第6話 妖精大暴走 1
毎日投稿は辛いということが判明しました
今後はゆっくり投稿になります
ベルが気絶していた頃、彼らの住む山の頂上付近の湖周辺で騒動が持ち上がっていた。
とある妖精二人がほかの妖精達につるし上げられていたのである。
その二人とはミントとリーリだ。
二人は100以上の妖精に囲まれて責められていた。
「それで、二人だけでそのおいしい物を食べたんでしょ。ずるいずるい!!」
「そーよ!そーよ!、リーリとミントだけずーるーいー!」
リーリが昨日食べた特製フレンチトーストを自慢した事から端を発した騒動である
最初はリーリと数人の妖精達の内緒話だったのだが瞬く間に話が広がり、湖付近の妖精が集まって来てしまった。
後から来た妖精達が事情を聴くためミントを連れてきて、この騒動となっている。
「それで、それで、どんなだったの?どんな味なの?」
みんなに聴かれてしょうがなくミントが説明すると、話を聞いた妖精達が一層騒ぎ始める。
「甘くて、カリッとしててふわふわ!」
「花の蜜よりもっと甘くて、熱々!」
「もうがまんできなーい!私、ベルの所に行ってクルー!」
今にも飛び出そうとする妖精達を止めようとミントが叫んだ。
「だめよみんな落ち着いて!ベルが昨日は特別だって言ってたの。みんなの分まで作れないって言ってたの。」
ミントの言葉を聞いたリーリは或る事を思いついた。
「ねえねえ!みんな聞いてー!リーリ、良い事思いついたのー!」
「あのね、みんなで特別になればいいと思うの。
みんなでベルの為に何か役に立つ事をすればー、みんなに作ってくれると思うのー!」
リーリの提案を聞いて数人の妖精が前に進み出た。
「みんな聞いて!今のリーリの案は一理あると思うの。
麓のベルちゃんはあたし達に優しいけど、だからってみんなで押しかけて食べ物をよこせっていうのは…、そうあたし達、湖の妖精の沽券にかかわると思うの。
ここはベルちゃんに、まず恩を売りつけてその後食べ物を要求する、って言うのはどうかしら。」
さすがに湖の妖精達の姉貴分であるベゴニアの言葉である。追従する妖精が次々と現れ始めた。
「そうね、ベルちゃんはいつも優しいからね、困らせるのは私達の…そう、こ・け・ん?にかかわるわね。」
「ベルちゃんには、リーリとミントだけ特別扱いは差別だ!ってわからせないといけないと思うの。」
「ベゴニアの意見に賛成!さんせーい!!」
「この二人を人質にして要求するってのはどうかな?」
いつの間にか始まった妖精大会議で中心となって発言しているのはベゴニアを中心とした5人である。
当事者であるリーリとミントは特製フレンチトーストを二人占めした罪により発言権を剥奪されている。
他の大多数はわいわいと騒ぎながら5人の意見を聞いている、そういう流れが出来上がっている。
1時間後、その会議も終息に向かい結論が出た。
結局ベゴニアの提案が取り上げられたようだ。
「じゃあ、みんなでベルちゃんの役に立つ事をして、特製フレンチトーストを要求する作戦を開始します、みんな良いわねー!」
「(「おー!!!」)」
かくして、甘い物に目が眩んだ妖精達の大暴走が始まった。
この事をベルはまだ知る由も無かった。
妖精さん達は大概どんなところにもいて人間の生活を見ています
当然、裁判、軍隊や戦争を目撃していますのでごっこ遊びに取り入れることもできるようです