1.再婚 そして初顔合わせ?
俺の名前は佐藤蒼汰高校2年生、部活はやっていない。
そして3年前から俺は親父と二人で暮らしている。
実は3年前に母親とは上手くいかなくなり離婚しているので、父親と一蓮托生で3年間頑張ってきたことになる。
ていうのが前までの話だ、今は義妹、そして義母を入れた4人で過ごしている。
え?話についていけないよ〜と思う人が大半だと思うので順を追って説明していく。
2日前、俺はいつも通り1人で家にいて、野球の試合を見ていた。
俺は大がつくほどの野球好きだったので、試合がある日は毎回テレビで観戦したり、球場に足を運んで現地観戦したりしていた。
そんな俺が野球をいつものように観ていると、いつもの雰囲気とは少し違う親父が帰ってきた。
親父はいつも物静かな性格をしていて落ち着いているのだが今日は少しぎこちなさを感じる。
親父は家に帰り手洗いなどを済ませソファーに腰を降ろした。
「蒼汰!驚かないで聞いてほしい」
俺は今日の親父はどこか変だなと思い、訝しげな表情をしていると親父は話の続きをしだした。
「再婚する事にしたんだ」
一瞬何を言っているのか分からず、一人だけ時空がずれたような感覚に陥った。
「え?ちょっと待っくれ!親父、再婚すんの!?」
変な時空の歪みは元に戻ったが、考えるよりも先に口が動いていた。
「あぁ、本当に急で申し訳ないんだが…」
ん?どうも歯切れが悪いなと思った。
確かに再婚すると言うのを息子に伝えるのは勇気のいる事かもしれないが、そこで黙られてもな。
実際、俺としては親父の再婚は賛成だった。
なぜかと言うと、親父は3年前の離婚からどこか元気が無いように感じていたからだ。
なので俺は瞬時に、今回の再婚で良い方向に変わってくれないかなと思った。
しかし歯切れが悪いのは少し気になる、少しずつ嫌な予感が漂っている中、それは的中した。
「明日の夕方からこの家で一緒に暮らす事になった、本当に急ですまない」
親父は申し訳なさそうに頭を下げた。
俺は思考回路が停止していた。
へ?明日?はい?え?
頭が追いつかずそんな単調な言葉しか出てこなかった。
そして徐々に落ち着きを取り戻したつもりだったが俺は叫んでいた。
「急すぎるんじゃーーー!!!」
人生で3本の指に入るくらいの声量で俺は叫んだ。
だって無理もないだろ、明日だぜ?明日急に来るとかコミュニケーション能力皆無の俺にとってはキツすぎるイベントだ。
せめて、一緒に住むまでの間に時間があれば心の準備も出来て何とか乗り越えられたと思う。
だが明日はキツイ、RPGで例えるなら初期装備でボスに挑めとかいうレベルだ。
そんな事を考えていると親父はさらに仰天発言をしてきた。
「実は再婚する人には娘さんがいてな、その娘は高校1年生なんだか仲良くしてほしいんだ」
「ふぁ?」思わずそんな言葉が漏れていた。
え?ただでさえ女性と喋る事が苦手な俺に、明日から一つ屋根の下で一つ年下の女の子がやって来るだと?
俺は灰になって消えたいと思うほど憂鬱な気持ちになった。
「親父!どうしてもっと早くに言ってくれなかったんだよ!」
俺は当然の疑問を親父にぶつけた。
「いや本当にすまん、言おう、今度こそは言おうと思っていたんだけど、先延ばしにしてしまっていた」
親父のその発言を聞いてため息しか出てこなかったが、再婚すると決まった以上どうする事もできなかったので、先のことについて考えて見ることにした。
えーっと、まず家族という事は、毎朝顔を合わせないといけないだろ?そして次に…
あ、これ考えても仕方ないやつだ。
そう思い、俺は寝ることにした。
翌日、俺はとっくに目覚めていたが、身体が中々起き上がらない。
なぜなら今日の夕方に再婚相手とその娘が、我が家にやって来て一緒に暮らすからだ。
心中穏やかじゃないのは至極当然だろうと俺は皆に問いかけたい。
今日会うと考えただけで心拍数は上昇し、変な感覚に襲われるのでもういっその事考えない事にした。
そして迎えた夕方、俺の心臓はこれでもかというくらいバクバクしていた。
だって無理もないだろう、もう時期親父の再婚相手とその娘がやって来るのだから。
俺はどう接していこうかと思考を巡らしていると玄関のチャイムがなった。
雷に打たれたような感覚に襲われ(勿論打たれたことは無いが)生きた心地がしなかった。
親父が玄関に向かうがその足取りも緊張しているのか、ぎこちない。
そして親父が玄関を開けると、そこには透明感のある雰囲気を漂わせていてきれいな年のとり方をした義母と、髪型はボブで目鼻立ちも良く美人と言うより可愛いという言葉が似合っている義妹が玄関の前にたっていた。
正直今まで見て来た女性の中で義妹は一番ではないか?というレベルで可愛い。
いかんいかん兄妹になるんだからそんな事を考えるな、ていうか初手接し方を間違えたら詰みなんだから冷静にいけよ!
