」
「そうとも言えん、まず、好きな造形にできる。未見ならば石像と区別がつきづらいからの、一種のトラップとして使えるし、通常型でもそれなりの力があるから単純な作業にはむくからの。それに………。」
「それに?」
「それにこいつにはロマンがあるじゃろう。」
「そうだな、ロマンがあるな。」
「使えないといっても今のところの話じゃて、まだまだ、改良の余地は多くあるからの。」
「内骨格と外骨格の融合とか?」
「ウム、それもあるの。」
「他はどんなことを考えている?」
「例えば筋肉とかかの。」
「筋肉?」
「皮やゴムみたいな伸縮性のあるものを関節とかに取り付けるんじゃ、そうすれば動きがよくなるかも知れんからの。ま、今後の研究次第じゃが。」
「わかった、できる限り支援しよう、何かあればマイヤーに伝えてくれ。」
「すまんの、頼りにさせてもらう。」
「気にするな、元はこっちが頼んだことだ。」
巌鉄side
ふう、これでしばらくは物資に困らんわい。
いいパトロンじゃて、次はどう攻めようかの。