な、なんで...
週末にもう1話更新予定。
感想、改善点、誤字報告よろしくです。
……え?
待って待って。
え?
「ほ、穂村!!
お前急にどうしたんだよ!!
女神様が信用出来ないって?
女神様が俺たちを呼んだんだろ?
裏切ったりする理由がない!!」
「…はぁ。
宇野口、そう思ってるのはお前だけのようだが?
何をそんなにムキになっているんだ。」
っっっ!?
ほ、ほんとだ…
みんな普通に納得してる…
みんな最初からこう思ってたのか!?
…!!
違和感ってコレの事だったのか!?
な、なんで…
「宇野口。
転生モノでたまにあるんだ。
女神が黒幕の場合がな。
女神エリスは怪しいと言わざるをえない。」
な、そんなの!
「根拠が少なすぎるだろ!!
今、女神様を離れたら俺たちは自分たちでこの知らない土地を生きていく事になるんだぞ!?
そんなの俺たちには出来ない!!
それに…」
「宇野口!!
お前が俺たちより綺麗な女神様を信じたいのは分かる!!
お前の女好きはクラスでも有名だったからな!!
…ふぅ。だが今はそんな事言ってられないんだよ。
女神が黒幕だと確定した訳じゃない。
警戒してるだけだ。
女神の元を離れると決まった訳じゃないさ。」
「なっ!?
確かに俺は女好きだ!!
でも、俺はお前たちの方が信用できる!!
それに、まだ会って少ししか経ってないんだぞ?
これで人を疑うなんて俺にはできない!
それだけなんだ!!」
「どうだかな…
いいな宇野口。
お前も充分警戒する事だ。
どうなっても知らんぞ?
ここは異世界。
俺たちを守っていた法や大人はいない。
そういうことだ。
言いたいことは以上だ。
また何かあれば集まって欲しい。
その時はまた声をかける。
みんな、警戒を怠るなよ
それと、宇野口…
…やっぱいい。」
そう言って穂村は部屋を出ていってしまった。
あの見下してる感じクソムカつく!!
言いたいことがあるならハッキリ言えよ!!
「なんだよアイツ!!
いちいち上から目線で言いやがって!!
チッ!
みんなもみんなだ!!
なんでそんな人間不信みたいになってるんだ!!
そんなんじゃ無かっただろ!?」
「ウノ。
正直言って君は人を信じすぎだ。
それは君の長所だけど短所でもあるよ。」
僕も正直、女神様は警戒すべきだと思う。
穂村君の言ってることは正しいよ…」
「か、カゲちゃ…」
「ウノ…
私もそう思う。
貴方のそういうところ嫌いじゃないけど、今は…」
れ、冷泉もか…
「そ、そうだな…
確かにそうかもしれない…。
………部屋に、戻るよ。
………頭を冷やす。」
俺が…
俺が甘いのか…?
俺が間違っているのか…?
俺が…
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景山視点
あの後、ウノに続いて五十嵐君も出ていってしまった。
五十嵐君とあんまり接したことないから、よく分からないんだよね。
ウノ…
これまできっと、ほとんど人に裏切られた事が無かったんだろうな。
ウノは根が優しく、人望がある。
なんとなく、この人にのために何かしたい!って思える人だ。
「ちょっと思ったんだけどさ…」
やっぱり冷泉さんも思ったのかな。
「洗脳系スキルでしょ?」
「そう。
もしかしたらって思ったんだけど…」
この世界にはスキルや魔法がある。
ならば、軽い洗脳の力があったっておかしくない。
ウノだってもしかしたら女神が怪しい事に気づけてたかもしれない。
でも、軽くでも洗脳されていれば、全く気づけないし、さっきのウノのちょっと過剰な反応も説明できる。
まぁウノは本当に素直な子だし、疑いを知らないから、あの反応もおかしな事はないんだよね。
穂村君達からしたら、きっとウノは女神に洗脳されているだろう危険分子だけど、仲の良かった僕や冷泉さんからしたら、まだイマイチ分からないんだよな。
「穂村が最後に言おうとしてた事って多分この事だよね。
ウノが洗脳されてる事を本人に伝えるのは危険だと思ったのかな?」
「冷泉さんの言う通りだと思うよ。
女神が洗脳した人の記憶を見たり、視界を共有できる能力を持ってたら、警戒されるし、最悪消されるかもしれない。」
そう、消されるかもしれない
本人の戦闘能力は分からないけど、戦力は確実に持ってると思っていい。
「まぁ今の状況じゃ何も判断出来ないし、また話し合いは今度だね。」
「影山も気をつけてよ?」
「もちろん。
冷泉さんもね。」
そう言って僕らはそれぞれの部屋に戻った。
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五十嵐視点
宇野口はメンタルズタボロだな。
穂村も穂村だ。
人の上に立つのが当たり前のように振舞っている。
宇野口は足でまといだが、穂村より信用できる。
洗脳はされてる線も考えたが、元々ああいう性格だったし大丈夫だろうな。
影山と冷泉はまともだな。
色々協力し合えそうだ。
なんで5人もいるのに2人しかまともな奴がいないんだ。
まぁいい。
とりあえず今はこの基地の探索と魔法の探求。
20分程歩いているが全く端につく気配が無い。
なかなか広い基地だな。
歩きながら幾つかありそうな魔法を言ってみたら案外見つかった。
攻撃魔法は流石にやめておいたが。
探知
鑑定
結界
浮遊
この4つは上手く発動できた。
どれもなかなか良い魔法だ。
幸先がいいな。
もう少し探索し…
「五十嵐様?
どうしたのですかこんな場所で。」
……
たまたまここに居たのか?
それとも付けられていたのか?
細心の注意を払ったつもりだったが。
確か名前はエカトか。
「五十嵐様?」
さて、あまり人とは話したく無いんだがな…
話すしかないか…
一言も喋らなかった五十嵐君。
ついに登場?しました。
ウノがバカなのか皆が適応しすぎなのか…