そんな事を考えていると義母の方から挨拶があった。
「こんにちは〜これから一緒に過ごさせてもらう美由紀と、こっちは娘の由乃です!よろしくね 蒼汰君!」
「あ、よろしくお願いします」
俺はドキドキしながら挨拶を交わした。
そしてチラッと由乃の方に視線を向けると、由乃は目を見開き顔を赤く染めて俺を見ていた。
一瞬俺の事が好きなのかと思ったが、すぐにその考えがバカバカしくなった。
俺は飛んだ勘違い野郎っていうのを自覚しているからだ。
学校で隣の席の人とペアワークで話し合った時凄く盛り上がったので、あれ?俺の事好きなんじゃね?と思い意を決して告白するもNOを突きつけられた。
それから俺は思い上がらないようにしていたのだが、由乃が顔を赤く染めていたので俺の事好きなんじゃね?とまた思い上がってしまった。
本当に情けない。
そう思いながらも美由紀さんと由乃を部屋に上げて、荷物を整理して一段落ついたあとに美由紀さんが仲良くなるために質問タイムをしよう!と言ってきた。
正直あったばかりでどうしたものかと考えていたので、この提案は凄く有り難かった。
「じゃあまず私から!佐藤君は彼女いた事ある?」
「ふぇ?」そんな抜けた声が思わず出てしまった。
いや、いきなり質問のレベル高すぎだろ!まずは好きな食べ物とかじゃないの?
とかを思ったが話を振られた以上答えないのはナンセンスだと思い答えた。
「いや、今まで出来た事無いですけど」
俺は恥ずかしかったが隠しても仕方の無い事なので正直に告げた。
「良かった」
小さくその声が由乃から聞こえてきた。
「え?」
俺は思わずそう口にしていた。
由乃は口を手で抑えて俯き、顔を朱に染めていた。
やめてくれ勘違いしてしまうだろと突っ込みたくなったが、なんとか抑える事ができた。
その後も質問タイムは続き40分ぐらいが経過した頃にその時間は終わった。
そして時刻は7時になった所で美由紀さんが晩ごはんを作りましょうか?と提案してきた。
親父はじゃあ頼むよと言っていたので、それに続いて俺もお願いした。
美由紀さんのご飯は凄く美味しかった。
いつもレトルト食品か惣菜しか食べていなかったので、久々の手作り料理に感激した。
そして寝る時間になり、寝る場所はと言うと親父と美由紀さんは同じ部屋で、そして俺はいつも寝ている自室、そして由乃は物置き部屋だった所をキレイに整理整頓してそこにベットやらの家具を置いた部屋で寝ることになった。
そして寝ようとした時、ドアからコンコンとノックされたので入るよう促すとそこには由乃の姿があった。
由乃は照れた顔をしながら俺の所に近づいてきたので、何事かと思ったが次の一言を聞いた瞬間。
俺はどこか既視感を由乃に抱いた。
「私の事覚えてない?」
人生で初めて小説を書きました。
私はもともとラノベが好きでその中でも義妹系は特に好きだったので、記念すべき1作品めに書かせて頂きました。
最初は構成に悩んでばっかで中々文字を打つことが出来ませんでした笑
でも少しずつ書いていくうちに、構成が浮かび上がりスラスラと書くことが出来ました。
由乃が最後に言った言葉気になりますね〜
私もこれからどういう設定にしていこうか熟考したいと思います。
1話を読了して頂き有難うございました!