紫陽花
はじめまして。結月です。今回初めて投稿させて頂きました。宜しくお願いします。
彼女に出逢ってから、馴染みの店で、友人達と会う回数が、多くなった。
今まで、こんなことはほとんどなかった。
友人達の考えていることはただ一つ。
彼女目当てで、集まっているようなものだ。
そんな俺も、同じなんだけど…
彼女の笑顔に癒される。
自然と落ち着くんだよな。
「この紫陽花、彼がプレゼントしてくれたんです。」
彼女は、幸せそうに花瓶に生けられた紫陽花を見つめながら言う。
「私の好きな花だと言っていたので、嬉しくて。」
その笑顔は、眩しいくらいだった。
無理もない。
6月――
彼女は、晴れて結婚する。
この中のひとりの友人と。
だから…
好きにはなれない…
たとえ、仄かに恋していたとしても…
友人に向けられた少し照れた笑顔の彼女を横目に…
色鮮やかな紫陽花を
ただ、愛しく見つめることしかできないのだった。
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お読み下さりありがとうございました。かなり、ベタな話になってしまいました。今後も宜しくお願いします。
結月千冴