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secret異世界探偵の事件簿  作者: 幸喜圭樹
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転生

 「はぁ……はぁ……クソッ」

 サイレンが鳴り響く、所々赤い光が見えるがこんな物は何の役にも立たない。

 焦りが身体を突き抜ける。走っているのだから、身体は熱い筈なのに心臓から血の気が引く感覚が起きる。

 警報がそれを助長する。辞めてくれ冷静に物事を判断出来なくなる。

 

 大きな広間に出た。先程は細い道を走っていた筈なのにどうなっているんだ。

 後ろから誰かが歩いてくる。

「鬼ごっこはもうお終いかな?」

黒いスーツの男が先程まで走っていた道から姿を表す。

「どうだ?王手を掛けられた人の気持ちは?」

「あまり気分が良いものじゃないな。」

周囲から同じスーツ姿の男が二人出てくる。先程と違う所は彼らはその手に拳銃を握っている。

「半殺し(ハーフライフ)では済ませない。分かっているよな。」

 経理調査の依頼だったのにとんだ不運に見舞われた。

「その鍵は存在を知られても行けないし、まして一般の人間の手に渡って良いものでもない」

 不機嫌そうに男は語る。

「どうするんだよ?ここで俺を殺すのか?」

「すまないな生産性の無い話は好きでは無いんだ。」

 発砲音が鳴り響く。右側の胸に熱が籠る。先程話していた男の手に拳銃が握られている。

 意外と意識がある。なんだこれは……

「やっぱり一発じゃ死なないなぁ、ではオーバーキルしようか」

 3人の男が拳銃を構える。ここまでか…死期を悟ると何も後悔しなくなる。

「また来世」男たちが一斉に発泡する。身体に痛みが走り続ける。

 服や手に持っている鍵が赤く染まり始める。


 瞬間、周囲が光始める。何だこれ。死に際に見る白昼夢って感じか?身体が重い。

 明智誠の意識はここで途切れてしまった。

 

 _____頭が働き始める。といっても、風邪をひいた時の様な目を開けたく無い倦怠感が残っている。

 何か忘れている様な……俺は……。急激に目を開ける。

「あれっ?」見慣れない天井が見える。周りも綺麗な洋室で陽の光が美しく部屋を輝かせている。身体を動かそうとすると激痛が襲う。

「ッ_____」

「目が覚めましたか?」

 声が聞こえる方に視線を向ける。そこにはショートボブのオレンジ髪の少女がいる。

 メイド服を着ていることは分かったが、具体的な姿は見えない。というか身体が動かない。

「おはよう御座います。もう一週間も寝てらっしゃったんですよ?声は聞こえていますか?」

 静かに語りかけてくれる声が胸に沁みる。何故だろうか涙が込み上げてくる。

「あぁ何処か痛みますか!痛い所は何処ですか?」

 返答しようと思って声を出すが声が出ない。

別の方向から声が聞こえる。

「クレア、この人は声が出せないのよ。」

そう言った。方向にはロングの金髪少女が座っている。

「アイリーン様、ではどうやって対応しましょうか」

「意識が戻ったんだから、そのまましておけば時期話し出すわよ」

と自分抜きの会話が続く、メイド服の少女はオロオロしながら悲しい顔で何か出来ることを探している様に自分の顔を覗いてくる。可愛い。

「クレア後は貴方に任せるわ、私は仕事を済ましてくる。」

 クレアと呼ばれていた少女が金髪の少女を見送る。その後食事を作ってくると言い残し、部屋を出て行く。

 こうして俺こと明智誠は異世界転生を果たし。前世と今世の因縁に巻き込まれていく事になる………。


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