ね、眠くない!?
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異世界に来て5日目。
俺たちは朝食前、1度大部屋で集合した。
カトさんから話があるようだ。
「まずはここについての話をします。
皆様の居るここは島となっております。
この島に人族は住んでおりません。
中枢空間のその周辺は特殊な結界が張られていて、安定した環境となっていますが、一方で、森の中は魔物で満ち、森の外は瘴気で溢れています。
戦闘訓練をして頂いておりますが、魔物相手ばかりだと、相手に知能が無い場合の戦闘に慣れてしまい、対神戦で危険になります。
大部分の人族はこの島から東の方に行った大陸、ハロティナで生活しています。
なので、皆様はそこで聖国ネイコサニアに援助して頂きながら、経験を積んで頂きます。
ネイコサニアへは3日後、転移魔法陣を使って皆様をお送りします。
連絡は以上です。」
わぁぁぁ
急によく分からない単語が多い!!
ネイコサニア?
まぁ、とりあえず人と戦って経験積めばいいんだな!!
で、今日はなにするんだっけな。
午前は座学で、午後は体術か。
異世界でも座学するんだな〜
最初は新鮮で眠くならないけど、そのうちウトウトしそうで怖いな。
カトさんって怒ったら怖そう。
笑顔で追い詰めてくるカトさんか…
また眠気対策しないと…
「朝食前に失礼しました。
座学は第3自由室で行います。
また朝食後にお迎えにあがりますのでここにいてください。
では、私は失礼します。」
あ〜カトさん行っちゃった…
カトさんもここで朝飯食えばいいのに。
実はもっと豪華な食事取ってたりするのかな?
気になる…
まぁ、それは置いといて〜っと。
何を食おうか…
今日は…ポークビーンズ!?
じゃないよな。
「鑑定」
レッドマター
オーク肉
レッドビーンズ
ブラッドソース
レッドマター!?
赤い物?
え?
どう見てもポークビーンズなんだけどな…
確かに赤いけどソースと豆が赤いだけだし…
なんか由来とかあるのかな。
ブラッドソースって…
オークの血か?
前の世界のイカスミパスタみたいな?
まぁ食うか…
「ウノ。飲み物は何がいい?」
「毎度おなじみハトムギ茶で。
センキュ、カゲちゃん。」
ふわぁ…まだ眠いな。
それにしても、朝みんなで食べるのは久しぶりだな。
みんな微妙に起きる時間が違うから珍しい光景だ。
…この4日間の訓練で皆の得意分野が分かってきた。
俺は超火力魔法。
カゲちゃんは広範囲魔法とサポート。
冷泉は単発超火力魔法とサポート。
穂村は体術とバフ魔法。
五十嵐は…よく分からん。
いっつも端の方でコソコソしながら色々してるし、今度注意深く見てみようかな。
多分、沢山の魔法を使えるんだろうけど。
2日目に浮いた時はみんな驚いてたな。
穂村の顔が面白かった。
穂村に体術じゃほとんど勝てないんだよな〜
この頃は触れるようになってきたけど、まだまだだし。
今日の午後こそは負けねぇ!!
「宇野口。
顔がうるさい。」
「……は?」
「ぷっ! あははは!!
ウノって本当に表情豊かだよね!!
さっきからずっと穂村君の方を凝視しながら、表情変えてるし。
あははは!!」
「五十嵐君を凝視してた時の不思議そうな顔も傑作だったね。」
「ちょっ冷泉!!」
「あはははははは!!
ひぃー!!真顔で言わないでよ!
はははははは!!!」
「やべぇ!!
カゲちゃんの顔が真っ赤だ!
息を吸うんだカゲちゃん!!」
「ウノ。離れて。
ウノが居ると笑っちゃうから。
………ぷっ!私も思い出したら…もう無理!!
はははは!!」
「おい!!
あーもう!!
表情がバレないように仮面でもつけてやろうか!!
全く…
な!!五十嵐!!
お前も笑ったな!!」
「……笑ってな……い……。」
「今我慢したろ!!
五十嵐まで…」
「宇野口。さっきと食え。
茶番はもういい。」
「しようとしてしないんだけど!?
俺だけかよ…」
「「あはははは!!」」
全く俺悪くねぇだろ!
はぁ……。
まぁ、平和な光景が見れたし、良しとしよう。
さて、さっさと飯食おうかな。
◇◆ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◆◇
「では、座学も私エカトが担当させていただきます。
よろしくお願いします。
座学はこの世界の常識を皆様に知って頂く授業です。
ネイコサニアに行っても困らないようにするため、皆さんしっかり聞いて下さいね。」
エカトさんはそう言って現代社会のような授業を始めた。
まず最初に皆で新スキル、翻訳を覚えさせられた。
文字を翻訳する時に使うそうだ。
因みに言語が今理解できているのは、女神様の力らしい。
スキル取得条件は最低1つの言語をある程度理解していること。
確かに翻訳先が無いとどうしようも無いしな。
授業の内容は大きくまとめて3つ。
聖国ネイコサニアについて。
魔法のメリット、デメリット。
そして、この世界の簡単な一般常識。
魔法にデメリットあるのは驚きだった。
デメリットは魔法を覚えすぎると、体に魔力が循環しなくなって死に至ると言うものだった。
…怖っ!?
人にはそれぞれ容量があるらしく、新しい魔法を使えば容量が消費されていくらしい。
ギリギリを見極めれば容量を増やすこともできるらしいが、かなりの苦痛と命のリスクがあるそう。
ただ、俺たちは容量が大きいから無闇に魔法を覚えない限り大丈夫らしい。
穂村と五十嵐は顔が青くなってた。
よっぽど怖かったんだな。
まぁそんな感じで座学は終わった。
眠くならなかったぜ!!
やった!!
さて、午後の体術も頑張ろう!!
多分、転移編はこれで終わりです。
次回は番外編を挟むか、聖国ネイコニア編になります。