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忘れろ草  作者: 瀬田川 廡輪
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第一章〜告白の練習

宜しく御願い申し上げます!

と言うわけで、自らのの身体を使っての、いわば臨床りんしょうデータ収集の実績はできた。

とはいえ、やはり他人のそれを使っての実験に成功したわけではない。

それでも、万里生まりおは一刻も早く他人の人体、とりわけ大好きな女の子のそれを使っての成果を得たくて仕方がなかった。

そう。自らも参加した形での治験ちけんをせずにはいられなかったのだ。

忘れろ草の薬効やっこうを試したくて試したくて居ても立ってもいられなかったのである。

しかし、それはあくまでも万里生に限った欲望のかなえ方なのであった。

何故なぜなら、普通の人間ならば、仮に偶然(ぐうぜん)にも忘れな草を発見したならば、それには手をつけずに、代わりに 即座に警察に通報しその()を報告し伐採ばっさい撤去てっきょとを願い出るだろうからだ。

そう。忘れろ草の使用はもちろんのこと、採取のみでも違法とされているのであった。

その決まりを万里生は破ってしまおうというのである。自らの欲望を満足させたいがためだけに。

忘れろ草を採取、使用してしまった場合の罪は重かった。殺人罪とまではいかないにしろ、強盗罪に匹敵する重さとなるのが一般的である。

それでも彼はや、ろうというのだった。

実験台の一番手に選ばれたのは、朝倉あさくら みちる、そのひとであった。

満は、万里生とは地元の中学に入学して以来のプラスメイトでありたまたまふたりともに受かった高校のクラスもこれまた同じということもあり、かなり見知った仲であった。

そして、万里生は密かに彼女に対して好意を寄せていたというわけなのである。

とはいえ、何事につけても容姿端麗ようしたんれいで学業成績も優秀な満と比べたら万里生など、ただのクラス底辺でうごめく三流の陰キャに過ぎないのだから相手にされる筈もないのだった。

そこで、万里生は彼女に対する告白を 忘れろ草を使って思い切って心置きなくやってしまうと思い立ったのである。

ありがとうございました。

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